タスク管理術の最もオーソドックスな手法が「ToDoリスト」であることは、多くの人が同意するところでしょう。その日やることを紙や付箋に書き出し、終わったら消す。実にシンプルで、パワフルな手法です。
しかし、ToDoリストには決定的な弱点があります。それは、リスト内の秩序が乱れやすいということです。秩序が乱れると、リストが機能しなくなったり、リストを見ること自体がストレスになったりします。そうやって見て見ぬフリをするようになったToDoリストは、ストレスの源泉以外の何者でもありません。
僕やあなたのような夢追い人のタスクリストは、今日やるべきことを明確にし、現実を踏みしめながら輝ける未来へと続くものであることが理想です。そして、この記事を読み終わる頃にあなたが手に入れているそのリストの名を、「クローズリスト」と言います。
さぁ、今日の対話を始めましょう。
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クローズリストとは、それ以上中身の増えない「閉じられたリスト」
クローズ・リストは、今日やること″だけ″が入ったリストです。拍子抜けするほどシンプルでしょう?
ToDoリストとクローズリストの明確な違い。それは、ToDoリストは中のタスクが増えることがあるのに対し、クローズリストのタスクは増えることはないということです。入口のない、閉じられたリスト。それ故に「クローズリスト」というわけです。
クローズリストの作り方はシンプルです。今日処理すべきタスクを前日の夜、あるいは当日の朝にまとめておき、蓋をします。それが「今日のやることリスト」になります。あとはToDoリストと同じように、タスクをひとつずつ処理していくだけです。
さて、あなたは気付いたはずです。クローズリストが閉じられたタスクのリストなのだとしたら、“今日増えたタスク”はどこに行けばいいのでしょう?その答えを、僕たちは知っています。そう、今日増えたタスクは、IN BOXに入るのです。
かつての記事(リンク)の中で僕が口すっぱくして「気になったことは全部IN BOXに入れよう」と言っていたのはつまり、そういうことなのです。
○ 【情報管理術】いろいろな場所で生まれる、いろいろな形の情報を、まずは「受け入れる」
クローズリストの原則は「今日増えたタスクを今日処理しない」こと
今日増えたタスクをIN BOXに放り込む。それはつまり、今日増えたタスクを今日処理しないということです。このアプローチは心に大きな平穏をもたらしてくれます。どんなタスクがやってきたとしても、今日やることは手元のクローズリストを処理していくことだけなのですから!
しかし、多くのタスクが性急であるように感じられる日常の中で「今日増えたタスクを今日処理しない」なんてことが本当に実現可能なのでしょうか?ライフスタイルは人の数だけありますし、持って生まれた性質という要素も無視できません。それでも僕は胸を張って答えましょう。「今日増えたタスクを今日処理しない」というアプローチは、あなたにも実現可能です。
そのためのポイントを探っていきましょう。かつて「今日増えたタスク」で日常を埋め尽くし、結果として何も生み出せず、後悔と共に夜を過ごしていた僕です。今日の心の平穏を手に入れるまでの試行錯誤があなたのお役に立てるのなら、こんなに嬉しいことはありません。
クローズリスト導入のコツ①毎朝20分間「今日のクローズリスト」を作る時間を取る
クローズリストを運用すると様々なメリットが得られますが、そのうち特に僕が実感しているメリットは、「思考疲れが大幅に減る」ことです。
思考することで脳の体力が消費されます。脳の体力が一定値を割り込むと、つまり「思考疲れ」の状態になると、意志が弱くなったり、溢れてくる感情が止められなくなったりして、自分のコントロールが効かなくなってきます。そうなると、大抵は嫌な気分で後悔しながらずるずると時間を過ごしてしまうものです。
特に脳の体力を大きく消費するのが「悩み」ですが、脳が一番元気な朝の時間帯にクローズリストを作っておけば、この後何をしようか「悩み」を持つ回数が激減します。そしてそのことは、夕方になっても夜になっても、自分のコントロールを失わずに主体性を持ってその瞬間を生きることを力強く支えてくれます。
毎朝20分でクローズリストを作る。それは残りの23時間40分の質を上げる、価値ある20分間になることでしょう。
クローズリスト導入のコツ②「クローズリストが崩れる」ことを許す
日常的にクローズリストを運用していると、イレギュラーな事態が発生してクローズリストの中身を見直さなければならなくなることが度々起こります。その理由も、自分や家族が急に体調を崩したとか、クライアントからプロジェクトの方針転換の連絡が急に入ってきたなど、納得のいくものから理不尽なものまで色々。世界はこと、思い通りにいかないことに満ちています。
