今日取り組むタスクだけを抽出し、まとめたリストのことを「クローズリスト」と呼びます。クローズリストはその名の通り閉じられたリストなので、原則として今日増えたタスクを追加するようなことはありません。
手元にクローズリストを置いて、ひとつひとつやっつけていく。それだけで僕たちの生活は一変します。しかし、さらにその先の世界があるのです。
「TaskChute Cloud(タスクシュートクラウド)」。それが今日あなたとシェアしたいタスク管理ツールの名前です。
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時間に対する間違った認識を改めてくれるタスクシュート時間術
タスクシュート時間術は、シゴタノ!というサイトを運営している大橋悦夫さんという方がexcelのマクロを使って作り上げたシートが大元になっている時間管理の手法です。誰もが知っている有名なツール、というわけではありませんが、実は20年以上の歴史を持っています。
タスクシュート時間術がどういうものかは、既に開発者である大橋さんをはじめその道の探求者達が多くの記事を残してくれているので、ここでは説明を省きましょう。「今の段階で分かってないと気持ちが悪いわァ」という方は、この辺りの記事をご覧ください。
【シゴタノ!】タスクシュートは時間に対する誤った認識を改めるツール
【jMatsuzaki】最高のタスク管理ツールTaskChute2を三年使い込んだ私がテンション高に解説します
タスクシュート時間術をあなたに勧めるに当たって、語りたいポイントは無数にあります。そのうち特に素晴らしいのは、シゴタノ!の記事タイトルにもある通り、「時間に対する誤った認識を改めることができる」という点です。
例えば、締め切りまで時間のあまりない中で、「これくらいならできるできる」とタカをくくって作業を放置することがあります。あるいは、仕事を引き受けるかどうかを考える時に、「気合いでやればなんとかなるでしょ」という判断をしてしまうこともあります。
仕事をするには時間が掛かります。書類を一冊デスクの上に広げるには、書類を探し出して今置いているものを整理する作業が必要です。そんなことをしていたら、紙切れ一枚をデスクに広げるために3分掛かる、ということになります。
「あと10分あるから、例の書類の作業を進めておこう。」
そう思いデスクに書類を広げたら、残りは7分しかありません。もちろん10分後にはデスクを離れるのですから、片付けにも2分ほど使うとしましょう。そうすると、純粋に書類の作業を進めるために使える時間は5分です。そこそこ時間があったのに、思ったほど仕事が進まなかった時、こういうことがよく起こっているのです。
タスクシュート時間術では、自分の行動を事細かに砕いて分単位でログを残していきます。そうすることで脳内で繰り広げられる時間に対する妄想と、現実のギャップが埋まっていくのです。そこにある時間の量を正確に把握することで、取る戦略が変わってくるのです。
タスクシュート時間術を実践するための3つのツール。おすすめはダントツで「TaskChute Cloud」
タスクシュート時間術を実践していくには、デジタルツールのサポートが必要不可欠です。あらゆる予定を分単位でログに残し、翌日以降のルーチンに設定したり、予定と順番が変わった時に入れ替えながら調整をするというのは、紙のノートや付箋では処理しきれません。
現在僕が把握しているタスクシュート時間術のツールは、「TaskChute2(excel)」「たすくま(iPhoneアプリ)」そして「TaskChute Cloud(webサービス)」の3つです。中でも僕がおすすめなのが「TaskChute Cloud(webサービス)」です。
これが元祖タスクシュート。excelで動く「TaskChute2」
excelシートとして配信され、マクロ機能を使って動く「TaskChute2」はexcelですから、基本的にはPCでの使用を前提としています。デスクワーカーで、主に仕事のタスク管理をしたい人に向いていますね。あと単純に、excelに馴染みのある人なら取っつきやすいツールだと思います。
僕はexcelが嫌いだったことと、プライベートも含めた暮らしの全てを俯瞰したいという気持ちがあったので、このツールはノータッチです。タスクシュート時間術のことを知った時にはもう、Taskchute Cloud があったしね。
スマホアプリ版タスクシュート「たすくま」
「たすくま」はiPhoneアプリ。Android版はリリースされていません(2019/02/06現在)。iPhoneユーザーで、かつPCよりもスマホを触る機会の多い人に向いています。Apple Watchとも連動していた気がするので、Apple Watchユーザーとも相性がいいですね。
