【情報管理術】集まった情報を「暮らしのカテゴリー」ごとに分類する

前回の記事では、気になった情報は精査せずにEvernoteに作ったノートブック「IN BOX」に放り込むのだ、という、至極シンプルなテクニックを共有しました。

情報が一カ所に集まったら次にすることはそう、整理です。ここが難しい。何と言っても、人によって情報がどのように整理された状態が望ましいかが異なるのですから!だから、あなたにとってのベストアンサーを提示することが、実質的に不可能なのです。無力…!

それ故に、今回の記事の内容を余すところなく受け取っていただくには、いつも以上にあなたの協力が必要です。何卒、よろしくお願いします。


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IN BOXの中身は「混沌」か「空っぽ」

あらゆる情報が放り込まれたIN BOXの中は、それはそれは混沌としているはずです。それで正解。IN BOXの中身は、混沌か空っぽのどちらかしかありません。

IN BOXから取り出されたノート達は、プロジェクト化 or タスク化されながら、暮らしのカテゴリーごとのノートブックに振り分けられていきます。そしてそれぞれの暮らしのカテゴリーのノートブックから、今日処理すべきタスク達が「クローズリスト」としてピックアップされていくのです。

情報管理の流れを示した画像

暮らしのカテゴリーとは、″自分が管理しやすいサイズに分解した、生活をする上での情報の塊″

まどろこっこしい言い回しになりましたね。要は「プライベート」「仕事」のように、生活の中で自分が取り組んでいる物事をいくつかのグループに分けたものです。

「プライベート」と「仕事」で管理が行き届くならそれでヨシ。問題は解決したということで次のステップに進めばよろしい、ということになります。

しかし、例えば僕のように常に複数のプロジェクトに関わっている人間は、「プライベート」と「仕事」の2つのノートブックだけで情報を整理するのは困難です。どちらのノートブックの中も、様々なレベルの膨大なメモが溢れかえります。一瞥して自分に必要な情報が俯瞰できなくては、情報管理を行う意味が薄れてしまいます。

メモのノートでいっぱいになったノートブックの画像

この問題を解決するために、大変な試行錯誤がありました。それは今も続いているのですが、昨今ひとつの最適解を見いだすに至ったのです。順を追ってご説明しましょう。

まず、「家庭」「仕事」「自分」のノートブックを立てる

先ほど「『プライベート』と『仕事』というタイトルのノートブックを立ててみる」という例え話しをしましたが、実際に僕が立てたのは「家庭」「仕事」「自分」という3つのノートブックでした。

「家庭」のノートブックには、妻とのパートナーシップに関する覚書のメモや、2019年の1月に息子が生まれてからの手続き関連の情報、宅内のDIYの段取り、家族で行く旅行の予定など、″家族″や″家″に関するノートを振り分けます。

「仕事」のノートブックは読んで字のごとく。勤めている会社で今まさに処理中の案件や、新しく立ち上げる事業の準備に関するノートを振り分けます。ブログは仕事の一環なので、ここに含まれます。

「自分」のノートブックには、今自分が興味を持って調べたり取り組んだりしている物事に関するノートを放り込みます。読んだ本の読書録や、これからやりたいことのアイデアなどもここに収まります。

まずはこの3つの暮らしのカテゴリーを立てることをおすすめします。

子カテゴリーを設定しながら、IN BOXからメモのノートをノートブックに割り振っていく

では、IN BOXからノートを振り分けていきましょう。とにかくまずはIN BOXを空にすることを目指してください。ここで振り分けきれない情報があった場合、暮らしのカテゴリーの設定を見直すか、僕のように「ブログ関係は仕事のノートブックに入れる」という風にルールを追加します。

そして、そうやってノートを振り分けながら、暮らしのカテゴリーの下にぶらさげる子カテゴリーを設定していきます。たとえばこんな感じ。

ノートブックの構成の解説画像

上の図の中にある、「ワイフ」「子育て」「家づくり」が、「家庭」というカテゴリーの下にぶらさげる子カテゴリーです。

こうやってノートのタイトルに子カテゴリーのタイトルを置いておくと、Evernoteのタイトルで並び替える機能を使った時に同じ子カテゴリーのノートたちがまとまって表示されます。ノートが表示される順番が大切なときは、通し番号を設定するのもいいかもしれません。

