【情報管理術】メモの情報から「プロジェクト」と「タスク」を作る

前回の記事を何度も書き直しているうちに2019年に突入しておりました。相変わらず方針転換の多いブログですが、本年も何卒ご贔屓に。

さて、前回の記事で僕たちは「IN BOX に入っているノートを、暮らしのカテゴリーごとに立てたノートブックに割り振る」というテクニックについて語り合いました。

今回の話題は、その振り分け作業をする時に同時に行う「プロジェクト化」「タスク化」というテクニックについてです。


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メモを「プロジェクト化」or「タスク化」して、自分が何をすればいいのかをはっきりさせる

IN BOXの中には様々なレベルのメモが放り込まれているはずです。比較的まともな文章になっているものから、自分にしか分からないような単語だけのもの。写真が一枚だけ、ということもあるかもしれません。

それらをそのままカテゴリー別のノートブックに放り込んでもいいのですが、時間が経つと「どうしてそのメモを取ったのか」という大事な部分を忘れてしまうことがあります。「プロジェクト化」「タスク化」というのは、それらのメモを受けて「自分は何をどうするか」という現実的な段階に情報を進化させるプロセスなのです。

ここで「プロジェクト」と「タスク」という言葉の定義をしておきましょう。


プロジェクト:

「ひとつの目的を達成するための、複数のタスクの連なり」。

生涯をかけて取り組む非常に長期なものから、一日で終わる短期なものまで、様々あります。

タスク:

すっごく平たく言うと「やること」。

たとえば、「●●のExcelを開く」「洋室に掃除機をかける」「新幹線の切符を予約する」「ブログを書く」のように、非常に具体的なものです。


では次に、プロジェクト化とタスク化の作業でどんなことをするのか、実例を見ながら確認していきましょう。

苦手なことこそタスク化する

ある日のお昼ごろ、母からLINEで「家で採れたみかんを送ったよ。明日の夕方届くから」という連絡が届きました。余談ですが、僕の実家はみかんで有名な和歌山県の有田というところで、山本家はみかん農家ではありませんが、裏山に小さな畑を持っています。

お礼の返信のあと、僕はそのメッセージ画面のキャプションを取り、Fastever2を使ってIN BOXに放り込みます。そしてその日の夕方、IN BOXを空にする作業をするときに、このメッセージから2つのタスクを作りました。

ひとつは「荷物の受け取り」。もうひとつは「母に受け取りのメッセージ」です。そしてそれを、翌日のやることリストに移動させました。

情報の流れを示す画像

自分が筆無精だと分かっているから、「メッセージを送る」ことまでタスク化する

そんなことまでわざわざタスク化するのかと、驚く方もいるかもしれません。僕という人間は、お恥ずかしながら(嘘、本当はぜんぜん恥ずかしくない)大変な筆不精です。可能なら、あらゆる人に対するあらゆるメッセージのやりとりを手放したいとさえ思います。

他方で、僕の中には「家族といい関係でいたい」という気持ちがあります。心の底にたゆたう、静かで力強いニーズのひとつです。そのニーズを満たすためには、うんざりするほど億劫に感じるメッセージの送付という作業に立ち向かわなければならないのです。

億劫さに立ち向かい、自分自身の深いニーズを叶えるために僕が取った戦略が、「母に受け取りのメッセージ」というタスクを立てることでした。僕は日頃からその日のやることリストにチェックを入れながら過ごしています。そのリストにタスクが入ってさえいれば、取りこぼすことはほぼほぼないからです。

やりすぎでしょうか?僕はそのようには感じていません。むしろ、非常に楽です。

頭の中に放置した「やらなきゃ」を見て見ぬ振りしながら、うっすら不快感が立ち込める一日。それと自分の性質に向き合い願いを叶えるべく行動を起こしている一日の充実感は、比べるべくもありません。

タスク化とプロジェクト化は同時に起こる

去年の11月の末ごろでしたでしょうか。僕はFastever2から、EvernoteのIN BOXに「子どもが生まれてからの手続き」という一文を放り込みました。

このメモを放り込んだ意図は、「子どもが生まれてから僕が処理すべき必要な手続きを洗い出して、整理しておきたい」というものでした。僕はこの意図を忘れないうちに、プロジェクトを立ち上げました。それは、以下のようなタスクの連なりでした。


□区役所のwebサイトで該当のページを探してチェックする(必要であれば区役所に電話する)
□それぞれの手続きに必要な書類を洗い出す
□里帰り出産で夫婦で地元に帰る僕たちが取るべき段取りを確認する
□それらの情報をまとめてEvernoteに保存しておく
□奥さんが産気付いて待機しているうちに、前後のスケジュールと処理すべきタスクを整理する
□子どもが産まれたら、それらの手続きを処理する

プロジェクト化すれば「よく分からないもの」との向き合い方が見えてくる

子どもが生まれてからの手続きは煩雑を極めます。僕たち夫婦は子どもを迎えること自体が初めてなので、経験値もありません。「子どもが生まれてからの手続き」は、ただただ巨大で煩雑で正体不明な何かとして、僕に強烈なプレッシャーを放っていました。

