生きていると、そこには数多くの肩書きが張り付いてくる。たとえば僕の彼女様の場合などは、日本料理屋の皿洗い、学生、医療事務、ドッグカフェ店員、無職といった感じだ。
これらの肩書きは、生きている上で勝手に張り付いてくるものなので、誰かから認定されたり、また申請書を出しにいくものではない。ある日失業して路頭に迷っていたら、役所から無職の肩書き登録の催促状が届いた、ということはないのである。
特に怪しいのが僕自身だ。僕はミュージシャン、セミナー講師、コンサルタント、そして最近開業したみかんの直売(つまり農家)など、様々な肩書きを持っている。これに過去手に入れた肩書きを加えると、何が何だか分からなくなる。
人は、肩書きに生きようとし過ぎる。特に日本人だから、という部分もあるように感じるが、例えば僕が某通信会社で営業マンをしていた時、僕は必死で「○○会社の営業マン」を生きようとしていた。彼女様に長い日月を掛けて育てて頂いた従順さの賜物である。
しかし、今のように様々な肩書きを持って生きていると、それは違うのではないかという気になってくる。例えば、セミナー講師をしていようが、音楽のライブをしていようが、みかんの手入れをしていようが、そこに居るのはいつだって僕なんである。セミナー講師の時は異常なまでに真面目になるとか、ミュージシャンの時は突然ちゃらんぽらんになるとか、そんなことはないのだ。
肩書きに生きようとする傾向として、「夢を追い掛ける」というのがある。特に若い頃は、自分が目指すものが至上で、それ以外は全て屑、というくらいに偏った価値観で肩書きを見る。しかし、それはどうかと思うのだ。
コンビニでレジを打っていようが、串カツ屋で揚げ物をしていようが、工事現場で土を運んでいようが、そこには自分という一人の人間がいるんである。その時に、その職業は価値が低いからと思ってしまっては、自分の価値が低いのだと自分に言い聞かせることになってしまう。
そもそも存在価値の無いものが存在できるほど、この世は甘くはないのだ。どんな仕事も人間も、必要だから存在するのである。専門性や特殊性の違いで価値の差が出ているように感じるかもしれないが、それはあくまで雇用側の都合だ。ストリップ劇場で働くなら、鉄筋の溶接資格や技術は何の役にも立たないだろう。
肩書きを目指す生き方はやめた方がいい。生きるあなたに肩書きが勝手に張り付くのだ。肩書きは得ることは出来ない。今この瞬間の生き方が、あなたの肩書きになるのだ。
そして、物事に順位優劣を持つ生き方は辛い。彼女様に対して明確な主従関係を強いられている僕が言うのだから間違いない。もっと言うなれば、彼女様当人も、この主従関係に対して苦しんでいるのだ。
僕「自分と並び立つ男を下に見ていると、自分がその程度の男と付き合っている女だと感じて辛くならないか?」
彼女様「辛いよ。」
僕「じゃあもうやめにしないか。これからはお互いが同等の立場で、力を合わせて生きていくんだ。具体的には、部屋を掃除と、食材の買い出しと寝る前のマッサージのうち、いずれかを免除して頂きたい。」
彼女様「うちは忙しいねん。大河(チワワ)モフモフして、半蔵(チワワ)モフモフして、ちょっと寝たらもう夜やねん。」
僕「犬と戯れて寝てるだけじゃないか。夜まで昼寝してよく夜も寝れるな。」
彼女様「睡眠導入のプロと呼びな。あ、喉乾いたコーヒー飲みたい。」
僕「はい。ブラックでいいですか?」
真の自由を生きる日は遠い。
最近一番ショックを受けたのが、事務所の賃貸契約の時の電話。今の僕は、社会的には無職らしい。
Information
山本優作ワンマンライブ〜Stand & Fight〜
■会場
bar yay a ebisu
東京都渋谷区恵比寿1-12-7三恵ビル3階
2014年9月14日(日)
19:00 open
19:30 start
21:30 end
■ゲスト出演
柴田ヒロキ(Vo.Gt)
予約3000円/当日3500円
ご好評につき、ソールドアウト致しました!
ありがとうございます!
※どちらも1ドリンクついてます。
※お客様は15名限定とさせて頂きます。
■ご予約は
accr.mail@gmail.com
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