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P.63:テニスはゲス顔で嗜むもの(2018/10/23)
特殊工作班結成
僕が通っていた中学生の教頭先生は、学校で飼育していたホタルの幼虫にやるエサのジャガイモのカットに並々ならぬこだわりを持ち、春になると大量発生する毛虫を抹殺するために自前の耐火服に身を包み自前の火炎放射器を小脇に抱えて学校敷地内を徘徊する、とてもファンキーな人だった。おしゃべりも面白くて、僕はこの教頭先生が大好きだった。
ある時、僕とだいすけ君は教頭先生に呼び出されて工作室に行った。要件の想像がつかずにソワソワしていると教頭先生が入ってきてこう言った。
「特殊工作班集まったな」
特殊工作班は永遠です
最初のミッションは、トイレのすのこ板の修理だった。たしか、割れていた板を取り外して、新しい板を貼り付けるだけの簡単な作業だったと思う。僕はいつもと違うことをするのが楽しくて、夢中になってやった。
その後も教頭先生からはちょいちょいお声がかかって、ちょっとした作業を任された。僕は特殊工作班の仕事がとても楽しみになった。さすがに火炎放射器は触らせてもらえなかったけど、その昔使っていない教室にダンボールハウスを作った時のようなワクワクがあった。
少し時系列を進んでしまうけれど、僕は小学校でダンボール工作、中学生で校内備品のちょっとした修繕作業と進み、高校に入ると劇団の大道具的なことをするようになる。その後しばらく音楽を作る人をしたけれど、今はホームページを作ったり、動画を作ったり、家の家具を作ったりしているから、本当に何かを作ることが好きなのだと思う。
教頭先生、特殊工作班は、今日も元気に活動しています。
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