あなたは部屋が汚くて平気な人だろうか。僕は、部屋が汚れているとストレスを感じるタチである。自分の生活が乱れると部屋が汚れる、という順番もあるから、掃除をサボりつつ生活が荒れると、生きてはいるけれどどちらかというと死んでいる、というレベルレベルに達する。
山本家は、こんなことを言うのは恥ずかしいことなのだけど、実はかなりおうちの中がゴチャゴチャとしている。本当にゴチャゴチャしている家というのも見たことがあるから認めたくはないのだけど、汚家の代名詞と言われる
・室内各所に点在する服塚
・食事に関係の無いものが積まれた家族の食事するテーブル
の二点があるから、残念ながら汚家であると言える。
僕が我が家の異常事態に気付いたのは、去年の暮れ。僕が8年間暮らした関東を引き払い、実家に帰ってすぐのことであった。
僕の実家は田舎の古い家で、かなり広い。車庫納屋付き6DKの日本風の母屋と5LDKの二階建てが、ひとつの敷地の中に余裕を持って並んでいる。で、どちらが汚いかというと、どちらも汚いんである。あの広い2棟の家が、使いもしないモノで溢れ返っているのだ。
理由はとてもシンプル。要らないものを捨てる人がいないのだ。
だから僕は実家に帰った当初から、モノを捨てる役を買って出るように心掛けている。しかし、捨てても捨ててもモノがなくならない上に、僕が判断できなくて確認を取ると、その所持者が
「んーまぁ、置いといてくれ」
と思考放棄的決断を下すのである。半年間触れていないものなら無くなっても絶対に困らないからと念を押しても、
「もったいないやん」
と渋る。ようやく最近になって僕の努力が目に見え始めたのか、家族も徐々にモノを捨てることに抵抗がなくなってきたようだ。後は買い物魔の父をどう扱っていくか、ということが今後の課題である。
その反動もあって、僕は昨日から借りている大阪の事務所兼住居には、必要最低限のものしか置かないと心に誓っている。2日間を掛けてその最低限のモノを買い集めて回った現在、フローリングの上に何があるのかというと、『何も無い』。
一応仕事用の机とホワイトボードをひとつずつ置く予定ではあるが、それだけだ。
いらないモノがある家というのは、とても疲れる。パッと部屋を見渡したところにある情報量が多過ぎるとそれだけで脳は思考を止めるし、探し物が見つからない、ちょっとしたモノにぶつかって散らかす、モノが邪魔で掃除が行き届かない、視界に色々なものが入るから集中力が続かない・・・などなど、その弊害は枚挙に暇がない。
モノを捨てるのを嫌がる人は申し合わせたように
「もったいない。モノは大事にしなきゃ。」
と言うが、それはまだ日本にモノが無かった頃の常識である。モノがあることが、豊かさの象徴であったのだ。それがどうだ、その常識を引きずり生きてきた先人達が積み上げた「もったいない」の隙間で、僕たちは埃を吸って生きている。
もったいないのは、どっちだ。
モノがあることによる満足感よりも、シンプルに暮らす脱念の方が、価値があるように思えて仕方が無い。もちろんそこは人それぞれだ。強要はしない。しかし、もしあなたがモノにまみれた生活しかしたことが無いのなら、是非一度部屋の中のものを全てどこかに追い出して、床の全体を見つめてみてもらいたい。そんな清々しい風景は、他にはない。
この部屋は、彼女の猛攻さえ躱し切れば、現状を維持できるだろう。僕の今後の課題は、実家の不要を順次廃棄し、最低限とは言わないが、無くても困らないものは可能な限り手放す文化を根付かせることである。
こんな話しをしていたら、モノを捨てられない女大阪代表の彼女が怒りを露わにした。
彼女「お前それはやり過ぎやで。」
僕「君も、ベッドの下壁際に何があるか、今思い出せないでしょう?」
彼女「いつか必要になるかもしれへんやん。」
僕「何かも分からないものが、何の役に立つっていうんだい。」
彼女「お前を見てたら理解できる気がしてきた・・・」
僕「どういう意味だ。それに、この前日本橋で買ってきたあの大量のBL本。あれだって、読み終わったものから火ィ付けて燃やしていかないと、あっという間にスペースなくなるぞ。」
彼女「あれは萌えるがゴミじゃない。腐ってはいても、必要なものだ。」
僕「西尾維新読み過ぎ。」
少なくともマイルームは守り抜く。僕は決め顔でそう言った。
Information
山本優作ワンマンライブ〜Stand & Fight〜
■会場
bar yay a ebisu
東京都渋谷区恵比寿1-12-7三恵ビル3階
2014年9月14日(日)
19:00 open
19:30 start
21:30 end
■ゲスト出演
柴田ヒロキ(Vo.Gt)
予約3000円/当日3500円
※どちらも1ドリンクついてます。
※お客様は15名限定とさせて頂きます。
■ご予約は
accr.mail@gmail.com
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