やりたいことを継続できない人に伝えたい4つのステップ

ゆうさく
妻が四国のおみやげで5枚入りの巨大なタコ煎餅を買ってきてくれたんだけど、5枚全部がひとつの包装で包まれてるから、開けたら食べきらねばならぬ。こんなに覚悟を求められるおみやげ、知らない。

継続について相談を受けることがよくあります。やりたいことや、やらなければならないことに、毎日安定して取り組むこと。現代を生きる人にとって、とても魅力的なスキルのひとつです。

新しい何かに継続的に取り組むためには、いくつかの要素を整ることが必要不可欠です。

例えば、ここ数年ブームになっているYouTubeなら、

・安心して作業に取り組める場所を用意する
・必要な道具を揃える
・毎日の生活の中に必要な時間を確保する
・作業をタスクリスト化しておく

などが挙げられます。

YouTubeなんかスマホ1台で簡単に始められる。というのは確かに、「撮影できる道具を整える」という点については間違いありません。

でも、ある程度自由に使えるスタジオがないとか、他のタスクが多すぎて必要な時間が捻出できないとか、始めても何をすればいいのかわたわたしているうちに時間が過ぎてしまうとか、YouTubeを継続できない理由はいくらでも考えられます。

ということで今回はYouTubeの継続を例にしながら、上で述べた「継続の技術」について、考えていきます。

安心して作業に取り組める場所を用意する

僕もYouTubeをやっています。最初の頃は、スマホのレコーディングボタンを押してから気付くことが山ほどありました。

例えば、背景になる自室のエリアが散らかっていること。あるいは、ある程度人に見られても大丈夫なレベルに整理されていてほしい、と思うことなどです。

その他には、他の家族の生活音の問題もあります。我が家には1歳半の息子がいるのですが、彼が泣き始めると、撮影もストップです。

あとは、妻にも聞こえないところで撮影をしたい、ということがあります。僕が撮影をしているのを耳の端で聞いていた妻が、「あの話し方は耳障りが悪い」とか「立派なこと言っといて普段の生活がそれじゃあなぁ」とか、愛のない正論をぶん投げてくるわけです。

正論なので、正しく受け取って次の改善に繋げられるのがベストなのですが、何より継続のスタートラインにいる段階では、クオリティの向上よりも習慣化が求められます。

その段階では、たとえ正しくても、継続のモチベーションを下げるような言葉は回避すべきだと思うのです。

もっとひどいと、YouTubeを撮っていたら、他の家族が「そんなことをして何の意味があるの?」とか「いつから稼げるの?」なんてことを言ってくることも、あるかもしれません。

繰り返しますが、継続したい何かを始めた初期の段階では、その何かを習慣にすることが第一目標です。「家族に聞かれているかも」と思うことがそれを阻害するのなら、自宅はスタジオにはなりません。

自分が安心して、穏やかな気持ちで、心のリソースを十分に継続したい何かに注げる場所を作ること。多少お金がかかったりするかもしれませんが、ここへの投資をサボると結果が出にくくなります。

自分に必要な場所は、自分で作る。ぜひ意識的に取り組みたいところです。

必要な道具を揃える

YouTubeはスマホ1台で始められる。本当かしら?

たとえば、スマホを立てておく三脚はあった方がいいよね。当然、三脚にスマホをホールドしておくパーツも必要です。

撮影した動画を無編集でアップするのなら、YouTubeのアカウントを作り、チャンネルを開設する必要もあります。多少の編集をするのなら、動画編集用のアプリは必須ですし、場合によってはパソコンも用意した方がいいかもしれません。

たいていの新しい物事は、それを始める前に必要な道具を全て揃えることは難しいと思います。やり始めて、必要なものと、不要なものが分かってくる。そういうものじゃないでしょうか。

後回しにしてもいいのは「クオリティを高めるための道具」です。

たとえば僕は今2019年モデルのMacBook Proで動画編集をしてますが、その前は自前のiPad Proで編集を行なっていました。容量が少ないモデルだったのでストレージ管理に難儀していましたが、それを除けば、3000円ほどの動画編集アプリを買って、それで十分に行えていたものです。

MacBook Proを導入したのは、僕が動画の編集を継続できるようになってからです。必要なスペックをチェックして、専用の編集ソフトの入っているモデルを購入しました。

作業効率は劇的に上がりましたが、それまでのスタイルでも動画編集を続けることは不可能ではありませんでした。「クオリティを高めるための道具」の特徴は、それがなくても作業に支障はないということです。

その手の道具は、自分のお財布と相談して、安いものならビシッと導入すればいいのですが、高価なものは、後回しにしてもいいと思います。特にまだ習慣化されていない状態だと、宝の持ち腐れになる確率が跳ね上がりますからね。

とはえい、道具の力は偉大です。僕はWindowsPCで作業をする時あh、Filcoというメーカーの約20000円のキーボードを使っています。このキーボードの打ち心地が良過ぎて、仕事をするのが楽しくなりました。

この道具を使うために、この物事に取り組む。目的と手段を意識的に逆転させることができるのなら、まずは道具から入るのもアリ、ということかもしれません。

毎日の生活の中に必要な時間を確保する

多くの人は新しく何かを始める時に、それに投資できる時間のことを考えていません。たとえば毎日5〜10分程度の動画をYouTubeにアップすることを継続したいのなら、僕なら最低でも1時間は確保します。

