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さよならプライベート空間

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暫く寝てるんだか寝てないんだか分からない日々が続いていた。
2時間ほど仕事をして、1時間ほど仮眠をとってまた働く。
昼間は別の仕事をしているから、そちらもおろそかにはできない。
短い睡眠時間で元気になる方法を調べたりコーヒーや体に悪いと評判のエナジードリンクをがぶがぶ飲んで仕事していたら、彼女様が鬼の形相(標準装備)をして仕事部屋に入ってきた。

「寝られへん死ね」

我が家では唐突に死刑宣告が下されることがあるのだ。
一体どの件で眠れないほど怒っているのかと尋ねたら、普通に布団に入っても喉が痛くて眠れないと言う。
取り急ぎ僕の何かに怒っている訳ではないということで安心したが、このままストレスが溜まって暴れられたりしたら仕事どころではない。
僕は色々考えた後、寝室にしている和室から布団を一組連れてきて、僕の仕事部屋の空いているスペースに敷いてみた。

彼女様「なんでお前の尻見ながら寝やなあかんねん」

僕「和室は喉が痛いんでしょう。あの部屋どれだけ掃除しても埃っぽいから、この部屋の方が喉は痛くないかもよ」

彼女様「うぬう・・・」

そうして彼女様は渋々布団に入って、僕の尻を見上げた。
僕は尻を千本の針でつつかれるような思いでパソコンに向かって、未だ要領を得ない仕事に手探りで飛び込んだ。

しばらくキーボードを叩いていると、「あ、寝れるわ」と彼女様がつぶやいた。
やはり埃は大敵であるな、と振り向かずに声を掛けたら、「いつ見ても働いてるヤツを見ながらってすごくよく眠れる」と帰ってきた。
振り返っていたら、涙を見られていたかもしれない。

次の日、昼の仕事を終えて帰ってきた僕に彼女様が告げた。

彼女様「今日からあの部屋で寝ます」

僕「そうなんですか」

彼女様「和室は埃がすごいので、寝たくありません」

僕「いいけど、僕ずっとパソコンカタカタやってて、君毎晩落ち着いて寝れるのかい」

彼女様「出ていけ」

僕「えっ」

彼女様「あの部屋を明け渡せ」

僕「えっ」

和室に現在ズボン掛けとして活用中のテレビとソファを移転して残った寝具を元の仕事部屋に運び込むと、いよいよ僕はプライベートな空間を失った。
振り返るとモモンガが飯をくれとゲージの中を飛び回っていて、トマトでもあげようと冷蔵庫に近づくと半蔵(チワワ/オス/太い)が床に垂れ流した尿を踏みつける。
疲れてチョコレートを食べていたら、大河(チワワ/オス/白い)を抱えた彼女様が「私のお前より大事なチョコを食べたな」と言って迫ってきて、モモンガはいっそう激しくゲージの中を飛び回る。
ベランダの向こう遥か彼方に、あべのハルカスの針金のような灯りがきらめいていた。

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