やりたい、叶えたい、手に入れたい。そのために何をすればいいのかなんとなく分かってもいる。なのに、それなのに、なぜか心の底からの願いを叶えるための行動に着手できない・・・
これは音楽家として生きていた僕の中に、長い間鎮座していた大いなる問題でした。人に頼ることもできません。だってそうでしょう?「やればいいと分かっているのにやれない」なんて、誰にどう相談すればいいんでしょうか。
「それはお前、気合いが足りないんだよ」
「その程度の情熱しかないってことなんじゃないの?」
「きっとそれは、お前がやる必要のあることじゃないんじゃないかな」
「そういうもんだよ、人生なんて」
そんなことを言われて傷つくのがオチです。僕が欲しかったのは、“やりたいのにできないことをどうにかしてやる技術”でした。それ以外の言葉は一切いらない。なのに、その技術を教えてくれる人は誰一人としていなかったのです。
そんな悩める5年前の僕に、今日は真正面から向き合います。つまり、”やりたいのにできないことをどうにかしてやる技術“について、現在の僕が知っていることを全て明らかにするのです。この記事が、あなたにとっても価値のあるものになることを、心から願います。
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そもそも「好きなことなら放っておいても勝手にやる」というのが間違った認識
フリーランスのミュージシャンとして独立してからの僕の願いは、「もっと素敵な演奏ができるようになること」や、「ミュージシャンとして生計を立てられる仕組みを確立すること」でした。
現場に出て活動を繰り返す中で、それらの願いは自動的にどんどん叶っていくものだと信じていました。もちろん、そのための努力は絶えず続けていましたし、その結果としてある程度は達成できていたのですが、もうひと踏ん張り、あと一歩が足りない感覚がずっと付いて回っていたものです。
特に苦労したのが目の前のタスクに取り掛かるまでに、大変なエネルギーと時間がかかるということでした。タスクに取り掛かるのが億劫で、ついYouTubeなど開いてしまおうものなら、どうでもいい動画を何時間でも見続けてしまいます。そんな日々が続く中で、いつしか僕は自分を意志の力のない半端者だと信じるようになっていました。
しかし、ひとたびギターを弾き始めると、それこそ何時間でもジャカジャカポロポロやっているのです。営業に出ればファンの人が何人かできるし、ブログを書けばギター教室のメールマガジンの購読者が増えたり、や音楽活動のコンサルティングの問い合わせがきたものです。それらの出来事は、とてもとても楽しいことでした。
改めて断言しますが、僕は音楽が大好きでした。音楽の仕事から派生して、いろいろな人のお役に立てることもまた、人生の喜びでした。好きなこと、喜びを感じると分かっていることに着手することができない。着手しないためなら手段を選ばない。そんな矛盾が、僕たちの中にはいとも簡単に成立し得るのです。
漠然とした不安がスムーズな着手を阻害する
当時の僕は知らなかった、やりたいことに着手しない・できない理由。それは、これから僕はすごく頑張るのだぞ!という過剰な気負いと、目標が大きすぎて何から手がけていいのか分からないという取っ掛かりのなさから来るストレス。そしてそれらが組み合わさることで生まれる「漠然とした不安」でした。
そう、僕は“やらないといけないのに何から手がければいいのか分からないストレス”から逃げるために、“そもそもその物事自体に着手しない”という選択を無意識にしていたのです。
「漠然とした不安」が生み出すストレスが、やりたいことや好きなことに立ち向かうことをやめさせるほどの力を持っている。これは大いなる発見でした。
「漠然とした不安」は、「気負い」と「取っ掛かりのなさ」で出来ているのです。だから、やりたいことが叶うまでのプロセスを明確にし、今日やることを限りなく小さなタスクにまで砕くことができれば、それはもはや「明確で気軽な課題」なのです。
では、具体的にどうすれば「気負い」も「取っ掛かりのなさ」をクリアすることができるのか。一緒に見ていきましょう。
「やりたいこと」のタスクを粉々に砕く
たとえば、「ブログ記事を書く」というタスク(大タスク)があったとしましょう。そしてこのタスクのゴールが、「書いた記事をSNSでシェアする」であったとします。
「書いた記事をSNSでシェアする」には、そのひとつ前に「記事を完成させる」必要がありますね。そして「記事を完成させる」には、「適切な画像を用意して挿入する」ことと、「テキストを完成させる」ことが必要です。そして「適切な画像を用意して挿入する」には「画像を作成する or フリー素材の画像を選ぶ」ことが必要で・・・
こんな感じで、「ブログ記事を書く」という大タスクをゴールから逆算しながら砕いて粉々にしていきます。ブログ記事の書き方は当然人によって異なりますが、僕の場合は以下のようなタスクが並びます。
- 書いた記事をSNSでシェアする
