ひとりしりとり「きびだんご」→「誤解」
どれほど頑張って物事を伝えようとしても、それが発せられた意図とは全く違った形で伝わってしまうことがある。
ちょうどケータイで作業をしていたら彼女から電話が掛かってきたので即出したところ、
「こんなに早く電話に出るなんて何かやましいことがあるに違いない」
と言われるのがそれに当たる。
やましいことは数え切れないほどあるが、疑われるきっかけとしては釈然としない。
念のために偶然ケータイで作業をしている時に電話が掛かってきたのだと事実を伝えると、
「愛する彼女からの電話をケータイの前で正座して待ってたんじゃないのか心が深く傷付いた慰謝料を請求する」
などと言われる。
誤解は悲しい事件を呼ぶと相場が決まっているのである。
ところで、有史以来人類の間で誤解でない意思の伝達が行われたことがあるだろうか。
一人ひとりの人間が違った脳を持ち、違った価値観を持ち、違った視点と身体と言語を持つ中で、
「そのお皿を取ってくれ」
と言われた時、仮に同じ皿をイメージしたとしても、その皿に持っているイメージが相互異なれば、これは小さな範疇での誤解であると言える。
求める結果が得られたからといって、そこに誤解が無かったとは言い切れないのである。
そう考えると、人と人の間のやりとりは基本的には誤解で成り立っているということが分かる。
ひとつの物事に対してお互いがお互いなりの解釈をし合うというのが、この世の実態である。
感性は繋がっているが、思考は繋がっていない。
同じ女を好きになった二人の男にその理由を深く聞いていくと、必ずどこかで異なる理由が出てくる。
共通しているのは、軽薄である、ということくらいだ。
究極的には、僕が「赤」だと感じそう読んでいる色を他人の目を通して見た時に、「青だよこれは」と感じる可能性は否定しきれない、ということである。
感覚を感じるのが個々の脳である以上、それらを完全にリンクさせることは不可能だ。
我々は結果的には思っていた通りの答えが得られても、その根底では認知に至らない小さな誤解を繰り返し続けているのかもしれない。
ここまで記事を書いたところで、彼女がMacの画面を覗き込んできた。
彼女「またロクでもないことを無駄に小難しく書いて人に頭がいいとうそぶいてるんか。軽薄やな。」
僕「誤解だ。無駄で小難しくはあるが、頭がいいと思ってもらおうなどとは思っていない。才覚は黙っていても伝わるものだ。」
彼女「もうちょっとは頭ええフリした方がええんとちゃうか。」
僕「それも誤解だ。頭がいいフリなんか必要ないんだ。」
彼女「もう諦めてんのか。」
僕「重ね重ね、誤解だ。僕は頭がいいんだ。」
彼女「誤解や。」
人と人とが真に分かり合える日は遠い。
本編とは関係ないけど、バッグに飛び込んでお出かけに胸ときめかせる彼女の愛犬白い犬。行き先は病院。案件は去勢手術である。尻尾を振って、楽しいことがあると誤解している。
Information
山本優作ワンマンライブ〜Stand & Fight〜
■会場
bar yay a ebisu
東京都渋谷区恵比寿1-12-7三恵ビル3階
ameblo.jp
2014年9月14日（日）
19:00 open
19:30 start
21:30 end
■ゲスト出演
柴田ヒロキ（Vo.Gt）
ameblo.jp
予約3000円/当日3500円
※どちらも1ドリンクついてます。
※お客様は15名限定とさせて頂きます。
■ご予約は
accr.mail@gmail.com
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