予めご承知おきください。

どう受け止められるかは分からないのだけど、ひとつ公言しておきたいことがあります。

僕はミュージシャンとしての活動の他に、ビジネスを勉強して人に教えるという活動をしています。だから当然、自分のミュージシャンとしての活動にも、そこで学んだビジネスノウハウや技術が使われています。

音楽とビジネスという言葉が重なると、なんだかミスマッチなムードになるのは分かってるんです。でも、だからこそ音楽とビジネスを深いレベルでブレンドしていかなきゃいけないと考えています。

過去、何人の才能溢れるミュージシャン達が事務所やレーベルに所属できなかったというだけの理由で音楽を止めざるをえなかったんだろうか、ということなんです。

日本には1億ウン千万人という人が暮らしているのに、そのうちの何人かが

「うちの会社ではいらないよ」

と判断した、そのためだけに、音楽を続けていけなくなった人が何人居るんだろうと。

その中には、もしかしたら僕や、この記事を読んでくれているあなたの人生を変えるような音楽があったかもしれない。いや、絶対あったはずです。

音楽を続けていくことが出来なくなったミュージシャンも不幸だし、素晴らしい音楽に出会う機会を失ったリスナーも不幸です。

もしミュージシャンが自分達の音楽で仕事を生み出す術を知っていたなら、そんなことは起こらないんです。規模は大きくなくても、出会ったファンをどんどん幸せにしていって、メンバーと最低限のスタッフ達が食いっ逸れないくらいの利益を生み出して、次のファンに出会いにいく。

多くのミュージシャンがそういう知識と行動を持てば、多くのリスナーが喜びと感動に触れる機会が増える。その結果リスナーの感受性や美意識が磨かれて、表現する側が本当に表現したいことが伝わるようになる。

利益重視の大手事務所やレーベル会社には出来ないことが、個人やチームであれば出来るんです。

リスナーの美意識が磨かれれば、当然ミュージシャン達は自分の表現をさらに深めることができます。大勢のファンと一緒に辿り着くアートの深い喜びが、日本や世界を幸せにすることは明らかです。

だから僕はビジネスに期待しているし、ビジネスを愛しています。

安物のマンガやドラマが作ってきた金の亡者という冷たくドライなビジネスの姿を否定します。

ビジネスは、人が人を幸せにするための仕組みのことです。素晴らしいものの価値を伝えて、感動して頂いて、次の感動のための投資や感謝の気持ちがお金というモノになって返ってくる、仕組みのことです。

なので、予めご承知おきください。

僕はビジネスをしています。教えています。

それは、素晴らしい作品と正しいビジネスが出会うことが、本当に奇跡的に喜ばしいことだからです。

この記事を読んでくださっている方なら、きっと理解してくれると信じています。

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