今日のネコ写真。その5

昨日も今日も朝からFacebookページには愛くるしいネコの画像が当たり前のように流れていた。
世の中にはかくもネコが溢れかえっているのだ。
路地裏にも部屋の中にも膝の上にもネコネコネコ。
ごろごろされてもシャァァァとされても嬉しいネコネコネコ。

それに引き換えこの「今日のネコ写真」シリーズはどうだ。
企画のスタートから日数としては早くも一週間が経とうとしているというのに、アップできているのはしおれた柿やゾンビ化された僕の顔面写真ばかりである。
コメント欄には読者さんからのクレームが書き込まれ、その処理に追われる毎日だ。

どうしてこれほどまでにネコの写真が撮れないのだろうか。
昨日一昨日を忙しく過ごしながら考えた末に、ひとつだけ思い当たる原因が発見された。

「…下心か…」

そもそもネコの写真を介して人気者になり、ブログのアクセス数をアップさせて自分の音楽イベントの集客やCDの販売を上げよう、ということが不純であったのだ。
不純な心にネコは寄り付かないのである。
大いなる気付きに胸を震わせた昨晩。
翌日は12時から友人のミュージシャンである柴田ヒロキ氏のレコーディングの予定が入っている。
ならば午前中に自宅の近所を探索し、ネコの写真を収めればよいではないか。
僕は自らを律し、「取りあえずはブログのアクセスアップだけで妥協したろう」、と誠実なる心でネコの撮影に臨むことを心に誓い、布団の中に身をうずめた。

寝坊した。

柴田氏が12時に行くよ宣言をしていたにも関わらず僕が目を覚ましたのは11時半という実にギリギリチョップな時間であった。
僕は布団から飛び起き、掃除機を掛け、部屋の中の余計なものを片づけた。
時計を見ると12時ちょうど。
僕はしめやかに柴田氏の到着を待った。

029

遅刻してきた。

14時とかに着た。

これから野郎二人で一日缶詰めのレコーディング作業である。
ネコの写真など撮れる由もない。
まだ下心が残っているというのだろうか。
皆目見当もつかない。

…明日こそ、明日こそはエクストリーム・キューティーなネコの写真をみなさまのディスプレイに叩きこんでみせよう。
もう少し、もう少しだけお待ち頂きたい。

では。