ポール・マッカートニーの”ob-la-di,ob-la-da”を歌ってきました。
ポップミュージックについての色々。
何故か気付いていないミュージシャンが多いのだけど、実はポップスというのは奥の深い世界なんである。
芸術というものは突き詰めていくと独創的にはなってゆく。それは比較的簡単なのだ。問題なのは、そこに大衆性を持たせることである。人が聴きたがっているものを先読みし、具現化することなんである。
大衆性というのは、迂闊に手を出すと個性が死んでしまう。らしくなくなってしまう、ということである。らしさを失った作品からはどうしても芸術的な体力が消えてしまう。一時期ポップスがジャンク・ミュージックなどと呼ばれていたのも、その所以だ。
しかし、時折その独自性と大衆性の両方を兼ね備えたアーティストが出没する。その親玉的存在が、今回カヴァーしたob-la-di,ob-la-daの作曲者、言わずと知れたポール・マッカートニー大先生である。
これは個人的になのだけど、ポップミュージックを続けていく上で最も大きな問題のひとつが、”変化”だ。
これは当然ロックでもブルースでもそうなのだけど。ことポップスに関してはこの”変化”を忘れたミュージシャンのライブは、とても見ていられたものではない。歌詞はもちろんのこと、バンドの演出やメロディーの踏み方、リズムの取り方や間の開け方など、様々な色々を柔軟に組み合わせ、その中で大衆性と独自性を演出することは、並大抵ではない。まぁその辺は音楽家としてのアレコレなので、普通に聴いて楽しむ分にはそんなことはどうでも良いのだけど。
しかしやはり、その点においてポール大先生は異常である。ジョン・レノンとは、本当に良いライバルだったのだろうと思う。
ということで、今回は僕が珠玉のポップスと信じてやまないob-la-di,ob-la-daという曲の演奏であった。歌詞を間違えているのは、ご愛嬌。ポール大先生は他にも多くの名曲を書いていらっしゃるので、機会を作ってどんどんカヴァーしていきたい。
ちなみに、ob-la-di,ob-la-daとは「人生は続く」という意味であるらしい。ポールが通っていたクラブに出演していたコンガ奏者の言葉なのだそうだ。
こういういつも悪巧みをしてそうな紳士になりたい。