【初心者向け】ギターのチューニングの合わせ方【検索しにくい小話しもいろいろ】

こんにちは。S&Yギター弾き語り教室の山本優作です。

今回の記事では、初心者の方向けにギターのチューニング方法をお伝えします。

ギターチューニングとは、ギターに張られている6本の弦の音程を、音楽的に正しい状態に整える作業のことです。

実はギターはとてもチューニングが狂いやすい楽器です。僕も昔初めてレコーディングをした時、当時の師匠から「一回弾くごとにチューニングし直せ」と口すっぱく言われました。

チューニングが狂ったギターの音は、めっちゃ気持ち悪い響きになります。が、不思議なことにギターを弾いていると、なぜか音程の狂いに気付きにくい。聴き手でいる方が気付きやすいものです。

だからこそギター弾きの間では、「チューニングはギタリストのエチケット」と言われます。弾き手が気持ちよくなっているのに、聴き手が気持ち悪いと感じていることがよくあるからです。やっだ切ない。

今回の記事でビシッとチューニングのやり方を覚えて、エチケットの守れるギタリストになりましょうね。

※今回の内容をYouTube動画で確認したい方はこちらへ

ギターのチューニング、音程は”EAGDBE”

最もスタンダードなギターのチューニングは、

6弦→E(ミ)
5弦→A(ラ)
4弦→D(レ)
3弦→G(ソ)
2弦→B(シ)
1弦→E(ミ)

です。「レギュラーチューニング」と呼ばれていて、世の中にあるほとんどのダイアグラム(コードの押さえ方表)は、このレギュラーチューニングで表されています。

もちろん、U-fletのような楽曲のコード進行を教えてくれるサイトのダイアグラムもレギュラーチューニングベースで表示されます。つまり、レギュラーチューニングさえできるようになってしまえば、世の中のほとんどのコード表が表示された楽譜が使えるようになる、ということです。

チューナーはギタリストの必須アイテム

ギターを始める人の100%が絶対買うべきツールが、チューナーです。チューナーとは、今鳴っている音が正しい音程からどれくらいズレているかを教えてくれる道具です。これがないと、チューニングとか絶対無理。

チューナーは、音叉に始まり、笛やデジタルのマイク式など色々な種類がありますが、昨今のスタンダードはギターのヘッドに挟んで振動で音程を測るクリップ式。周りの音が騒がしくても自分のギターのチューニングができるので、とても便利です。

チューナーは1,000円前後の安価なものから4~5,000円くらいのものまで、色々なラインナップが揃っています。やはり高価なものの方が正確でディスプレイも見やすいのですが、1,000円前後のものでも、デジタルの針が表示されるものならそれなりに使えるので、予算に合わせて選びましょう。

音程は低い音から上げつつ合わせていく

ギターのチューニングは、正しい音程よりも低いところからスタートして、ペグを巻きながら正しい音程まで引き上げる、というやり方が基本です。

例えば、弦を張り替えたばかりのギターは、全ての弦が緩い状態です。ここからチューナーを起動して、規程の音に届かせるようにペグを巻いていきます。

高い音から下げて調整しないのは、弦を無理に引っ張ると切れちゃうから。あと、ギター本体にも負荷がかかるからです。

例えば6弦をチューニングする時は、チューナーの表示がEで安定するまで、弦を鳴らしながらペグを巻き上げます。もし音程が行きすぎてしまった時は、半音ほど音程を下げて、また上げながらEに合わせていきます。

6弦から初めて1弦で終わる、、、を2〜3回

ギターのチューニングは、一番太い6弦から、細い1弦に向かって進めていきます。最初はたどたどしくても、すぐに慣れて、ものの数分でできるようになるので、安心してくださいね。

で、大事なことなのですが、6〜1弦までを1回チューニングしただけでは、実はチューニングはズレているのです。うん、意味分かんないよね。

チューニングをしているのに、チューニングがズレる理由は、「弦の伸び」と「ネックの反り」です。「弦の伸び」については、後で簡単に話題が出てくるので割愛します。

「ネックの反り」?何それ?

実はレギュラーチューニングで張られたギターの弦は、1本あたり約10キロ、6本合わせておよそ60キロの力で、ヘッドとボディを引っ張っていると言われています。これだけの力が加わると、ネックが弦の張られている側に向かって微妙に反ってしまうんです。

目で見て分かりにくいけれど、6〜1弦のチューニングを1回終えたギターは、チューニング前よりも反っている。だから、一度チューニングをした弦も僅かに緩んで、音が下がってしまうんです。

だから僕たちギタリストは、6〜1弦のチューニングを最低でも2〜3は回します。そうしないと、最終的な音程が合わないのよね。

初心者さんが知っておくと便利なチューニングのちょっとしたこと

ここからはチューニングにまつわる、ちょっとした小話をシェアします。直接チューニングと関係のあることもないこともあるけど、知っておくといつか役に立つこともあるかもしれないので、ざっと読んでおいてくださいね。