それが、プロジェクト化してからは非常にスッキリ。もちろんひとつひとつの作業が煩雑とか、お役所特有のたらい回し的対応を取られるとか、その後のタスク処理の課題は発生します。それでも、「どうしていいのか分からない」というストレスからは明らかに解放されたのです。

目の前の「どうしていいのか分からない」課題に対して、自分が具体的にどういう行動を取ればいいのか。全く初めての経験に対しても、想像し、考え、仮説のタスクを立てていくのです。何か間違っていれば、その都度修正すればいいのです。

「プロジェクト」と「タスク」をそれぞれ管理する

プロジェクトはタスクの連なりで、タスクとは具体的なひとつの「やること」であるとお伝えしました。プロジェクトとタスクは違うものなので、これらをどのように整理すれば管理がしやすくなるか、気になるところです。

結論から言うと「お好きなようにどうぞ」なのですが、それではあまりに無責任なので、叩き台になる整理の手法をご共有しておきましょう。この手法からまず初めてみて、やりづらさを感じることがあったら、どうして・何がやりづらいのかを突き詰めて、対処するという作業を重ねてみてください。

プロジェクト整理のアイデア・・・プロジェクトノートを作る

先ほどご紹介した、子どもが産まれてからの手続きに関するプロジェクトををもう一度ご覧いただきましょう。


□区役所のwebサイトで該当のページを探してチェックする(必要であれば区役所に電話する)
□それぞれの手続きに必要な書類を洗い出す
□里帰り出産で夫婦で地元に帰る僕たちが取るべき段取りを確認する
□それらの情報をまとめてEvernoteに保存しておく
□奥さんが産気付いて待機しているうちに、前後のスケジュールと処理すべきタスクを整理する
□子どもが産まれたら、それらの手続きを処理する


「□」ひとつひとつがタスク、ということになります。これをひとつのノートにまとめてしまいます。ノートのタイトルは「子育て_出産後の手続き」といったところでしょうか。これを「プロジェクトノート」と呼んでいます。

プロジェクトノートのイメージ画像

プロジェクトノートの中にプロジェクトを構成するタスクのひと流れを格納するメリットは、一見するだけでそのプロジェクトの進捗を俯瞰することができること。そして、プロジェクトの進め方が変わった時に、これからやるべきことがどのように変化していくのかを見直しやすくなることです。特に後者のメリットを実感する機会が多いでしょう。

プロジェクトの段取りやスケジュールが変わった時、人は「とりあえず目の前のタスクを処理しよう」となりがちです。しかし本当に優先すべきなのは、今回の変更に合わせて今後のタスクの流れを最適化することのはずです。なぜなら、それをしないと「目の前のタスク」が、本当に必要なタスクなのかどうかの判断ができないからです。

プロジェクトノートを作って、毎日そのプロジェクトに取り組み始める時に眺める。終わったタスクにチェックを入れていって、進捗を目で見て確認する。段取りの変更は速やかに反映させる。以外と工程は少なく、それでいて現在地を知ることができる、Goodな手法です。

タスク整理のアイデア・・・単発のタスクは「雑務」ノートブックに放り込む

ここまで読み進めてもらったあなたなら、もしかしたら気付いているかもしれません。そう、全てのタスクが何らかのプロジェクトに組み込まれるわけではないのです。

先ほど、母が送ってくれた荷物を受け取り、その後に受け取りのメッセージを送るというタスクを立てたという話しをしました。これらは何らかのプロジェクトの一環でしょうか。

大きな視点で見れば家族の中で繋がりと喜びを循環させるというプロジェクトの一環のように思えます。しかし、それはプロジェクトとしてノートブックを立てるには大きすぎるものですね。どちらかというとミッションステートメントのような、指針の領域でしょう。それに対し「荷物を受け取る」「母に連絡をする」というタスクはあまりに単発的です。

そこで僕は、こういった単発的でプロジェクトの中に収めづらいタスクを放り込んでおくための「雑務」というノートブックを用意しています。雑務のノートブックの中には、たいていひとつのタスクがひとつのノートになったものが入っています。これをタスクノートと呼んでいます。

タスクノートのイメージ画像

整理することに囚われ過ぎないでいい

今回の記事では、IN BOXに入ってきた情報をプロジェクトとタスクという異なるサイズの塊に整える方法についてお話ししてきました。こういった整理整頓の話しは、僕のような完璧主義気質の人間にとっては、実に魅力的なテクニックに感じられるものです。

だからこそ覚えておきたいのが、整理整頓は手段であって目的ではないということ。僕たち完璧主義者は、完璧な目的達成のために完璧な手段を取ろうと思いがちです。その結果、手段に固執し、翻弄され、完璧とは程遠いアウトプットをしてしまいます。完璧主義ゆえに、完璧さから遠ざかってしまうのです。

ですから、普段はプロジェクトノートで管理しているプロジェクトなのに、タスクノートがいくつも並んでいったとしても、それでプロジェクトの進捗が管理できたり、イレギュラーな事態に対応することができていれば、それでいいのです。

情報管理は、どこまでいっても手段です。情報を管理したところで、タスクは処理されないし、プロジェクトは進みません。それだけは肝に命じておきたいものです。


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