昨晩は和歌山にあるアビーロードというライブハウスで二月に一度のハウスワークの日であった。
団体の貸し切りが入った関係でいつもなら21時から始まる仕事が23時スタートということになり、のんびりと構えていたところ23時からもポツポツとお客さんが入り始めた。
僕の演奏を聴いた後でウズウズとしているお客さんをステージに引っぱり上げ、中村雅俊さんの「恋人も濡れる街角」の伴奏をするなど、大変に充実した日になったのである。
そんなアビーロードは和歌山の中でも僕が住んでいるところから結構離れていて、いつも車で一時間ほどかけて通っている。
ところが昨日は彼女を連れて帰ってきているブラザーぷぅちゃんが
「ジムニーたん借りていい?」
などと言ってきたために、優しいお兄ちゃんは愛車の所得権を譲ることになったのである。
その結果、ミュージシャンが軽トラで仕事に出掛けるという実にシュールで胡散臭くワイルドな方法を取ることになった。
運転したことがある人なら分かるのだが、軽トラは本来ちょい乗り用の車である。
重い荷物を積んで山道を走り回ることも多いので、アクセルやブレーキの効きが一般車のそれよりも遥かに強い。
またハンドルの効きも強く、これもジムニーたんの感覚でよいしょと回そうものなら、意図せず風を切り裂くクイックターンを決めることとなる。
加えて運転席と外界を隔てるものがボディの鉄板一枚であるから、雨や風があるとそれが骨伝導的システムでもって運転手に伝わってくる。
軽いエンジン音。
軽い車体。
なぜか搭載されているカーラジオ。
乗車した瞬間僕を包み込む土の香りに妙な安心感を覚えつつ、荷物を縛るロープやダッシュボードに押し込められている軍手などを見ていると、自分がこれからどこに何をしに行くのかがちょっと分からなくなる。
僕が助手席に積まなければならないのはギターではなく剪定鋏と肩掛けのカゴであるような気さえする。
実際じーちゃんの手伝いで畑仕事をすることも多い。
自分の生活に思いのほかTOKIO的な要素が多いことに気付いた僕は、認知的不調和に苛まれつつ真夜中のハイウェイを走り抜けた。
仕事を終えて軽トラのところに戻る途中、同じ駐車場に停めてあった車が目に入ってきた。
僕は全く車に疎いのだけど、これがバイクや三輪車でないことは分かる。
念のためにためつすがめつ確認してみたが、やはり自転車でもフリスビーでもにぎり寿司でもなかった。
大変にカッコ良く、存在感のある車である。
車種などは知るべくもないが、どう考えたってミラやアルトやジムニーではない。
写真を撮ってきたので、ちょっと見ていただきたい。
見つめるだにトランスフォーマーである。
万が一トランスフォーマーでなかったとしても、勇者ロボだ。
このボンネットは胸になるガードスター系の変形機構だろうか。
それともふたつに割れて足になるエクスカイザー/デッカード系の変形機構だろうか。
いずれにせよ、何かしらの変形機構を搭載していなければならないフォルムだ。
僕の中の少年が目を輝かせていると、自分が乗ってきた軽トラが目に入ってきた。
なんだ、何も負けていないじゃないか。
不思議と、そんな気持ちになった。
Information
♪今後のライブ予定。
《ハウスライブ》
・毎月第4月曜
※次回の開催は7/28
→大阪南森町「D45」
→http://d45.biz
→20時〜30分間
→お席代500円+何かしらオーダー
・奇数月第2土曜日
※次回の開催は9/13
→和歌山市「AbbeyRoad」
→http://www.abbeyroad.jp/main.html
→21時〜20分ステージを3〜4回
→お席代500円+何かしらオーダー
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