にんにくホルモン焼き詰めささみカツ定食の脅威。

大阪に拠点を移動したことを受けて、今後の活動の指針について大いに考えていたら、突然ひらめいた。

「ささみカツ定食を食べよう。」

自転車に乗って大阪を放浪していたところ、なんば食堂という定食屋の看板に、ささみカツ定食の文字が踊っていたのである。ささみもカツも僕の大好物だ。そのふたつが折り重なっているのだから、それはもう仮面ライダーVSウルトラマンのようなものである。おお、それは不安である。

しばらく観察していると、それが『ささみとカツが盛られた定食』ではなく、『ささみをカツにした定食』であるのではないかという疑問が沸いてきたが、既にささみカツ定食を注文した後のことであった。核心的な疑問は、常に行動の後から付いてくる。僕が行動するイケメンである証拠といえる。取り返しが付かないことを除き、問題はない。

ぼんやりと口を開けて待っていると、信じられない量のささみカツが運ばれてきた。正面に座っていた彼女があまりの量に顔を引きつらせる。彼女はにんにくホルモン焼き定食を頼んだのだ。自らがこれからにんにく臭い女になろうとしていることに気付いたのだろう。にんにくの臭いが漂ってきたら逃げ出せばいいから、とりあえず僕にとっては有益であると心で伝える。

ごはんと味噌汁はセルフサービスであるということだった。必要な分だけよそって帰ってくると、彼女のにんにくホルモン焼き定食がテーブルにやってきていた。目に染むほどのにんにくの香りの向こうに、スネを打たれた弁慶のような顔の女が座っていた。何かフォローをしろ、という雰囲気がすごかったので、僕は優しい目(当社比)をしてこう囁いた。

「よく似合っているよ。」

気が動転していたとはいえ、よく命があったと思う。

ささみカツ定食の量は、膨大を極めた。食べても食べても無くならないのだ。最近食事量が減っているのに体重が増加の一途を辿っている僕としては、この量の揚げ物は、いくら中身が鶏であれ、精神的にくるものがある。美味いから、なおのこと不安である。すると2杯目のごはんと味噌汁をよそってきたにんにく女がこう言った。

「ここの料理、余ったら持ち帰りできるらしいで」

画期的である。確かに炊飯器の隣りにはスーパーの総菜売り場によく置かれているプラスチックタッパーが置かれていて、「食べ切れなかった料理はお持ち帰りください」と書かれた張り紙がされている。定食の代金が850円とあり、少々高いのではないかと出し渋っていたが、これほどまでのサービスをしてくれるのならと、惜しみなく代金を支払う気になった。

盛られていた半分ほどを食べたところで、僕はタッパーにささみカツを詰め込み始めた。これで翌日の昼食と、うまくいけば夕食が浮く。850円で3食を維持できるのだから、一食あたりのコストは300円以下である。素晴らしいと唸りをあげつつ、にんにく臭い女に距離を置き、事務所へと帰った。

翌日、強烈な臭いで目が覚めた。臭い。何事かと臭いの元を辿ったところ、冷蔵庫の中に入れたプラスチックタッパーから、大量のにんにくホルモン焼きが発見された。先日の定食屋で、彼女がどさくさに紛れて僕のささみカツの隙間という隙間に、にんにくまみれのホルモン焼きを詰め込んでいたのである。僕は勇気を出して、彼女にクレームを出すことにした。

「ちょっと、うちの事務所がにんにくの香りに包まれてるんだけど。

「おお、臭い臭い。近寄らんといてんか。」

「なんだと。君だって相当に臭いじゃないか。」

「これからにんにく臭が抜けていく美女と、これからにんにく臭くなる肥満男。どっちの方が価値あるかっちゅー話しやな。」

当面の活動方針など、どうでもいいように思われた。

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Information

山本優作ワンマンライブ〜Stand & Fight〜

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■会場
bar yay a ebisu
東京都渋谷区恵比寿1-12-7三恵ビル3階

■日時
2014年9月14日(日)
19:00 open
19:30 start
21:30 end
■ゲスト出演
柴田ヒロキ(Vo.Gt)
柴田ヒロキ 204号室の音楽人
柴田ヒロキさんのブログです。最近の記事は「0905-夏が楽しすぎたら気づけば9月(画像あり)」です。
■料金
予約3000円/当日3500円
※どちらも1ドリンクついてます。
※お客様は15名限定とさせて頂きます。
■ご予約は
accr.mail@gmail.com
まで、お名前とご予約人数をご記入の上、ご連絡ください。

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