やりたいことはいつでも無数にある。やらなければならないことも数えきれない。そして多くの場合、僕たちの24時間はやらなければならないことで埋め尽くされている。
「やりたいことをしよう」というメッセージだけが一人歩きをしているところをよく見かけるようになった。とても素敵なことだ。やりたいことをして生きている人が増えていて、自分が感じた希望をおすそ分けしてくれているのだと思うと、胸が熱くなる。
だけれど、こういった素敵な旅人は言葉足らずなことが多い。たとえば「やりたいことをしよう」というメッセージには、「どうすればやらなければならないことと、やりたいことを共存させ、日々の暮らしに落とし込めるのか」という視点が足りないことがほとんどだ。
僕は締め切りに追われるマーケターの仕事をしながら、音楽をしたり、自分のセミナーや講座のコンテンツを作ったり、家事をしたりして、日々を楽しんでいる。このライフスタイルを確立するために、1年掛かりで自分なりの情報整理の手法を組み上げた。
そのプロセスの中で最も確立に苦労して、今最も重宝しているのが、「やらなければならないこと」と「やりたいこと」を日々の暮らしの中で対立することなく共存させる技術だ。精神論ではない、テクニックのレベルに落とし込むのに1年掛かったと言ってもいい。
このカテゴリー【自分を置き去りにしない情報管理術】では、主に
●タスク管理
●スケジュール管理
に関する話題を取り上げていく。当カテゴリーの記事が、あなたが豊かで穏やかでハッピーな未来に梯子をかけるその一助になれば、とっても嬉しいんだ僕ちゃん。
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日常は、見渡す限り平凡で難解
情報管理を探求し始める以前のことだ。僕は「やりたいこと」という言葉を聞くと、いつも思考が止まるような感覚があった。
やりたいことだけをして生きている人は、確かにいるのだろう。やらなければならないことというのは、確かにただの幻想なのだろう。それはきっと真実だ。いや、真実であってほしい。そしてできることなら、やりたいことだけをして生きていきたい。
しかし、そもそも自分がやりたいことが何かなど、さっぱり分からない。万が一何か見つかったとしても、それに取り組むために使えるまとまった時間は、やらなければならないことが充満した日常のどこにも見当たらない。
僕の日常は途切れることのない難解な平凡に埋め尽くされていた。未来というと漠然とした不安を思い描いた。見通しなど立たない。今日やるべきことを探し求めているうちに、いくつもの夜が通り過ぎていった。このまま歳をとっていくのかと思うと、死にたくなったりもした。
自分を幸せにするという決意を持って技術を使う
僕が情報管理術の前に「自分を置き去りにしない」という言葉を付けたのは、情報管理の技術をあなたの幸せのために使ってほしいと考えたからだ。
やらなければならないことがやりたいことを24時間という枠の外に押し出した瞬間、人は自分の願いを、時間という不可逆な流れの上流に置き去りにすることになる。ひとつひとつの願いは小さいかもしれない。しかし、小さな願いが叶わないことに慣れた頃には、大きな願いなど叶うはずがないという信念が心に根を張っている。
その慣れの機能を逆手に取るのだ。小さな願いを叶え続けることで「願いは叶う」という信念を育て、大きな願いに軽々届く大樹としたい。願いとは、その人自身であり、あなた自身なのだ。あなたの願いを置き去りにしないでほしい。
今後シェアしていく情報管理の技術を使えば、あなたは自由な時間を掴むことができる。そうやって生み出した時間に、別のやらなければならないことを詰め込むことは、できることなら避けてもらえるとうれしい。あなたがあなたをより遠くに置き去りにするプロセスに加担するかと思うと、胸が痛む。
僕とこうして対面してくれているあなたの中に「自分を幸せにする」という決意が秘められていることを、心から願っている。
情報が整理されていく大まかな流れ
情報をオープンリストからINBOXに格納し、タスク化しつつプロジェクトボックスに分類する。
その後カレンダーを見ながら今日処理するタスクをプロジェクトボックスから抜き出し、クローズリストを作ってその通りに実行する。
これが僕がシェアできる情報管理の、大まかな流れである。各所にコツやツールの使い方などといった細かな要素はあるが、この流れさえ掴むことができれば、後は自分にマッチするようにやり方やツールを調整するだけでいい。
各所の詳しい解説は今後の記事に譲るとして、もう少しだけ全体を詳しく見てみよう。
ステップ1:「整理」
情報をオープンリストからINBOXに格納し、タスク化しつつプロジェクトボックスに分類する。
僕たちの手元には常にあらゆる方面から大量の情報が様々な形でやってくる。
- 家族から口頭で伝えられるお願い事
- 上司から紙のメモで差し込まれる作業指示
- クライアントからメールで届くプロジェクトの概要
- 歯を磨いている時に思いついたちょっとしたアイデア
- ケンタッキーのLINEクーポン
- ポストに入っていた国民健康保険の支払い用紙
これらを全てバラバラの場所にバラバラの形で放置したまま脳内で管理することは、およそ不可能だと断言していい。仮にそれができるだけの能力があるのなら、それはむしろタスクの「遂行」に当てたいところだ。
そんなわけでステップ1の「整理」の段階では、まさしくあなたの手元にやってきた情報たちをまとめ、振り分け、タスクにするという作業を行う。作業手順はこうだ。
①色々な場所からやってくる様々な情報を、全て一ヶ所のポケットにまとめる
②全ての情報が入っているポケットを毎日チェックして、カテゴライズする
③情報をタスク化し、カテゴリーごとのポケットに入れる
こうすることで「今日入ってきた情報に一通り目を通し、具体的な行動の方針が固まって、後は実行のタイミングを待つのみ」という状態が作れる。
注意すべきは、①の段階で「これは頭で覚えておいて後でまとめよう」という処理を極力避けることだ。脳は使わない。MPは使わない。判断も評価も模索もいらない。ただただやってきた情報を機械的に一ヶ所のポケットに放り込めばいい。
ステップ2:「遂行」
その後カレンダーを見ながら今日処理するタスクをプロジェクトボックスから抜き出し、クローズリストを作ってその通りに実行する。
ステップ1で分類をしたタスクたちは、それぞれのカテゴリーのポケットで処理される時を今か今かと手ぐすね引いて待っている。彼らをポケットから取り出し、あなたのカレンダーやスケジュール帳にon→実行していくのが、このステップだ。手順は以下の通り。
①カレンダーでプロジェクトの締め切りを確認する
②締め切りに間に合うようにタスクを配分する
③毎日最低5分“やりたいこと”のタスクを処理する
ここでひとつおススメの考え方をシェアするので、ピンときたら採用してみてくれるとうれしい。それは、仕事と私生活を分けないということだ。全てのプロジェクトやタスクを、あなたの人生の活動という大きな視点で見つめてみるということだ。
もちろん、情報管理術は仕事だけを管理するためにも活用できる。しかし、仕事と私生活が分断されているというのは、幻想だと考える。
私生活で友人との約束を取りこぼして非難されると、そのダメージが仕事に影響するかもしれない。仕事を取りこぼしてミスをすると、不安や動揺が私生活の安定を脅かすかもしれない。仕事と私生活は地続きである。情報管理を通して幸せを目指すなら、おススメである。
おわりに
今回は情報管理術の概要と全体像の解説に留まった。単語の意味の解説などもできていないので、読みづらいところもあったと思う。ぜひ、じっくり付き合っていただけると嬉しい。
では、また次回。
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