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P.69:思い出ダイジェスト⑨(2018/10/29)
親友と夜通しサザン
劇団に通うようになって、ひとつ年上の友人が4人できた。カンペキに偶然なのだけど、そのうちのひとりR氏は空手部の先輩だった。といってもR氏は釣りが大好きな幽霊部員で、雨が降って釣りにいけない日にだけ気まぐれに顔を出すような人だったので、武道館であったことはほとんどなかったのだけど。
話してみると、R氏はなんとサザンの大ファンだと言う。実はこのタイミングになってもCDを買う文化がなかった僕は、R氏からたくさんのCDを借りて、さらにサザン愛を深めた。すっかり意気投合した僕たちは、たまに僕がギターを持って遊びにいったりして、愛の言霊やらTSUNAMIやらを夜通し歌うような仲になっていた。初めて親友というものを意識した相手だったと思う。
親友の好きな人
R氏は、同じく劇団に雑務手伝い的なことをしに来ていたY美のことが好きだった。2人とも劇団が稽古に使っていた場所の近くに家があったから、よく一緒にいるところを見たものだ。恋人同士ではなかったけれど体の関係はあったようで、何というかもうR氏は、完全にY美にゾッコン状態であったのだった。
そのうち、Y美が僕によく話しかけてくるようになった。始めたばかりのメールもよく届いて、悪い気はしなかったけれど、なんだかおかしいな、という雰囲気である。そのうち「ちょっと会いたい」ということで行ってみたら好きなのだと言われ、なし崩し的に僕は童貞を失った。
見事に既成事実が生成され、僕はその人と付き合うことになった。当たり前だけどR氏との付き合いは薄れていき、劇団で顔を合わせても微妙な空気が漂うようになる。バンドだったら間違いなく解散するパターンである。
ところが僕たちはギリギリのところで踏みとどまった。やっぱり、単に気が合ったということは大きかったのだと思う。あと、R氏の妹であるA子の友達がR氏のことが好きらしいという話しが出て、そっちの方がいい感じに気分が盛り上がってきたのも大きかった。
さらばY美、よろしくA子
僕は数ヶ月間、実にただれた青春を過ごし、あっという間にY美と別れた。もちろん女々しく引き下がったりもしたけれど、最後の方は本当に好きだったのか、ただのセックス相手なのか分からないような関係だったから、それほど後は引きずらなかった。
Y美と別れた直後くらいから、今度はA子から頻繁に連絡がくるようになった。そうそう、R氏の妹のA子である。A子はY美とは対照的に実に純情な子で(何せ当時まだ中学生である)、相変わらず鈍感だった僕はよっぽど迫られるまで、A子が僕のことが好きなのだと気付かずにいた。
2ヶ月ほどして、A子とお付き合いをしようということになった。いよいよR氏の周りの女を僕が次々とかっさらっているような状況になった。しかしさすがに実の妹と付き合うのだから、報告をしないわけにはいかない。恐る恐る2人でその旨を報告すると、R氏は意外にも「ええやん!」と大きい声で祝福をしてくれた。たぶん、その辺り数年で一番ホッとした瞬間だったと思う。
まあ、結局A子とも1年半くらいで別れるんだけどね。
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