ネコとは何か。
四本足でにゃーと鳴いてオシッコが超臭い生き物。
違う、それは「ネコ」と呼ばれる生き物の概要に過ぎない。
そもそも我々が常に個人である以上、その認識の一致というのは決して証明されるものではないのである。
誰かが見た「青」は誰かの言う「赤」であるかもしれない。
違うものを同じ言葉で呼び合っていても、そこにコミュニケーションが確率してしまえば、何の問題もないのだ。
それについては当ブログの「今日のネコ写真シリーズ」も例に漏れない。
僕が中華料理屋の看板や平身低頭に謝罪するミュージシャンをネコと認識してたとして、その「認識そのもの」が僕個人に依存するものである以上、読者諸氏は、これらを「ネコではない」と否定することが出来ないのである。
問題は、当シリーズの過去記事に本当にネコの写真が上がっていない、ということであった。
僕は疲れ果てていた。
日々ブログに書き込まれるクレームやよく分からないストーリーを帯びたコメントを見つめる度、胸が締め付けられるような気分になる。
「このままではいけない。」
しかしどうしていいのか分からない。
ここ数日間、ネコを撮影できる機会に恵まれていないことだけは確かなのだ。
もしかしたら僕はこのままネコに会えずに一生を終えてしまうのではないか。
そのような懸念が頭を過ぎった、その瞬間であった。
職務に勤しむ僕の前に、茶色い毛玉が舞い降りた。
ネコだった。
間違いない。
四本足でにゃーと鳴くしオシッコが超臭そうだ。
僕は即座に起動していたシューティングゲームのアプリを畳み、なんたらキッドよろしくカメラモードのiPhoneをネコに向け、シャッターを切った。
ご覧頂きたい。
このしなやかな後ろ足。
茶色い後ろ足。
そして、ちょっと白いところもある後ろ足。
僕はついにネコを写真に収めることに成功した。
感極まるとはこのことである。
果てしない達成感に胸が震える。
人間、目指し続ければいつかは何かを残せるものだ。
今まで当ブログシリーズを応援してくださったみなさまに、まずは一言お伝えしたい。
「ちゃうねん。」
ちゃうねん。
わかってるねん。
後ろ足やんこんなん。
なんかシュッてなってる後ろ足やん。
しかしながらネコ成分が皆無であった「ネコ写真」シリーズに光明が射したのもまた事実である。
次だ。
次こそはいとかわいらしゅうていたりなネコの写真を、みなさまのディスプレイに表示してみせよう。
キュン死注意でお待ち頂きたい。