満員電車で疲れ果てない身体の使い方

ゆうさく
ゆうさく
あんパンの上にまぶされている白ゴマのいとおしさといったら。

周囲の人々との距離がゼロになり、パーソナルスペースが銀河の彼方にブッ飛んでいく死の箱、満員電車。今の僕は満員電車とは無縁の生活なのだけど、二ヶ月に一回くらいの割合で東京の汐留や新橋に行く用件があって、その際漏れなく洗礼を受けている。

隣りにいるのが身だしなみに気を配ってくれている人ならまだいいが、たいていはギョーザと豚骨ラーメンが主食であろうと思われる油分多めのおじさんだ。

光沢を放つ肌の接近に対してイヤンイヤンしていると、どこかの誰かに足を踏まれてイラリティ(妻の造語。イライラする気持ちを表す概念)が光の速度で膨張する。不快感に質量があったなら、日本の都市部近郊は毎朝毎夕激しい爆発事故に見舞われているところだ。

電車を降りたところで気が休まるわけではない。人がいっぱいのホームと、人がいっぱいのエスカレーターと、人がいっぱいの改札口を抜け、人がいっぱいのエレベーターに並んで仕事がいっぱいのオフィスにたどり着く。それが業務開始の合図だ。ゲームバランス、バグってない?

ということで、満員電車で疲れにくくなる身体の使い方です。

  1. できる範囲で全身の力を抜く
  2. 背骨のてっぺんに上顎から上の頭蓋骨がちょんと乗っかってるイメージをする(皿回しの棒とお皿のような関係)
  3. 息を吸う時に「僕の身体はどこまでも広がっていい」というイメージを持つ。実際に息を吸う時の身体の広がりを止めようとしない


こんな感じ。

コツは、周りの人々と接触を諦め切ることだ。隣りにいるのが美少女だろうがラードの妖精みたいなおじさんだろうが、満員電車なんて環境で隣り合わせになった時点でもう物理的な接触は避けられないわけで。身を固めていようが緩んでいようが、結果は同じなんである。

むしろ不快感にまかせて身体を緊張させて固めていると、それだけで体力がゴリゴリ減っていく。ただでさえ居心地の悪い満員電車の中で体力まで奪われるというのは、なんか悔しいじゃん。

肩肘で周りを攻撃しようというのではない。自然に広がる呼吸の動きはやわらかだから、周りの人も敵意を向けられたとは感じないはずだ。ぜひ週明けの電車の中で試してみてほしい。