今日のネコ写真。その4

ネコを追い求めて四日目。
もはやネコという語列がゲシュタルト崩壊を起こし、ネコってなんだったっけ、みたいなレベルである。
昨日遠巻きに見たつもりになってた二匹のネコも、もしかしたら五匹のヌューグゥだったかもしれない。

だからといってネコ探しを諦める僕ではない。
成功者とは、他の人が諦めてしまうところで諦めなかった者を指す言葉なのだ。

今日の職場は自転車圏内であったため機動力は確保できていた。
おまけに住宅街のど真ん中ときている。
各家々の間には実に魅力的な隙間が多数生じているではないか。
僕がネコであったなら生涯を掛けてその隙間に飛び込み続けていることだろう。
昨日に引き続き天気も良く、昼休みにおにぎりを片手に探索すれば、ネコの一匹や二匹、何のことは無く発見されるに違いない。
もしかしたらヌューグゥもいるかもしれない。

僕は二度あったことが三度あった昨日の記事を思い出した。
記事のリンクをFacebookに張り付けてタイムラインに流した際、サムネイルに例の微笑む男がどどーんと表示されたのである。

「今日のネコ写真。」

のタイトルのサムネイルが工事現場の看板の男。
僕のウォールにそんなものが流れてきたらFacebookのバグだとしか思えない。
ごめんねFacebookの中の人。
今日こそはそこに、可愛い可愛いネコちゃんの画像を表示してみせるからね。
そんな気持ちで昼休みを待った。

職人「ガードマンさんごめん、昼、休めないわ」

お昼休みなくなった。

もう何だろう、朝からなんだか作業員が目を真っ赤にして動き回ってたから、そこはかとなく気付いてはいたんだけどね。
ちょっと切ない空気、感じてたんだけどね。

ということで結局朝から夕方まで僅かな食事の時間とトイレ以外は働きっぱなしという状態。
終わった頃にはぐったりとくたびれており、自転車に乗っているのに階段を上ろうとするほどに、僕の意識は朦朧としていた。
それ故ネコの事など、その昔好きだった「漢魂-メンソウル-」という小さなマッチョ達が織り成すギャグ漫画のことくらい、忘れ去っていたのである。

帰宅後パソコンに電源を入れると、友人である家口リョウという男が『弓道に青春を捧げた青春から連なる今』というテーマの記事を上げており、

「あ、これ僕も空手してたし、なんか適当に乗っかってそれっぽい記事を書こう」

くらいの気持ちで

「割と頑張ってたし、もしかしたら当時の写真がネットにあるかも」

程度の軽い気持ちで、自分の名前でグーグルの画像検索をしてみた。

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なにこれ。

すごいびっくりした。
ものっそいびっくりした。
これあれだよね、ブログとかFacebookなんかのトップにしてる画像だよね。

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これ。

いつのまにこんな、今にもガレージに逃げ込んだガールフレンドの脳天にかぶりつきそうな面構えになっちゃったのよ僕は。

口調まで変わってしまうほどの衝撃であった。
おおぉぉぉぉと呻きながら画像の元ページを訪ねる。

もしかしてあれですか?
これが人気税ってやつですか?

僕は確かにケーブルテレビに出演させてもらっていたことがあけれど、あれはテレビ番組なのに何故か放送禁止用語がテーマの回があり、放送率が極端に低かったはずである。
各所で地道な活動を重ねてはいるが、こういったイタズラをされるほども人目に触れているという自覚も無い。
一体どういうことなのか。
元ページの投稿主の名前を恐る恐る確認した。

「蛆虫トミィ」

知人でした。
っていうかトップ画像の写真を撮ってくれた子でした。
すぐ上に元の画像がありました。

ってことはあれかい。
山本ゾン作の画像は、僕のトップ画像と同じ期間webの世界に漂っていたってことなのかい。
くそう、なんだか悔しいぞ。
トミィのブログを晒してやる。
注目されてゾンビ顔に加工されてしまえ。
うりゃっ
うりゃっ

蛆っ児トミィちゃん

ということで、ネコの写真は明日、明日には必ずやアップしてみせる。
皆様のディスプレイに愛くるしいネコのボディラインを流し込んでみせる。
あと一日だけ、あと一日だけ待って頂きたい。
だって明日はおやすm…あ、ライブだ。