メモの数が多くなりすぎる子カテゴリーは、ひとつのノートブックとして立ち上げてしまう

自分の暮らしの情報を全てメモし、全てをカテゴリーごとに振り分ける。それはひとえに、自分がその領域で何をしようとしているのか、何をしなければならないのかを、ひとつ高い視点で俯瞰するためです。

究極的には、全てのカテゴリーのメモを俯瞰し切ることができればいいのかもしれません。しかしそれをすると、どれほど広大なディスプレイを用意しても、そこにノートを表示し切ることは難しいのです。これはデジタルで情報管理をする際の弱点として、認めざるをえません。

その対応策としての提案が、冒頭でお伝えした「家庭」「仕事」「自分」のカテゴリー分けの手法です。「今仕事ってどうなってたんだっけ?」と思った時には、「仕事」のノートブックを覗く。次に、「家庭」「自分」と、ノートブックを覗いていく。

それぞれのノートブックの中には子カテゴリーが設定されていて、ざっと目配せするだけでそれぞれの子カテゴリーごとにやりたいことや、やらなければならないことのメモがまとまっている、という状態を維持する。これが理想です。

しかし、何度も繰り返しになりますが、どのようなカテゴリー分けにすれば自分にとて俯瞰しやすい環境になるのかは、人によって異なります。

例えば僕の場合は、日常の中でブログのネタを思いついたらメモにしてIN BOXに放り込んでいましたが、他の子カテゴリーのメモよりも数が多いので、「仕事」のノートブック内の見通しが悪くなってしまいました。

そこで「ブログネタ」というノートブックを別途作り、ブログネタに関するメモは全てそちらに放り込むことにしたのです。「家庭」カテゴリーの中の子カテゴリー「家づくり」についても、同様に独立したノートブックとして立てました。

ここでも、ノートブックの表示をコントロールするために通し番号管理が役に立ちます。こんな感じです。

通し番号の解説画像

子カテゴリーのノートブックは必要以上に作らない

さて、几帳面な人や、仕事で情報の整理を行う人なら、ここで「じゃあ、同じようなレベルの子カテゴリーをたくさん作ってしまおう!」という衝動に駆られるかもしれません。僕はそうでした。

そのような運用をしばらく続けてみて得られた結論はこうです。カテゴリーのノートブックはいたずらに増やさない方がいい。なぜか。

ひとつのノートブックの中のノートは多すぎると情報が俯瞰しづらく見落としが起こりがちですが、ノートブックが増えすぎるとそれもまた、情報の俯瞰しづらさの原因になるからです。

たとえば、あまり動きがなく、常にノートが1つか2つ程度しか入っていないカテゴリーのノートブックがあったとします。あなたはその中に今どんなノートが入っているのか、だいたいの見当が付くようになります。

さて、中身の分かっている箱を、わざわざフタを開けて覗くようなことをするでしょうか?答えはノーです。圧倒的にノーでした。そしてその結果、そのノートブックの中の情報は旬を逃し、腐ってしまったのです。

こういった事態を、僕は「自分を置き去りにする」と表現しています。


「なんとなく忘れていた」
「なんとなく手を出さなかった」
「覚えてはいたけどタイミングを逃した」


そういうことを他人にされると、至極心外に感じることでしょう。そして人はそういうことを、いとも簡単に自分に対して行ってしまうものです。

ノートブックの中で腐った情報は異臭を放ち始めます。後悔の源になります。自分を置き去りにしない情報管理術では、こういった事態を防ぐために、可能な限り全ての情報を最大表示で俯瞰できる環境を整えることを推奨しています。

そして毎日の情報の見直しのタイミングの度に、向き合います。いつまでにそれをするのか。今日それをするのか。それとも、しないのか。

大変に手間のかかる工程です。面倒な工程です。しかし、自分を置き去りにしないというのはまさに、自分のために手間をかけ、面倒を惜しまないということなのです。

情報の整理は、自分という生涯の友人との絆を深める知的作業

ということで、いずれにしてもまずはあなたの暮らしのカテゴリーを立て、そこに子カテゴリーを設定しながらノートを振り分けてみてください。

そして、その中でも特別ノートの数が多くなり過ぎて情報の俯瞰を妨げていると感じる子カテゴリーに限り、別のノートブックを立ててみてください。

そうしながら、自分への理解を深めていきます。あなたへの理解を深めていきます。それは、生涯の友人との信頼を積み上げ、絆を深める作業に他なりません。非常に歯応えのある知的作業なので、ぜひ楽しみながら挑戦してみてください。


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