さて、世界を思い通りにコントロールするよりも、自分が世界に合わせて変化する方が楽チンというものです。大仰な言い方になってしまいましたが、要は朝脳ミソを回転させてクローズリストを作り上げる時、工程の最後に「このリストが完璧にこなせないことを許します」というルールというか、心の準備をしましょう、ということなのです。
他の情報管理術でもだいたいそうなのですが、スケジュールやプロジェクトの段取りが変わった時、最優先すべきタスクは「現状の把握と整理」です。僕のような完璧主義者は、完璧なクローズリストを作ろうとし、完成したクローズリストを完璧にこなそうとするものです。完璧なプランニングと遂行と言う言葉に、抗いがたい魅力を感じます。
しかし、完璧主義の衝動こそが自分を完璧から最も遠ざける要素であることをいつも心に留めておきたいものです。そうそう、脱・完璧主義のテーマで、実に分かりやすい解説をしてくれている本があるので、ご紹介しておきます。完璧主義で息苦しくなっている人の背中を押してくれる名著です。
クローズリスト導入のコツ③「明日やります」と言ってみる
クローズ・リストの真髄は、どこまでいっても「今日増えたタスクを今日処理しない」という点に集約されます。では、今日増えたタスクはいつ処理するのか?答えは「明日」です。
もう少し詳しく言うと、「明日、スケジュールやタスクの管理をするタイミングで、今後の段取りを吟味する」ということになります。これはマニャーナの法則と呼ばれ、情報管理のシステム構築に魅せられた人々の間では有名な手法のひとつです。素晴らしい書籍もありますので、気になった方はチェックしてみてください。
さて、今まで当たり前に今日増えたタスクを今日に詰め込んでいた人が、「今日増えたタスクを今日処理しない」を実行するには、外部からタスクが入ってきた時に「これは明日処理します」と言う勇気が必要です。
そう、勇気。今までの常識を変えるには、いつだって勇気が必要です。今までの常識が常識であるには、それなりの理由と物語があったのですから。それは、例えば高圧的な上司や、当時人間的に未熟だった親の「今すぐ言うことを聞け」という態度だったかもしれませんし、がっかりした表情だったかもしれません。
いずれにせよ、今までと違う行動を取るには、今までの常識を振り切る勇気が必要です。大丈夫、あなたの中にはその勇気が必ずあります。
クローズリスト導入のコツ④リストの中に「いつかやろうと思っていること」を必ずひとつ入れる
これこそが情報管理の醍醐味であり、まさしく自分を置き去りにしない具体的な手法のひとつです。あなたには、「いつかやろうと思っていること」の一つや二つ、きっとあることでしょう。恥じることはありません。僕たちの夢のサイズに対し、24時間という箱はあまりにも小さいのですから。
さあ、その「いつかやろうと思っていること」からほんの一部をつまみ上げて、あなたのクローズリストに放り込みましょう。そしてあらゆる些事からあなたのやりたいことを守るように、厳重に蓋を閉じるのです。
「いつかやろうと思っていること」に取り組む時間は、1日5分、たった5分で構いません。しかしそれは、あなたの夢につながる5分間です。それを毎日こなすのです。1週間毎日5分取り組めば、やりたいことに35分取り組んだことになります。1ヶ月で約2時間。1年で24時間です。
ひとつの物事にトータル24時間も取り組めば、何かが変化して何かが動き出すものです。あなたがクローズリストの中に「いつかやろうと思っていること」を入れるだけで、それは「今取り組んでいること」に変わるのです。
そして断言しますが、1週間もすれば1日5分では物足りなくなっているものです。あなたの24時間の中で、あなたが「今取り組んでいること」は、凄まじいスピードで存在感を増していきます。それと平行して、やりたいことをやるということが、息をするのと同じように当たり前になっていくのを感じるはずです。
タスクと向き合うということは、自分という人間と向き合うということ
5分とは偉大なものです。5分間の取り組みでも、物事は間違いなく進展します。そして、5分を確保する猶予のない1日というのは、普通に生きているとそうそうあり得ません。つまり、僕たちは毎日必ず自分のやりたいことに取り組むことができるのです。
にも関わらず、僕たちは自分のやりたいことを先送りにしてしまいます。5分の時間も取れなかったと後悔しながら、くたくたの体を布団の中に詰め込む夜が来ます。どうしてでしょう?
僕たちは機械ではありません。機械に近い能力を発揮することはできますが、断じて喜怒哀楽のある生き物なのです。次回の記事では、どうしてたった5分の時間が取れないのか。そして、どうすれば夢につながる5分を生み出すことができるのか。精神論ではなく生物論で、あなたという人間の可能性について語り合いましょう。
では、また。
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