自分がポンコツモードの時でもやりたいことができるように「レシピ」を作っておきませんか

ゆうさく
ゆうさく
バニラアイスの中に流し込まれた噛むと「パリッ」っていうチョコあるじゃないすか。あれ、世界一おいしいチョコの食べ方だと思うんすよ。

頭の中がモヤモヤになって、吐き出してしまわなければどうしようもなくなることがないだろうか。僕にはある。今がその時だ。ヨーソロー。

今朝は思いつきで土鍋を引っ張りだし、米を炊いた。わが家は2ヶ月ほど前に炊飯器が壊れてからこっち、ずっとフライパンで米を炊いている。その米がおいしくて、米にかける手間もいとおしくて、とっても気に入っていた。

突如として一度も土鍋で米を炊いていないことが思い出された。すまぬすまぬと棚の奥から引っ張り出した土鍋は、「このような老いぼれに今さら何の用だ」といぶし銀の表情を見せた。まるで牢獄から引っ張り出された時のトキのようだ。北斗の拳の。知らんか。すまんな。

トキ、ではなくて土鍋はしかし、洗った米と水を投入すると速やかに臨戦態勢を取った。ブランクもあるだろう。体力だって落ちているに違いない。しかし彼は衰えてはいなかった。沸騰と炊き込みと蒸しを見事にやってのけ、何食わぬ顔で美しく輝く白ごはんを炊き上げた。まるで牢獄から引っ張り出された時のトキのようだ。北斗の拳の。もうええか。そうか。

土鍋で炊き上げた白ご飯は、フライパンのそれとは比べ物にならないほどに美味しかった。何だあの香り。粒立ち。三合炊いたのだけど、うまいうまいと喜んでいるうちに半分ほどを食べてしまった。

ふと我に返り、これはいけないと咄嗟におにぎりを作って、まだ寝ている妻の口に詰め込んだ。妻は「こいつァうめぇや」と寝言のような感想を言い、即座に夢の世界へと帰っていった。僕は残った皿を洗いながら、さらに残った白ご飯を食べた。冷めてなおうまかった。

だからです。今日とっても眠いのは。

ポンコツな自分に愛の手を

頭がぽやんとしている理由を述べるためにおよそ650文字を費やした。後悔はしていない。むしろすっきりした。そんなに白ご飯を食べたのだから、頭がぽやんとして当然であると納得ができた。これで胸を張ってぽやんとしていられる。

ぽやんとしている時、僕の能力は大変に低下する。すると毎日手放しにできていることができなくなる。作業は滞り、タスクは積み上がり、不本意な現実がジワジワと姿を表してくる。進まない仕事を眺めてふと気付いた。僕の毎日の難易度は、もうちょっと下げられるんではないか。

イージーであることは重要だ。作業そのものの難易度が高いと中身に集中することができなくなる。普段は問題なく作業できていることも、今日の僕のように情報処理能力が下がっていると手が回らなくなる。

自分の能力が下がらないように日々を過ごそう、という発想も正論だ。しかしそれでも急な風邪やショッキングな出来事があるなど、自分にはどうすることもできないトラブルは起こる。ポンコツな自分でもやりたいことができるようにしておくことは、自分に対するとっても深い愛ではないかと思うのだ。ラヴ。

レシピはポンコツな時の自分のために作る作業指示書

ポンコツな自分のためにどんな準備ができるだろう。それはあなたがやりたいことによって大きく変わるから、残念だけど具体的な話しはできない。だけどひとつだけ提案がある。やりたい作業の「レシピ」を作っておくのはどうだろう。

レシピとは、ある作業を実行する時の動きを細かく書き出し、実行する順番でチェックリストにしたものだ。その日のタスクを書き出したチェックリストはTo Doリストだが、それよりもひとつレイヤーが低い。

例をあげてみよう。「土鍋でお米を炊く」はタスクだ。これだけあれば「やるべきこと」は分かる。普段はこれさえあれば十分だ。「どのようにすればそれが出来るか」はやる直前に、あるいはやりながら考えればいい。