そもそもチューニングが合わないギターもある

新品だけでなく、「押し入れから出てきた、昔親父が弾いていたギター」や「学生時代に買って、ずっと放置していたギター」など、ギターには色々な出自や歴史があります。

そうやってメンテナンスをされないまま放置されていたギターや、楽器店で5,000円くらいで買った超格安ギターの中には、ネックパーツが曲がってしまったり、ブリッジと呼ばれるパーツが浮いていたりして、どうやってもチューニングが合わなくなってしまっているものもあります。

自分の使っているギターが古いものなら、ぜひ本格的に弾き始める前に、最寄りの楽器店やリペアショップでコンディションを整えてあげてください。

あと、よっぽどじゃないかぎり、格安のギターはお勧めできません。最低でも3〜5万円のモデルじゃないと、ギターとして使い物にならないことも多いからね。

新品の弦はチューニングが狂いやすい

先ほどチューニングが合わない理由として「弦の伸び」があるよ、とお話ししました。ギターの弦は鉄製ですが、1本あたり10kgなんて力で引っ張られると、少しだけ伸びたりします。

その伸び

新しく張ったばかりの弦は音程が下がりやすく、6〜1弦のチューニングを2〜3回やってみても、しばらくするとすぐに音程が下がってしまいます。

これはもう、致し方なし。2、3日もすれば安定してくるので、それまではコツコツとマメにチューニングをしてあげましょう。

チューニングの時にストリングワインダーは使わない

ストリングワインダーは、弦の張り替え作業の時、指で巻くよりも楽に早くペグが巻ける便利な道具です。

が、あくまでこれは「張り替えたばかりの弦をペグポストに巻きつける」ための道具。繊細な調整が必要になるチューニング作業の時には使い物にならないどころか、巻きすぎて弦を切ってしまうこともあるので、チューニングの時には使わないようにしましょうね。

周りにチューニングしている人がいる時は、大きな音は立てない

デジタルチューナーには「音を拾ってチューニングをする」集音タイプと「ギター自体の振動を拾ってチューニングする」クリップ式の2種類があります。

集音タイプのチューナーは、読んで字のごとく、音を拾って音程のズレをチェックするので、チューニング中のギター以外の音が流れている場所では使い物になりません。まだ集音タイプのチューナーが主だった頃は、先輩がチューニングしている横で運指練習をして、えらい剣幕で怒られたものです。

クリップ式は音ではなく、取り付けているギターそのものの振動を拾っているので、その点は安心です。が、アコースティックギターという楽器の構造上、近くで鳴っている別のギターの音に共鳴することはよくあります。小さい音なら大丈夫ですが、ざくざく演奏されているギターの隣りでは、やっぱりクリップ式チューナーも精度が下がってしまうのです。

その人が使っているチューナーがどういうタイプであれ、近くで誰かがギターのチューニングをしている時は、極力余計な音を立てないように努めましょう。これも、ギター弾きのエチケットです。

正しくても、狂っていても、音は感性に染みてくる

今回はギターのチューニングについてお話しをしてきました。とにかく声を大にしてお伝えしたいのが、チューニングには意識的にシビアになろう、ということです。

なぜか。狂ったチューニングで演奏することに慣れてしまうと、音感も狂った状態で育ってしまうからです。

音楽で使われる音程には、明確な「正解」があります。それは何百年という音楽の歴史の上に確率された、人類の共通回答とも言えるものです。それからずれるということは。。。「あの人のギター、音気持ち悪いよね」と言われる、ということです。

不思議なことに、人の演奏をただ聴いている時と、自分がギターを弾いている時では、音程に対する感覚が違います。ただ聴いている時の方が、ジャッジがシビアなのです。ギターを弾く側になると、チューニング以外にも気にしないといけないことが増えるから、しょうがないっちゃしょうがないんだけど。

だから、自分が「チューニングが狂ったな」と思う前にチューニングをすることが大事なのです。僕も練習をしている時は、だいたい15〜20分に1回程度はチューニングをします。

とはいえ、本質的には木工細工であるギターで、100%完璧なチューニングを目指すというのもまた、不毛です。その辺りのバランスは、やりながら覚えていくしかありません。

僕たちのギター弾き語り教室では、月4回の継続レッスンでレッスンプロのミュージシャンと質疑応答をしながらギターに慣れ親しんでいきます。「そろそろチューニングしようか」とか「それくらいなら許容範囲だよ〜」とか、初心者のうちは難しいチューニングのさじ加減も、ばっちりサポートします。

マンツーマンでもあり、グループレッスンでもあるという、他にはないスタイルなので、他のレッスン生の学びを客観的に目撃することもできます。

初回の体験レッスンは無料ですから、気軽にお越しください。教室の詳細は、本文下のバナーリンクからご確認いただけます。ぜひ遊びにきてくださいね。

あと、※今回の内容をYouTube動画で確認したい方はこちらへどうぞ

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。またお会いしましょう。

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