愛と平和のデスメタラーによるテロカウンセリングとその効能。


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1年近く前に僕のクライアントだったジェニ子さんが、新しくカードを使ったカウンセリングを始めることにしたそうだ。
Facebookのメッセンジャーに


「ヘビメタ系カウンセラーに、私はなる!」


というメッセージが届いた時はいよいよキてしまったのかと頭を抱えたが、そういえば以前お会いした時も「この人キてるわ」と頭を抱えたことを思い出し、胸を撫で下ろした(不安の在庫は増えていない)。


僕「どんなことするんですか?」

ジェニ子さん「まあ受けてみなよ!つべこべ言わずにさ!」


カウンセリングとは癒しのテロリストであるという名言が僕の中に誕生するのを知ってか知らずか、ジェニ子さんは鼻歌混じりにカードを切り始めた。


ジェニ子さん「グレイトスピリッツが宿るのです」

僕「ここまでの展開が既にグレイトですしね」


問答無用とはこのことである。

セッションが始まると僕は何枚かのカードを引いた。
電話口だったので、カードを切るジェニ子さんに「ストップ」と声を掛けるという形だった。
1枚目のカードを引いてやろうと「スタート」に被せて「ストップ」と叫ぶと、ジェニ子さんは呆れたような声で「早・・・」と呟いたのだけど、なぜだろう、少し心がチクっとした。

小さな傷を負いつつセッションが終わると、そこには素晴らしい結果が残っていた。


ジェニ子さん「優作氏!愛だよ!愛と勝利のカードが出てるよ!」

僕「本当に!?やったあ!」

ジェニ子さん「もっと自分を許せばかやろう!」

僕「えええええええ」


こうしてセッションはハイテンションに幕を閉じ、僕は新たに『自分を癒さなければならない愛と勝利の男』という称号を得た。
そしてドタバタのセッションも終わってみると、それまでも自分の将来にはしっかりと自信を持っていたのだけど、その漠然としていた部分が非常に明確になったのだ。

ジェニ子さんに何を言われたところで、グレイトスピリッツがペロッとカードを出してくれたところで、「だから何?」と言ってしまうことは容易い。
しかし、現に僕は元気になっている。

僕もコンサルタントをする身である。
真に正しい言葉とは、向き合う相手の心に火をくべられるような言葉である、という哲学がある。

ジェニ子さんのカウンセリングはテロリスト的ではあったが、確かに僕の心に火をくべてくれたのだ。
「来月から有料でゲス。毎度どうもでゲス。」と言って電話を切るヘビメタ系カウンセラーを見送ると、僕はひとつ、物思いにふけった。


自分を許すって何だろ?


はっきり言って、そんな言葉は聞き飽きている。
しかしそういえば、その言葉が明確な意味を持って自分の中に存在しているかどうかというと、それは確かに怪しい。

人には散々「いいよいいよー」などと言えるのだけど、自分を許すとは何か。
しばし考えふけったところで、ひとつ閃くものがあった。

仮に彼女様が怒りに身を任せ(平素任せているのだけど)僕の事務所の洗濯機を破壊したとして、おそらく僕はそれを笑って許せるだろう。
この場合、「いいよいいよ気にしなくていいよー」という単語を彼女様に向けると「お前の許容は問題ではない」と言ってさらなく怒りを買うから注意が必要だ。

しかし、そこで洗濯機を破壊したのが僕自身だったなら、どうだ。
それが仕事のミスだったら。
親への言葉足らず想い足らずだったら。
お客さんへの気配り不足だったら。

果たして僕は「いいよいいよ気にしなくていいよー」と、自分に言うことができるだろうか。
そしてはたと気付いたのだ。


僕は自分よりも他人を大事にしようとしている。


ああそうか、順番を間違っていたのだ。
確かに人を許したり、人を楽しませることほど気持ちの良いことはない。
しかし、僕が自分を許せなければ、きっとつまらない。

僕は自分のコンサルティングをする時に、よく鏡を使うのだけど、しばらくその時に、「OKだよ」とか、「いい感じだね」とか、普段から周りの人やクライアントの方にかけているのと同じ言葉をかけてみることにした。
何が変わるかはわからないが、既に明らかに何かがムクムクと変化するのを感じる。

新しい何かが見えたら、また報告させていただく。

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ヘビメタ系カウンセラージェニ子さんのブログはこちら

>>>子でびるジェニ子の愛と平和のデスメタル

音楽の記事しか書かれてないけどね。