たぶん去年100冊以上くらい本を読んでいて、今年はたぶんそろそろ60〜70冊くらい読んでると思う。だいたい月に10冊ペースかしら。
読んでる本の冊数はあまり自慢にならなくて(世の中には年間1000冊以上の本を読む変態がゴロゴロいる)、結局読んだ本から何を学んで実践しているかかが学びのための読書の価値なので、その辺はまだまだ発展途上。
だけど、本を読むことで人がどうなっていくのかの、最初の一丁目には来れたようなきがしています。今いる場所から見えている景色を、備忘録的に記録しておきます。
読書は多読が好き
僕の読書のスタイルは多読です。とにかくたくさん読む、というのを、ひとつの指標にしています。
と書いておいて、具体的に何冊読んだかを記録していないことに気付きました。いけないいけない。肌感覚で「きょねんは100冊今年はもう70〜80冊」とか言っちゃったけど、数えてみたら全然そんなことありませんでしたってことがありえます。
その辺は今後読書録を付けていくことにするとして、本は多読。これ、僕みたいな世間知らずで思い込みの激しいヤツには、とっても大切だと思います。
どうしてだと思いますか。
たくさんの本を読むと、価値観が壊れまくる
とにかく視野が狭く、思い込みが激しいのが僕です。アスペルガーらしいです。困ったものです。
そんな僕に唯一、自分の性質に立ち向かう術があるとしたら、それは本を読むことです。
世の中には数え切れない本があって、各著者が自分の人生という壮大なフィルターを通して、たくさんの情報を残してくれています。
本を開くとそこには文字で書かれている情報の他に、僕にとって大切なものが詰まっています。それが「視点」です。
昔の僕は、何か本を一冊読んだら、それで世界の全てを読解したような気持ちになっていました。いや、それはそれでひとつの才能で、そこから溢れる謎の自信と行動力は、僕の大切な個性的資産です。
とはいえ一方で、考え方やアイデアの幅を著しく狭めるリスクがあります。これは、困る。
たとえば、昨今「ブログはオワコン」なんて言われたりしますが、その一方でブログから毎年何千万円という収益を出し続けながら「まだ全然いけるよ」と言う人がいます。
僕はこれまでせっせとブログを書いてきて、ブログが縁で出会った方もいれば、いただいた仕事もあるわけで。だから「ブログはオワコン説」よりも、「まだ全然いけるよ説」を支持したくなるのです。つまり、視野が狭くなる。
そんな時に「本を読む」ということを選択肢として持っていると、まずは「ブログはオワコン説」の人の主張を読み取ってみよう、という選択ができます。
いや、言いすぎかもしんない。読書家でも、自分の主張や考えを強化するために本を読む人はいるし。
だからちょっと言い方を変えます。僕は一ヶ所に留まろうとする自分の価値観を壊すために本を読みます。「だからブログはオワコン説」の人の本も読むし、「まだ全然いけるよ説」の人の本も読みます。
両方読むと、どちらの言い分も納得できます。するとその後、選べます。いいとこ取りができるのです。知識の強化をしつつ、価値観を壊す。それがすぐ穴蔵に篭りたがる自分に、太陽の下を歩かせるための最良の手段です。
自分の人生を選択できるようになってくる
そうやって多読しつつ、自分を壊しつつしていると、その都度その段階でバランスの取れる場所がなんとなく見えてきます。
もちろん、その後別の本を10冊読んだ後は、また違う。だから今現在はいつだって最先端の完成品だし、いつだって未完成の発展途上です。
けど間違いなく本を一冊読む度に、何かの重心に一歩近付くのです。たとえその次に読んだ本で全く逆方向に戻ったとしても、それもまた重心への接近です。
そうやって知識や価値観の振り子に揺られている限り、僕は「視野が狭く、思い込みが激しい」という自分の性質を、忘れずにいられます。
自分の弱点を認識しつつ、どこにあるとも知れない、しかもどうやら動き続けているようにも感じる、何か大切なものの重心に、僕は迫り続けます。