- 記事を完成させる
- 適切な画像を用意して挿入する
- 画像を作成する or フリー素材の画像を選ぶ
- 本文を完成させる
- 見出しを立てる
- 記事のタイトルを決める
- 読者の「質問」を想定する
- iPadのノートアプリを開く
- 机の前に座る
あなたならきっと、もう気付いていることでしょう。そう、この砕きに砕いたタスク(小タスク)を、砕いた時と逆の順番に処理していくのです。この、ひとつの大タスクを構成する小タスクの並びのことを「レシピ」と呼びます。
さぁ、このレシピの一番最初の小タスクをご覧ください。「机の前に座る」です。この小タスクを処理するために何かを気負ったり、どうしようか迷ったりする、なんてことがあるでしょうか。僕はそう思いません。
そして、人の脳は活動し始めれば集中力が増すようにできています。ひとつずつ小タスクを処理していけば、どんどん集中力が増し、気が付けば大タスクがひとつ処理できている、という現象が起こるというわけです。
「やりたいこと」のプロジェクトも、「机の前に座る」が出るまで砕き続ける
プロのミュージシャンだった頃の僕のように、「ミュージシャンとして生計を立てられる仕組みを確立する」といった目標を持っている方はきっと多いことでしょう。
さて、この「ミュージシャンとして生計を立てられる仕組みを確立する」という目標を達成するためのプロセスは、どうやら「ブログ記事を書く」タスクの達成プロセスよりも複雑そうです。ぱっと思いつくだけでも
- マネタイズのポイントを複数確立する
- web上に管理不要な決済システムを構築する
- 自動的にファンが生まれていく仕組みを作る
- セールス文章の書き方をマスターする
などなど、なんだか骨太なタスクがわさわさ出てきます。今持っている知識や技術だけではクリアが難しいこともあるかもしれません。このように、中・長期的な視点で一定の方針を持ち、取り組み続ける物事のことを「プロジェクト」と呼びます。
プロジェクトの規模は様々で、数日で終わるものもあれば一生涯続くものもあります。しかし、どれほど壮大なプロジェクトであっても、先ほどの項と同じように、小さく小さく砕いていくのです。
たいていの場合、プロジェクト達成のために処理すべきタスクは、大小合わせて膨大な数になります。それでも、やります。難しいことはありません。砕き方を間違っていたら、見直せばいいのですから。
仮にプロジェクトを砕き尽くすために数日を要したとしても、「漠然とした不安」を抱き続けて過ごす数年を待つよりもはるかにマシなはずです。ある日突然天より賜る天啓を待つか。それとも、今できることを小さく積み上げ続けるか。僕が神なら、小さく積み上げ続ける人にこそ天啓を与えたいと思います。
砕いたタスクは全て仮説。見直し続けるから、間違っていても大丈夫
さて、この砕きのテクニックについてお話しをすると、「砕いて作ったレシピが間違っていたら大変そう」という指摘を受けます。確かに、レシピを作った時には気付いていなかった視点や、思いつかなかった発想が、その後の展開を大きく変えてしまうことはよくあります。
そんな時はどうすればいいか。見直せばいいんです。そもそも、あなたの願いはあなただけのものです。全く同様の前例がないのですから、そもそもの目標も含めて見直し続ける必要があります。
一回の作戦会議で完璧なレシピを作り上げることなど、不可能です。レシピを作ることは目標を達成するための手段でしかないのですから、手段に固執することは本末転倒。今日よりも知識と経験を積んだ未来の自分が見直してくれるのですから。レシピの作成はむしろ気楽に軽やかに取り組んでしまった方が、目標達成の確率はずっと高くなります。
納得感と明確さを持って夢を現実にダウンロードする
「僕は今、自分の願いを叶えるために机の前に座ったのだ」という納得感。「僕がこのタスクに取り組んでいるのは、このプロジェクトを達成するためのこのプロセスで必要だからと答えられる明確さ。
これらの気分が満たされることが、正解の無い真っ暗な荒野を歩く夢追い人にとってどれほど大切か、あなたは知っているはずです。何も成せず、自己否定と落胆のに苛まれて過ごす長い夜に比べれば、この程度の作業の手間は屁でもありません。
僕は作ったレシピをEvernoteのプロジェクトごとのノートブックに投入して管理しています。紙のノートやA4用紙でも十分でしょう。
さぁさぁ、あなたの夢は?
目標は?
クリアしたいタスクは?
取り組むべきプロジェクトは?
それらを紙に書き出したら、クリアのために処理すべきタスクを書き出してみましょう。そしてそれを「机の前に座る」のような、子どもでもできる小タスクが出てくるまで、粉々に砕き続けるのです。
大変そう?大丈夫、あなたにならできます。そうですね、まずは紙とペンを用意して、「机の前に座る」ところから始めてみてはいかがでしょうか。
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