1時間って、結構大変です。この1時間を確保するために、それ以外の生活から1時間分の何かを削らないといけないのですから。

理想的なのは「ダラダラ」している時間を削ることですが、そのダラダラの時間はもしかしたら、ストレス回避のために重要な役割を担っているかもしれません。

となると、ストレスの大元になっているものは何か、というところまで深入りしないと、自分が過ごしている無駄な時間をカットすることは難しい、ということになります。

このように、本来生活の中で時間を確保するというのは、それなりに大変な作業なのです。なのに多くの人は、やる気とか気合いのような、フワッとしたものでこれを乗り切ろうとします。

無理。無理やで。やる気と気合いは、計画する時にはあったとしても、実行する時にはない、ということを、肝に命じておきましょうね。

で、この「1時間を確保する」にしても、始める前から完璧に用意することは難しいと思うのです。今日できたとしても、明日も同じようにできるとは限りません。

つまり、先ほどの道具の項目と同じように、トライ&エラーが必要不可欠なのです。

まずやってみる。上手くいったり、いかなかったりする。どうして上手くいったのか、どうして上手くいかなかったのかを、自分なりに言葉にしてみる。

そして、上手くいきつづけるための次のプランを捻り出して、そのプランでまたトライ&エラーに取り組む。それも上手くいったり、いかなかったりするから、理由を考えて次のプランを考案して・・・ということを、延々と繰り返すのです。

僕らの生活は、本当に色々なものからの影響を受けつつ、揺れ動きながら成り立っています。そこに定期的な時間を確保するというのは、それなりに難易度の高いことなのです。時と場合によっては、勇気が要ることもあります。

ちょっと話しが大きくなりますが、それが自分の人生を主体的に生きる、ということのような気がします。この記事を読んでいて「はっ」とした方は、ぜひ自分の時間の使い方を見直してみてください。

作業をタスクリスト化しておく

部屋と道具を揃え、時間も確保した。さぁYouTubeをやるぞ、というタイミングで、改めてこんなことを思うものです。「何をしたらいいんだ?」と。

目の前には三脚の上でホールドされたスマホがあって、ディスプレイには自分の顔が写っています。その状態で、何を撮影するのか。

別に、YouTubeをやる意味とか、目的とか、ゴールとか、ヴィジョンとか、そういうものを考えておく必要はありません。だって、「ただやってみたくなった」だって、立派な目的なのだもの。

遠い目標はなくてもいいですが、自分がスマホの録画ボタンを押したあと、何をするのかくらいは、用意しておきたいものです。

だから僕なら、毎日1時間をYouTubeのために使えるのなら、最初の30分は台本作りに使います。その後撮影をして、必要なら簡単な変種をして、アップする。アップ後はSNSで拡散する作業もありますね。

こんな風に、1時間という枠を

①台本を書く
②収録する
③編集する
④アップする
⑤SNSでシェアする

という順番で使うことを明確にしておくことが、とても役立ちます。作業を進めていくに当たって、一番無駄なのは、「次何するんだっけ?」と悩む時間だからです。

思い出す、という行為は、人の脳にはそれなりのストレスです。思い出せない単語を思い出さないまま無理やり会話を進めようとする人がたまにいますが、それは思い出すという行為には、少なからず苦痛を伴うからなのです。

ちょっと話しが脱線しますが、自分がやりたいと思っていることがあって、時間があっても、それに中々取り組めないことの原因のひとつが、この「具体的に何をするかを決めていない」ということです。

それさえ決めてしまって、紙なりデジタルなりでいつでも取り出せるように管理しておけば、「次何するんだっけ?」で悩むことも、ストレスを受けることもありません。

何をすれば、それができたことになるのか。今回の場合だと、「YouTubeに動画をアップする」が完了するまでに、どんな作業をしておかないといけないのかを、予め考えておこう、ということです。

それは歯磨きの最中でも、電車に乗っている時でも、仕事や家事の休憩中でも、いつでもかまいません。自分がやりたいことを、まるでやりたくない単純作業の指示書のように、タスクリスト化しておくこと。こんなにパワフルな準備は他にありません。

走りながら準備を進めることで継続ができる

「脳のワクワクは食べ物を口に入れる瞬間に最高潮に達して、口に入れてしまってからは落ち着く」という、脳科学の話しを聞いたことがあります。

他方、「仕事を終える時には、切りのいいところで止めずに、次の作業に2分だけ取り組んでおく」という仕事のハックがあります。

つまり僕たちには、何かが達成されていない状態を解決したいという欲求があるということです。そして、その欲求をうまく使うことで、何かを継続するということのハードルを下げることができるのです。

走りながら準備を進めるというのは、「今は準備がここまでだから、これ以上進めない」の連続です。必要なものが、必要だと分かるというのは、「これ以上進めない」ということなのですから。

全てが完璧に用意され、全てが切りよく運営されている時、僕たちの脳は退屈します。脳は刺激を求める性質がありますから、退屈なタスクからは、自ずと足が遠のきます。

やりたいことほど、中途半端な状態を維持する。それはつまり、走りながら準備を進める、という状態を維持するということです。

読みかけの漫画の続きが読みたくて仕方なくなるように、やりかけのタスクをやりたくて仕方ない状態を自分で作り出す。それはストレスでもありますが、ワクワクでもあります。解消した状態でもありますが、興奮する状態でもあるのです。

そんな状態を維持するためには、やっぱり、まずやってみることが大切です。

大丈夫。まず「安心して作業に取り組める場所を用意する」だけでも、それなりに大変なはずです。

YouTubeの撮影をしながら、この場所はよかった、この場所はよくなかった、と、トライ&エラーを繰り返す。それが楽しいし、やりたいことをやる、というのは、そういうことだと思うんです。

ということで、今回はこの辺で。またね。