喫煙席に誘導された非喫煙イケメンと正しい質問。

先日レストランに入ったところ、出迎えてくれた女性店員が

「おタバコ吸われますか?」

と聞くので

「吸いません」

と応えたら、

「今喫煙席しか空いてないんです。」

と言われた。今の問答は果たして必要だっただろうか。僕が非喫煙者であることは喫煙席が空いていようが禁煙席が空いていようが変わらない。店員にとってはシュレディンガーの猫かもしれないが、僕にとってはその辺の猫である。吸わないことこの上ない。

そもそも店員にとっても、僕が喫煙者であろうと非喫煙者であろうと、禁煙席が満席であることに変わりはないのだ。いずれの場合も喫煙席を勧めることしかできないのだから、初めから喫煙席しか空いていない旨を伝えればマニュアル対応だと悟られずに済むではないか。こちらだって見ず知らずの女性と話す上で「もしかしたら一目惚れをされるかもしれない」という期待を悟られまいと努力しているのだから、それくらいのことはしていいはずだ。

このように、世の中は不毛な質問で溢れている。正しい答えは正しい質問でしか導き出せないのに、人は正しい答えを求めて彷徨うばかりで、正しい質問を求めない。

例えば破局寸前のカップルは、大抵の場合質問を誤っている。恋人関係に限らず人間関係というのは、『この人といて幸せか』という質問に集約されているはずである。

それを感情に任せ、(主に女性側が)納得のいくまで相手を叩きのめそうとするから話しがややこしくなる。人生は短いのだ。一緒に幸せになれなかったパートナーに時間を費やすのは、限られた資源をドブに捨てるが如き誤回答である。そんなことをしているうちに、どこかでクールなイケメンが颯爽と現れ心に響く音楽を響かせているかもしれないのだ。

人は人を変えることは出来ないから、自分を変えてゆくしかない。そのためにも、正しい質問を心掛けるべきである。正しい質問は常に『幸せ』に由来しているから、見つけ出すことは難しくはないはずだ。

店員に案内されて喫煙席に座り込んだ僕はソーセージグリルのランチを注文した。「かしこまりました」とメニューを下げながら、店員は笑顔を作る。これが悪くなかった。

飲食店において笑顔について言及していない接客マニュアルは存在しないだろうが、本当に笑顔を浮かべられるかどうかはやはり個々の人間にかかっている。たとえ意図的に浮かべた笑顔であっても、そこに心があれば、人を癒すことができるのだ。

僕は心がほぐれるのを感じながら、実はこの笑顔は僕の止めどない魅力に惹かれた店員の本心の笑顔でないかと考えた。そうであるなら、少なくともお客と店員という今の関係の中で、僕は彼女の気持ちに寄り添うことができるはずである。こちらも笑顔を作り、

「よろしくね。」

と声を掛ける。これが幸せに基づいた質問による、正しい回答である。10000ドルの笑顔を浮かべる僕に、店員は笑顔のままこう言った。

「灰皿はご入用ですか?」

正しい質問が出来ても、状況を見極める目がなければ、正しい答えは導き出せない。

20081003163455

吉良さんも怒るぜ。

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