それは自分の人生を選択して生きているということを、とても強く実感させてくれるのです。
読書はコスパがいい
下世話で申し訳ないんだけど、かなり重要だと思っています。本ってコスパが超いいメディアです。
例えば僕は今あるネット界の大物を参考にwebビジネスを勉強し直しています。彼はブログやYouTubeは出してくれているのだけど、本を出していない。
すると彼のメディアから学びたいとなると、ブログの特定のカテゴリの記事を一通りさらって、YouTubeの動画を一通りさらって、インプットした知識を整理して、自分が再現できるプランを再構築しないといけないわけです。これがかなり大変。
この「整理」の部分を、プロである著者や編集者が引き受けてくれているのが、本というメディアなのです。つまり、特定のカテゴリの情報を、ある程度体系立てて解説してくれていることに、大きな価値があるということです。
で、先程も出ましたが、多読をしていると定期的に価値観がぶっ壊されます。これがいいんです。
例えば、僕は一時期学んだ心理学やNVCの理論をもとに、妻との関係を「こういうもの」と割り切っていました。それで、幸せでもあったけど、嫌なことも実はあって。
そういう嫌なことと出会った時に、妻のことや自分のことを責めてしまっていました。そうそう、これが価値観の定着。視野が狭くなって、でも自分の知識に固執している状態です。
で、そこに夫婦論的本を10冊ほど投入してみたら、これがもうするする解ける。まさに価値観がぶっ壊された瞬間でした。
特に脳科学から夫婦の関係に切り込む黒川伊保子さんの『夫婦論』『妻語を学ぶ』『妻のトリセツ』が、僕には効果が高かった。夫婦関係に悩む男性に強くお勧めします。とりあえず、『妻のトリセツ』が読みやすいと思う。
その後僕は妻へのリスペクトが増して、自分が作った家庭の中で夫がどのように振る舞えばいいのか、その軸が見えました。あとはその軸を参考にしつつ、妻の個性に合わせて立ち振る舞いをカスタマイズするだけです。
妻との関係は劇的に良くなりました。その結果、家で過ごす時間のQOLはめっちゃ上がります。当たり前よね。最高です。ちょっと大きな声じゃ言えないけど、エッ○の回数も増えそうです。やったぜ。
そんな風に、自分の居心地、生き心地をバカンと改善してくれる一冊と出会える。だった700円とか、1500円の本一冊で。
だから本はコスパがいいんです。読まずに生きていたら絶対に見ることのできなかった景色の見える場所に、僕を連れて行ってくれます。月額980円でたくさんの本が読み放題になるKindle unlimitedとか、もう神の本棚です。
読書はいいぞ。多読はいいぞ。
本はスローメディアと呼ばれていて、着想から発売まで、どんなに早くても3ヶ月は掛かります。パンと出た情報がポンと吐き出されるwebメディアと比べると、ずいぶん悠長なタイム感です。
それでも本を読むことには意味がある。さっきお話しした「情報が体系的に整理されている」というのもあるけど、もうひとつ。
本って、著者や出版社が看板背負って出してるものなんです。
顔も略歴も住所電話番号まで晒して、かつ自分や社員の生活も掛かっている。どこの馬の骨が書いたか分からないネットの情報と比べると、信頼性が段違いに高いのよね。
だから、業界の歴史やフレーム、その概念の大枠を掴むこと。いわゆる「巨人の肩に乗る」ためのツールとして、本は最強なのです。
で、たくさんの本を読んで知識をストックしていくと、少しずつ玉石混交しているネット情報の「玉」と「石」の見分けが付くようになってきます。
ネットで最新の「玉」を拾えるようになる。これが読書の、それも多読の大きなメリットです。少しずつ世界の輪郭が見えてきます。きれいなんだ、これが。だから僕もまだまだ楽しみながら、勉強します。
よかったら一緒に、本、読みませんか。