東京(最後ちょっと大阪)ツアーを振り返るイケメンの不具合腹具合。

一週間強に及んだ関東ツアーが終わり、現在節々の痛みに耐えつつ自宅で療養に努めている。戦士には休息が必要である。

休息を取ることは不誠実だ、気合いが足りないと言う者も居るが、元来休息とはよりよい仕事のために取るものである。脳や体がオーバーヒートした状態で勤める仕事の、どこに誠実さがあると言うのか。

疲れさせないこと、ある程度の疲れの中でベストを尽くすことは当然必要なことであるが、疲れ自体を受け入れて次の仕事のために休息を取る事もまた必要である。要は、バランスの問題だ。

それはそれはハードな数日間であったから、僕はバランスを取るためにアイスカフェラテを飲みつつチョコレートにかぶりつき、あずきバーとホームランバーを飲むように食べた。その結果、尋常ならざる腹痛と下痢に襲われた。バランスを踏み外したのである。もっと怠惰に休み尽くさねばならないということだろう。休息とは実に奥の深い行為である。

さて、今回のツアーの総括というか、まとめの話し。

今回のツアー日程は、おおよそこんな感じであった。

6/21
・早朝〜
東京新宿に到着。早速渋谷で駅の方向を見失う。小腹が空いたのでどん兵衛を食べたところ胸焼けを発症。コンビニのトイレにどん兵衛の大半を破棄しつつ、長いツアー生活の始まりを噛み締める。

・13時〜
都内某所にてセミナー講師のための勉強会に参加。志近しい仲間たちと知り合う。頂く名刺には代表取締役とかなんかそんなのばっかり書かれていて、切りはずしたノートに名前とメールアドレスを書いた手作り名刺を配っている自分が愉快になる。

・18時〜
せっかくだから都内を歩こうと知らない街歩き病が発症。代々木渋谷表参道界隈を数時間歩き倒す。トランクの持ち手と手のひらの境目が曖昧になったところで終了。

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6/22
・9時〜
勉強会2日目。濃厚な内容にクラクラしつつも一日セミナーを受講し切る。怪しげなイスに座って写真撮影。怪しげなイスに座ってもイケメンはイケメンであると知る。

・18時〜
渋谷で一泊。偶然音楽仲間の中村修人と出会う。そのまま渋家というところのパーティーイベントを観戦。人が多過ぎて逃げ出す。

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6/23
・12時〜
渋谷の某スタジオで弾き語り教室。初めましての方とマンツーマンで音楽に向き合う。沢山の余分を削ぎ落としたその方のサウンドに感動して泣きそうになる。

・15時〜
高円寺のミスタードーナツでコーヒーをガバガバ飲みながら後日に迫った主催の勉強会の展開や内容を作る。こんなに甘いドーナツなんて、と毎回思うのに何故か入ってしまうミスタードーナツの不思議につていも考える。自分が愚かであるということ以外の答えが見つからない。

・19時〜
高円寺の楽やというお店でライブ出演。懐かしい方とブッキングされていたり、お客さんとして来てくれて、喜び勇んで歌い切る。
ヤシノミさん、SPICAさん、唐さん、ずずこさん、ウパちゃん、絡んで頂いた共演者の方やお客様、楽やのスタッフのみなさま、ありがとうございました。

・0時〜
勢い余ってウパの家がある千葉県津田沼まで付いていく。二人で撮影した動画をチェックするためにデータを入れたCDRを開いたところ、入れたはずのデータが入っていないという事件。世界は不思議でいっぱいである。

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6/24
・日中〜
先日偶然出会った中村修人の自宅に伺う。家の中のマンガをただただ読みふけり、時間が過ぎる。

・20時〜
弾き語り教室2回目。やたらめったら笑いながら、参加された方の音楽的美意識を掘り下げる。誰しもが「カッコイイ」という基準を持っていて、それがいつの間にか新しい技術を取り入れたいという欲求で埋もれてしまうという学び。自己の向上における『引き算』的発想の重要を知る。

6/25
・日中〜
中村氏の自宅に一泊させてもらい、明け方までマンガを読みふける。

・16時〜
町田のWeatVoxというお店で開催されるアコステという飛び入りイベントに参加するため小田急で移動。初めてのアコステで、関東時代に出会った先輩ミュージシャンのコットンケットさん、ないとうたいとさんと再会乾杯。他、北海道から出てきた次世代発想のミュージシャン達と、今後のお互いの成長について激励し合う。

・夜〜
町田に一泊。町歩き病が再発し、明け方まで何をするでもなく町田を歩き倒す。

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6/26
・12時〜
夜からの主催勉強会のために会場である渋谷に早入り。スプーンで切れるトロットロの角煮が乗ったカレーを食べ、コインランドリーで洗濯物を回しつつ勉強会の運営の最終確認。