しかし、ポンコツな時はそれが難しい。「どのようにすればそれが出来るか」を考えることができなくて、キッチンで亡霊のように立ち尽くすことだろう。土鍋くらいはなんとか 出せるかもしれない。しかしコンロの上に他の鍋があって出鼻を挫かれたり、米一合に対して水が何ml必要だったかなどを思い出すのが苦痛で暴れだすかもしれない。

そこでレシピである。わが家における「土鍋でお米を炊く」のレシピは、こんな感じになるだろう。

□コンロに土鍋が置けるスペースを作る

□土鍋を出してコンロに置く

□ボールとザルを出す

□ザルに米を三合入れる

□米を洗う

□水を切った米を土鍋に入れる

□土鍋に水を600ml入れる

□土鍋にフタをする

□強火にかける

 →フタの穴から蒸気が強く出たら弱火に

□弱火で4分炊く

 →4分後、フタの縁に水気が残っていたら1分追加

□4分経ったら強火に

□パチパチ音がしたら火を止める

□10分蒸す

□米を切るように混ぜる

□食べる

□おいしい!

ここまで書いて、行動管理における「レシピ」を解説する記事の例え話しが料理というのは、ややこしくってしょうがないんではないかと気付いた。ごめんね、今日僕ポンコツだからさ。がはは。

ともあれ、これがレシピである。コンディションが普通〜ちょっと低い程度の時なら、手放しでも目隠ししてでもできそうなことを、ていねいに書き出す。それだけのものである。

一見バカバカしく、狂気的にも見えるかもしれない。だけど僕はこういうレシピを山ほど作って、山ほど助かっている。レシピがあったから、ポンコツな時でも最低限コトが進められたということがたくさんある。

一度でもレシピに助けられる経験をすると、「どのようにすればそれが出来るか」を考えることがどれほどエネルギーを使うことだったのか、よく分かる。コトに当たれず取り組めず、自己評価が下がるようなことも起こりづらい。ここまでやって出来ない時は本当にヤバいから、とにかく休まなければならない、という線引きもできる。

レシピは、ポンコツな時の自分に送る作業指示書である。作成に特殊な知識も技術もいらないので、ぜひ試してみてもらいたい。

運用例〜ヤマモトさんの場合〜

ややマニアックな内容になるのだけど、僕のレシピ運用方法を書いておく。興味のある人は参考にしてほしい。デジタルツールの名前や機能を解説なしに話すから、そういうのいいです的な人は読むなよ。絶対だぞ。絶対読むんじゃないぞ。ほ、本当だよ。

では中身に。僕は情報の倉庫としてEvernoteを、日々の行動管理のためにTaskChute Cloudを愛用している。

Evernoteには「レシピ集」というノートブックがあって、そこに作ったレシピをどんどん放り込んでいる。次にそのレシピを使う時は、レシピのノートの外部リンクを取得して、TaskChute Cloudのタスクにリンクとして設定するのだ。

今回の例でいうと、まずEvernoteで「土鍋でご飯を三合炊く」というレシピノートを作り、先ほどのレシピを書き込む。そのノートの外部リンク用URLを取得して、TaskChute Cloud上の「土鍋でご飯を炊く」というタスクに登録するのだ。

TaskChute Cloudではそのタスクを開始すると「リンクを開きますか」というポップアップが出るので「はい」を選ぶ。すると自動的にEvernoteアプリが開き、「土鍋でご飯を三合炊く」というレシピノートが開くという寸法だ。

以上が、実際に僕がレシピを運用している方法である。せっかく作ったレシピも必要な時に取り出せないのでは意味がない。解説した操作は全てスマホだけで処理できるから、とても重宝している。調子がいい時はリンクを開く必要がないことも、気が利いている。

自分の生活をレシピにしていく。騙されたと思って、やってみんか。