あらゆる物事は、人間の認知の中においてのみ存在する。
計器の発達を待つまで赤外線や紫外線は存在するものではなかったし、深海の生物群や細胞同士の結合と伝達は想像もされていなかった。世の中には未知が存在するという共通認識が高まった現在でさえ、自宅のマーチを見て車というものを認識した少年がその場でBMWやベンツの存在を知り得ないように、我々は永遠の無知の底を泳いでいる。
無知の底で、僕たちはしばしば勘違いが起こす。例えば、時間である。
時間とは何か、ということを考えた時に、それは自分が感じたことを感覚的に順番に並べたもの、と定義できる。
①プッチンプリンを買ってくる。
②プッチンプリンを冷蔵庫に入れておく
③プッチンプリンが彼女に略奪される
ということは、僕の知覚上この順番で起こっているから、そこには時間という概念が生まれる。順を追って悲しいのである。
ところが、例えば僕の左脳がその活動を停止したとしよう。左脳は物事をロジカルに分別する役割りをもっている。例えば、『彼女』という線の組み合わせのパターンを見て一瞬で
「恐ろしいもの」
という連想ができるのは、左脳がただの線の組み合わせに、そういった意味の記憶を紐付けしているからである。ちょうど、きれいに整理しておいた冷蔵庫の中が荒れに荒れ、レタスの死角に隠してあったプリンが失われていた時に、それがある人間による犯行であると確信するようなものだ。「このパターンの時はこう」という、そういう仕組みが頭の中に出来ているのである。
話しを元に戻そう。僕の左脳が活動を停止すると、僕は物事を順番に並べて認知する機能を失うから、
・プッチンプリンを買ってくる。
・プッチンプリンを冷蔵庫に入れておく
・プッチンプリンが彼女に略奪される
という出来事が同時に起こっていると感じる。プッチンプリンは、買うと同時に略奪されているのである。悲しいにも程がある。
これは、人間の生態機能上、異常である。しかし、考えてみてもらいたい。我々は海外のニュースを見るとき、テレビのフレームの外の出来事をどれほど認知できるだろうか。
僕たちは自分たちの居る場所を全てだと思っている。自分たちの感じるものを、それが真実だと信じている。
自分には過去と現在と未来があるということを疑わず、自分の身体が世界から独立した個体であることを疑わず、『彼氏』とは『彼女』の為に牛馬の如く働き恩恵を与え続けるものだと信じて疑わない。
しかし、である。仮に僕たちが狭い井戸の底で感覚というフィルターを通して偏った認識に生きているのなら、どうしてそんなことになっているのだろうか、という疑問が生まれる。
例えば仏教の釈迦などは、「人生は苦であるから、それを堪能し尽くしなさい」という風なことを言っている。偏った認識をして、偏った解釈をするように生まれたのだから、その中で楽しく幸せになろうではないか、ということであると僕は考えている。
先日、僕が買ってきたプッチンプリンが略奪されている場面に出くわした時、僕は「僕の彼女がプッチンプリンを食べて喜んでいるのだから、幸せなことではないか」と自分に言い聞かせるように努め、これに成功した。
「プッチンプリン甘過ぎるわ」
と言う彼女に今度は駅前の手作りプリンの購入を命令され、「僕の彼女が自分を楽しませることに真っすぐなのだから、幸せなことではないか」と言い聞かせるように努めた。
洗脳は着実に進行している。
バァァァァンッ
Information
山本優作ワンマンライブ〜Stand & Fight〜
■会場
bar yay a ebisu
東京都渋谷区恵比寿1-12-7三恵ビル3階
2014年9月14日(日)
19:00 open
19:30 start
21:30 end
■ゲスト出演
柴田ヒロキ(Vo.Gt)
予約3000円/当日3500円
※どちらも1ドリンクついてます。
※お客様は15名限定とさせて頂きます。
■ご予約は
accr.mail@gmail.com
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