実は僕は「たすくま」でタスクシュート時間術デビューをしました。アプリとしては高額でしたが、買い切りは気軽でいいなぁなんて思ったからです。
使わなくなった理由は、仕事中の細かなログを残すためにいちいちスマホに手を伸ばさなければならなかったことと、次に紹介する「TaskChute Cloud」のUIが圧倒的に使いやすいと感じたことでした。
PCでもスマホでもバッチリ稼働。直感的なUIがイカす「TaskChute Cloud」
そして僕が愛用している「TaskChute Cloud(webサービス)」。シンプルで洗練されたUIが直感的な操作を促してくれます。「TaskChute2」や「たすくま」に比べると機能の数が少ないということでしたが、僕は全く気になりません。
ブラウザで稼働するのでスマホでもPCでも使えることが素晴らしい。僕はPCに向かっている時間が長いので、普段はWindowsのアプリケーション版を稼働させていて、移動中やデスクを離れたところで活動している時はスマホのブラウザアプリで常時表示させています。
一時期よくサーバーが落ちていたのですが、そんなトラブルも今はほとんど起こりません。もっとこうなったらいいな、と感じることはありますが、現状では間違いなくもっとも使いやすいタスクシュート時間術のツールだと断言できます。
製作者のj.Matsuzakiさんがパワフルなブロガーで、製作者本人がツールの活用方法や、タスクシュート時間術に関する考察を大量に記事にしてくれていることも助かっています。
○jMatsuzaki(開発者ブログ)
まずはログを取るところから始める。そしてログからルーチンを作ってみる
タスクシュート時間術を紹介すると、かなりの確率で人から「やりすぎ」「狂気的」と言われます。理由は明らかに、分刻みで並んだタスクの列と、それを作るという煩雑さ。僕も最初はそこに引いて、1ヶ月ほど着手が遅れたものです。ツールが有料で、一般的なスマホアプリと比べて高額だったということも、理由のひとつでした。
実際にタスクシュート時間術を導入してからも何から手をつけていいのか分からずに持て余していました。そんな僕を助けてくれたのは「まずはログを取るだけのところから始めてみよう」という先輩たちの言葉だったのです。
人間の日々の暮らしは、「毎日やっているルーチン作業」と「その日しかしない作業」に分けられます。そして意外と「毎日やっているルーチン作業」の割合が大きいのです。
毎日ツールで自分の行動のログを取っていると、一週間もしないうちに「毎日やっているルーチン作業」が見えてきます。それらをツールのルーチン設定で当て込んでしまえば、あとはその隙間に「その日しかしない作業」を挿入すればいいのです。
ログが先か、予定が先か。答えは「ログが先」です。僕やあなたは、既に暮らしを持っています。それらを記録してみることで、新しい発見が山ほど出てきます。時間がないって喚いておきながら、ログを取ってみたらネットサーフィンとTwitterで毎日2時間を消費していたことに気づいた時は、さすがに悲鳴をあげました。マジで。
TaskChute Cloudは、ゆるーく使ってこそ効果を発揮する
マスクシュート時間術は、厳密に言えば分刻みでタスクを組んでいく時間管理術ではありません。分単位でタスクの時間見積もり立てて並べて表示するツールです。
見積もりは見積もりなので、当然ズレるし、大きく狂うこともあります。しかし、見積もりがあるからこそ、自分が何を取りこぼしたのか、もともとの予定からどれくらいズレが発生しているのかを把握することができます。
また、タスクの処理が上手くいかなかった時に自分の外と内で何が起こっているのかを知るきっかけになります。ログを振り返るとことで、外的な出来事への対策を検討する機会と、自身の内的な心情の変化に耳を傾ける機会が同時に生まれるのです。未来への準備が捗るったらありません。
このように、タスクシュート時間術ではタスクを順当に処理していくこと以上に、残ったログから現状を把握して未来をより素敵にデザインしていけることの価値が高いと僕は考えます。″結果的に″分刻みに見えるタスクをその通りに処理していくことには大きな意味と喜びがありますが、それはあくまでガイドでしかないのです。
そんなわけで、これからタスクシュート時間術を始めていく方には、「ゆるーく使ってみる」ことをおすすめします。そこに並んだタスクを完璧にこなしたい衝動をあえて無視して、「まぁ、今日はこれくらいの感じで」なんてゆるさで取り組むのです。
使い方にまよったら、色々な先輩たちがタスクシュート時間術との付き合い方を記事にしてくれていますから、ぜひググって自分にマッチしたものを探してみてくださいね。
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