説明で役立つ例え話の使い方〜説明しようとしている物事よりも具体的な話題を使え〜

ゆうさく
ラジオを録るタイミングがないから、ずっとブログ書いてるんだけど、文字にするのと声で言葉にするのだと、やっぱり情報のまとまり方が違うなあ。どう違うのか、どう使い分ければいいのか、研究しなきゃあ。

コーチングや講師の仕事をしているので、人に何かを説明する機会が多いのですが、毎回難しさを感じています。何とかしたいのですが、自分一人ではイマイチ、何をどう改善したものか検討が付きません。

そんな時に助けになってくれるのは、説明が上手い人ではなく、説明が下手な人です。

少し考えると分かることなのですが、世の中には説明の上手い人よりも、説明の下手な人の方が多いもの。つまり僕たちが日常生活を営んでいれば、自ずと下手な説明を受ける場合が多いわけです。

そこで下手な説明を受けた時に、「どうしてこの人の説明は分かりづらいんだろう」と考える。すると、説明の上手い人に説明のやり方を教えてもらうよりも、深く理解できることがあります。

最近また面白い発見があったので、覚え書きの意味も込めて、シェアします。

大きなことを説明する時に、大きな例え話しを出す

僕は何年も身体の使い方について勉強しています。アレクサンダーテクニークといって、人の身体を持って生まれたデザインそのまま使おうよ、というボディワークです。

そこで数年かけて学ぶカリキュラムの中に「学びのコンパス」という概念があります。これは人が物事を学んでいくプロセスを図にしたもので、認定トレーナーになりたい人は、これを十分に理解しなければなりません。

そのために「学びのコンパス」を他のトレーニーに自分の言葉で説明する、という時間を取るのですが、前回説明してくれた人の話しが、とっても分かりづらくて、ありがたかったのです。

何が分かりづらかったのか。「学びのコンパス」の概念はとっても抽象的なのですが、その説明のための例え話しとして出されたのが、「命のあり方」という、さらに抽象度の高い話しだったからです。

抽象度が高い話しの特徴は、理解しづらく、かつ誤解されやすいこと

抽象度が高い話しの特徴は、同じ話しを聞いても、人によって理解度や解釈の方向性が大きく変わる可能性がある、ということです。

そもそも説明という行為は、話す人が聞く人に、自分と同じイメージを持ってもらうことを目的に行われるものです。「例え話し」は、その目的を果たすために役立つなテクニックのひとつですね。

ところが、今回僕が聴講した方の説明では、抽象度の高い物事を説明するために、さらに抽象度の高い話題を例え話しに持ってきていました。

つまり、なんとなく分かるような分かんないようなものを説明するために、なんとなく分かるような分かんないような話しを使ったのです。

結局、その方が普段からどんなことを考えて生きているのか、という理解は深まりましたが、「学びのコンパス」がどういうものなのか、ということについては、全く理解が深まりませんでした。

大きな話しを説明するための、小さな話しを用意しておく

たとえば水質汚染の防止がいかに大切かを説明するためには、大気汚染の話しを引き合いに出されるよりも、「地球上の水のうち、人が生活に使える水は0.01%しかありません」とか「味噌汁一杯を魚が住める水質にするためには、お風呂の浴槽5杯分ものきれいな水が必要です」と言われた方が、水質汚染の深刻さや、防止の重要性のイメージが共有されやすい、ということです。

何か説明したいことがあったら、それよりも抽象度が低い、具体的で一般的な例え話しを見つけておく。できたら数字が使われているとなおグッド。

僕もビジネスのアイデアを形にして人と共有する時には、大きな話しだけを出して「なんで分かんねえんだよ」って気分になりがちなので、手を抜かずに、準備しておきます。

では、今回はこの辺で。