人生はゲームであるという仏陀の言葉を現代に伝える僕とさとらない彼女の不毛な会話。

「人生は苦である」

とは、仏教の教祖である仏陀の言葉である。これは

「どうせ人生辛いことばかりなのだから、諦めて開き直っていなさい」

という意味では無い。仏陀はこれに、

「人生は制約の中で障害やイベントが随所にちりばめられたゲームなんだから、ルールにのっとって楽しみ尽くしなさい」

という意味で伝えたのである。

この話を雲黒斎さんという方が出版された本で読んで感銘を受けた僕は、早速その旨を彼女に諭そうと電話を掛けた。これで彼女が人生の深淵に触れ、前向きになったなら、そのついでに僕に対してもっと優しくなってくれるに違いない。

僕「人生はゲームである。」

彼女「そんなクソゲーやってて楽しい?」

僕「どんなゲームもルールがあって、その制約の中でクリアーを目指すから楽しいんじゃないか。」

彼女「この前バイオハザードは怖いからアカンってゆーてたやん。」

僕「あかんくないゲームもあるんである。マリオカートとか。」

彼女「うちそれ嫌い。」

僕「他人の画面にイカスミを吹き付ける楽しさが分からんのか。」

彼女「他人の人生にイカスミ吹き付けて喜んでる神経の歪みに気付かんのか。」

僕「他人の足を引っ張ることがルールなんだから、それは楽しまなきゃいけない。」

彼女「1位になってる訳でもないのにトゲゾー甲羅弾が常に自分を追い掛けてくるマリオカートはつまらんやろ?」

僕「それはゲームのバグだ。正常な状態じゃない。」

彼女「今お前から電話が掛かってきた時、そんな気持ちになった。」

彼女がさとるには、まだまだ時間が掛かりそうだ。このゲームはバグっている気がする。


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僕の中では”ブッダ”といえばこの方。