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尖ったすっぴん女
専門学校時代、学校の近くの公園でよく一緒にいた仲間たちは大半がシンガーソングライターのコースを専攻していたのだけど、臼井氏とこーちゃんはソロシンガーというコースの人だった。これらのコースがどう違うのかはよく分からなかったけれど、要は作曲や音楽理論的な授業があるかどうか、くらいの違いらしい。コースが違うと付き合う友人が異なるのは当然であるから、学校の廊下で臼井氏やこーちゃんとすれ違うと、だいたい知らない仲間と一緒に歩いているのだった。
そのうちのひとりに、いやに乱暴な女がいた。線の細いフレームの眼鏡をかけて化粧気はなく、でもファッションや言動は妙に尖っている。背は低くてて一人称は「俺」。何か話しかけると、ちょいちょい棘のついた底の厚いブーツで蹴っ飛ばしてくる。
シンガーと作曲家
ある時、ソロシンガーのコースの人たちが楽曲を書いてくれる人はいないか探しているという話しがあって、その乱暴な女はまだ作曲家を見つけられていないということだった。
ので、まあそういう曲の作り方もアリかなあということで、僕が手を挙げた。詳しいことは忘れちゃったけれど、確か新しい曲を書き下ろしたりせずに、その時の持ちネタの中から、その子に合いそうな楽曲をピックアップして渡したような気がする。
そのやり取りで何度か合っているうちに、何だっけ、確か僕がライブデビューしたバーに、その子も出てみようか、的な話しになったんだっけか。ああ、その辺りの経緯は全然覚えてないや。
モテ期
自分の音楽的将来性に絶望し続けた専門学校時代だけれど、なぜかよくモテた。スケジュールはいつもギチギチだったし、お金もなかったから遊び回るようなことはしなかったけれど、同級生や高校の後輩など、何人かの女の子からアプローチをしてもらったものだった。
で、さっきの話しの続き。件のバーでのライブを終えた僕とその乱暴女子は、終電もないので公園仲間のしょーちゃんの家に一泊することになった。お酒でホロ酔いになっていたら、おもむろにその子に好きだと告白された。
たぶん僕も、いいな、と思っておったのでしょう。他の女子たちのアプローチはすっかりお断りしていたけれど、その子の告白は二つ返事で快諾した。あまつさえ「別に付き合うとかいい」なんて拗ねたことを言うその子に「バカヤロウ付き合うぞ」と言って恋人になった。
その後僕にアプローチをかけてくれていた他の子との関係性がやや緊迫したりしたけれど(彼女になったその子は、地下鉄のホームで僕がお断りした子に背後から突然声をかけられて、殺されると思ったらしい)、なんとか人間関係も安定。既に関東行きが決まっていた僕は恋人を大阪に残して千葉に渡り、10年ほど待たせて結婚した。はい、今の嫁さんです。今も乱暴です。
遠距離したから結婚できた
「10年ほど遠距離をした」というとみんな驚くけれど、遠距離だったから未熟な僕らが結婚するまでに至れたのだと思う。気分が良くない日は電話しなきゃいいしね。そんなことで時間を稼いでいるうちに、なんとか一緒に暮らせるだけの人間性が育った、という印象である。
なお、鬱々と日々を過ごしていた僕があんなにモテたのは未だに謎。どうして遊んでおかなかったのかも謎。まあでもたぶん、同じような鬱々さを抱えてる人々が集まってきていたのだろうなぁと、勝手に思っている。
どうでもいいけど、新町北公園で連れ去られるんじゃねぇかってくらいの数の鳩に群がられてパン食ってる女がいたら、それはだいたい妻でした。
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