・19時〜
渋谷の会議室で勉強会開催。受講して頂いた方からは大変ご好評いただき、一安心。良かったところと課題を掛け合わせて、次回に挑む。

・夜〜
ジャグアタトゥーアーティストの”でー”にイラストを入れてもらった後、綾瀬まで移動し、1年振りに再会した役者の中西氏と明け方まで飲み明かす。恐ろしくディープな話し。この辺りから、睡眠不足によるもにょもにょを常に感じるようになる。

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6/27
・日中〜
明け方まで飲んでそこから移動。町田で少し休む。常に意識が朦朧としていて、気が付くと「あ”ー」という声が漏れているという状態が続く。

・16時〜
相模の風レコードの代表いしはらとしひろさんと、共同企画ステージテクニック向上委員会、略して「すててこ。」の動画撮影。やたらと調子がよく、当初予定していたよりも2本ほど多く動画を撮影。その後奥様の風来姐さんとも合流し、新鮮味の欠片もなくこの先々について語り合う。

・23時〜
翌日の現場が海老名であった関係で、本厚木か町田への宿泊を促され本厚木をチョイス。移動中乗り換えを失敗し、大和に降り立つもその何もなさに絶望し、滑り込んだ最終便でなんとか本厚木に。雨に打たれながらネカフェに逃げ込み、傘を片手に街歩き。もはや不治の病と言っていい。

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6/28
・日中〜
雨の中海老名へ移動。到着が早過ぎたため、駅前のショッピングセンターで少し遊んでから現場入り。そこその雨。やはりいい男には水が滴るのだと確信を深める。

・15時〜
かねてより準備をしていたイベント《MooBeaLounge》開催。「4人の企画」と決めて進めていたはずなのに家口氏が最終的に4人のバンドに進化を遂げていたことに言いがかりをつけていたところ、皆で飲もうとウィスキー響を取り出してきたので全面的に許容することに。

・夜〜
イベントにお客さんとして来てくれていた友人臼井氏の自宅に一泊させてもらう。夜中に食う焼きそば一平ちゃんはどうしてこれほど上手いのかと談義を交わした結果、この談義こそ夜泣きであり、明星の思うがままであるということに気付く。

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6/29
・9時〜
プリキュアの一番盛り上がり直前に臼井氏の自宅を出る。道中で別れ、新横浜まで移動し、新幹線に。溜まっていたメールを返しつつ、大阪を目指す。

・15時〜
吹田市の浜屋敷に到着。この日開催であったイベント《蔵人ぴあ》の準備件打ち合わせ。打ち合わせに来ていた音楽仲間のしょーちゃんが

「このデジカメFacebookに写真がアップできるんです」

と取り出したところ、「どのように」「どこを経由して」「どう操作して」などと質問攻めに合い、実はその機能が全く使いこなせていなかったと知れてその場に崩れ落ちた。知らないことを堂々と口にするものではない。

・18時〜
イベント開始。圧倒的に無音な蔵の中で、朗読家玻瑠あつこさんと、この日のゲスト見上裕司と音と言葉を重ねる。

・21時〜
お疲れさまでしたの飲み会。一仕事終えてのビールでここ数日常にONに入っていたスイッチが、いよいよ落ちる。飲みながらウトウトとしていたら、玻瑠さんが爪楊枝を僕の頭に突き立てようとした。付き合う人は選ばなければならないと、心に刻む。

・23時〜
明らかにあちこち痛かったけれど、それでも止められない街歩きの病。天王寺のホテルに荷物を預け、明け方までその辺を練り歩く。深夜の通天閣商店街は、実に生々しく人間の営みの残骸に満ちていた。

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・10時〜
ちょっとだけハルカスを歩いて、和歌山県の自宅に向かう特急黒潮に乗り込む。車内では爆睡。駅を乗り過ごす夢で2度ほど目が覚める。こんな可愛らしい僕を

「ちゃんと見てるぞ」

と言って抱きしめてくれる美少女が居ないことに、人生の不公平を悟る。

・14時〜
無事帰宅。6月中に処理しなければならなかった事務的なアレコレを一気に片付け、完全に沈黙。

大まかにはこのような流れで、独立してから初めての東京(最後ちょっとだけ大阪)ツアーは終了した。大勢の方と出会い、再会し、どんどんと次の何かへと繋がってゆくきっかけが沢山得られた。

ただひとつ大きな傷を伴い学んだことは、真夜中の街歩きは本当に体に悪いということであった。天地逆転し内蔵がかき回され、こめかみに泥の付いた竹を付きたてられたようなあの感覚の中では、自らのコントロールなど夢の中の戯れ言である。

全身を襲う気だるい疲労感をたしなめるため2本目のホームランバーを開けつつ、自らの体を労る大切さを噛み締めた次第だ。おなかいたい。