前半戦終わって40分の昼食休憩を取った我々は、パツンパツンの腹を抱えて後半戦へと繰り出した。途中、乗っているカートのエンジンが掛かりにくいとクレームを出した父であったが、代わりのカートが無いということで対応されず、実に不機嫌であった。
では、既に記憶もおぼろげな後半戦を振り返ってゆく。
山本家ゴルフファーアーズバースデイカップ【後半戦】
1番ホール
・507Yard
・Par5
昼食でビールと焼酎のお湯割りを飲み、完全にコースマップを見せる気を失くしたぷぅちゃん。楽しそうだから許そう。
後半戦はこのゴフルクラブ一番のロングホールから始まった。ひたすらにまっすぐな芝の絨毯を見て、ぷぅちゃんが
「マリオゴルフならイーグルチャンス」
と呟いた。
何のフラグかと思いきや、まず伯父がバーディー。父とぷぅちゃんがパーで上がり、結果的に僕だけがスコアを取りこぼすという残念な結果に。そしてそれが、後半戦の悪夢の始まりとなった。
【スコア】
父:5
伯父:4
僕:7
ぷぅちゃん:5
2番ホール
・348Yard
・Par4
顔赤過ぎ。
ぷぅちゃんのお酒も抜け切らない2番ホール。写真を見ても分かるようにコースの中程を両断する川が流れており、さらにその右側には大きな池がある。あの川を超していくかどうか、という談義を全員で交わしつつ挑んだところ、伯父とぷぅちゃんが刻んだ二打目で見事に川に飛び込み、僕と父が強烈なスライスでもって池に飛び込むという水辺の妖怪の仕業的惨劇が繰り広げられた。
あと気付いたけど、ベテラン2人はOBする度に草むらでボールを拾ってくる。ロストボールと一緒に、気持ちも収集しているのだろう。
【スコア】
父:8
伯父:6
僕:8
ぷぅちゃん:7
3番ホール
・313Yard
・Par4
ぷぅちゃん「さーん!!!」
3番ホールはこのゴルフクラブ唯一のフックコース。グリーンは写真に写っている丘の向こう側にあり、見えないフェアウェイをめがけて攻めてゆくことになる。
僕はこのホールでバンカーダイブをかまし、スコアを大幅に落とした。今までぷぅちゃんと地道な争いをしていたのだけれど、それが完全に置いていかれる形になったのである。バンカー許すまじ。バンカー許すまじ。
【スコア】
父:4
伯父:4
僕:10
ぷぅちゃん:5
4番ホール
・121Yard
・Par3
目に見えて銚子に乗ってくる新社会人。
先ほどの10打のショックも抜け切らぬまま苦手なショートホール。自分の番手と飛距離が分からず悩んでいたところ、父から「8番くらいでええんちゃうか」というアドバイスを頂きティーショット。ボールは凄まじい勢いで短いフェアウェイを転がり、コースを横断していたカートロードの上でピタリと止まった。
そして改めてバンカーリレー。バンカーを抜けたらまたバンカー。バンカー死すべし。バンカー死すべし。
【スコア】
父:4
伯父:4
僕:7
ぷぅちゃん:3
5番ホール
・386Yard
・Par4
何気にさっきのショートホールをパーで抜けこのホールのオナー(いちばん最初にボールを打つ人)となり有頂天極まるぷぅちゃん。写真では分かり辛いが、フレームの外で素人に抜かれた父がさっさと打てと言って暴れている。
ここは左手に池を見ながらゆるやかにフック、その後ゆるやかにスライス。途中また川があり、それを越えると急な勾配の坂道を登るような形になる大変にキャラクターのあるコースである。伯父とぷぅちゃんが見事にその川へと飛び込んだ。僕と父は普通にアイアンのアプローチをミスして刻みに刻んだ。楽しいコースは難しい。
集中力が途切れてきたのか、ベテラン組が徐々にスコアを落としてくる。ざまぁみろ。
6番ホール
・349Yard
・Par4
ぷぅちゃん「はい、ろーく!」
僕「何語の」
ティーグラウンドが小高いところにある6番ホール。オナーは引き続きぷぅちゃんである。
ここまでやってようやく気付いたのだけど、ゴルフはミスショットをしないことが非常に難しい。棒の1メートルも向こうにある小さなフェースで小さな球を打つのだから、難しいのは当たり前であるのだけど。
ということでミスショットをしなかった父が見事バーディー。ドライバーでOBを叩いたぷぅちゃんがスコアを落とし、オナーを去った。
【スコア】
父:4
伯父:5
僕:6
ぷぅちゃん:7
7番ホール
・497Yard
・Par5
写真を撮り忘れたのでカイちゃんの後ろ姿でお茶を濁す。最近また太ったよこのネコ。
という7番ホールは今回最後のロングホール。スライス気味に上り勾配のあるこのホールを、他の連中が馬鹿みたいにボールを打ち上げる中、愚直に転がして攻めるというスケールの大きななパターゴルフを展開する者がいた。僕である。
もうね、ダメ。ロングホールを転がして攻めるとか、本当に終わる気がしない。ねぇカイちゃん。
【スコア】
父:5
伯父:6
僕:7
ぷぅちゃん:8
8番ホール
・206Yard
・Par3
気が付いたら僕もコースマップをフレームに入れないようにしてた。この辺グダグダだったからしかたがないね。
そんな傷心の8番ホールはグリーンの手前に池のあるショート。全く自分の番手の分からない中、伯父が持ち出した番手を真似て5番アイアンを振ったところ、OBと池ポチャを立て続けに繰り出すという自体に。僕がポケモントレーナーであったら、目の前が真っ暗になってポケモンセンターの前で意識を取り戻していたところである。所持金半減って鬼畜だと思う。
【スコア】
父:6
伯父:4
僕:9
ぷぅちゃん:7
9番ホール
・410Yard
・Par4
ぷぅちゃん「最終ホールキター!」
ということでラストの9番ホールはグリーン手前に噴水のある大きな池を抱えたミドルホール。あまりに疲れていたので記憶もおぼろげであるのだが、OBかと思われたぷぅちゃんのボールが妙なところで止まっているのが発見され、大喜びでアイアンを振り回し散々転がした挙げ句に池に落としたのを見て大笑いしたのは覚えている。
なおこのホールで、僕は「スプーンはめっちゃ飛ぶ」ということを学んだ。お題は、OBだった。
【スコア】
父:7
伯父:4
僕:8
ぷぅちゃん:8
おしまい
【後半戦スコア】
父:48
伯父:44
僕:69
ぷぅちゃん:55
【総合スコア】
父:89
伯父:94
僕:141
ぷぅちゃん:126
ということで、第何回目かしらないけれど山本家ゴルフファーザーズバースディカップはこのような成績でもって終了した。楽しみ、雨に濡れ、心折れ、開き直り、また折れるを繰り返し、さながら人生の縮図が如き様相であった。
今回のラウンドで学んだことは、ドライバーは取りあえずまっすぐ飛べば良く、アイアンとパッドの精度の方がよほど重要である、ということと、兄ちゃんに勝っているということで調子に乗り始める弟が実に目障りであることであった。クラブが凶器に見えてくるもの。
なお、このラウンドは記事を書いている今日から2日前のことであるが、僕の体は未だにそのダメージが抜けずに悲鳴を上げている。慣れないスポーツを本気ですると、「こんなところにも筋肉があるのか」という発見があるから面白い。
最後に、ひとつだけ皆様にお願いがある。
この日、父は職場に「法事で・・・」と言って休暇をもぎ取ってきている。その件については、他言無用である。