イケメン紳士としょーちゃんの逢瀬、そのすれ違い。

先日の大阪出張の最終日、僕は学生時代に仲の良かった友人、しょーちゃんを尋ねた。しょーちゃんとの関係はまぁ言葉にするとややっこしいので、ひとつ、ソウルメイト的な言葉でお茶を濁しておく。

さてこのしょーちゃん、現在は府内某所のアパートで一人暮らしをしている。事前の打ち合わせでは逢瀬の時間は13時ごろ、ということであったのだが、僕の方の予定が巻き巻きになったため、11時過ぎにはしょーちゃんの自宅の最寄り駅に到着している、という事態に相成った。

このままぼんやりと待っていてもいいのだが、何せ4~5年振りの逢瀬である。できることなら早めに会ってゆっくりと話もしたい。しかしながら、自宅で会おう、という作戦であるから、しょーちゃんの方にも準備がある。突然合流時間を早めて突撃お宅の昼ご飯的テロを働くのは、クールなイケメン紳士としては、いかがなものか。

僕は愛と気遣いと「ちょっと急げ」という気持ちを込めて、

 

僕「午前中の用が早めに終わったんだけど、何時くらいならお伺いして邪魔になりませんか?」

 

とメールを投げた。我ながら大変な紳士である。気遣いとは、こういう風にするものだ。そんなことを思いつつスーパーで野菜ジュースを物色していると、返信が届いた。

 

しょーちゃん「細かめに言うとw 11:20に○○駅に着いて、12:30に我が家に来る、みたいな感じでどう?」

 

本当に○○駅は最寄り駅なのか。徒歩距離の問題でないのなら、しょーちゃんの自宅までに一体どのような障害があるというのか。僕は駅から片道50分という謎のスパンに様々な憶測を伸ばしつつスーパーのイートインコーナーに腰をかけ、20%オフだった小さなカップチーズケーキをチマチマとやりつつ、緊張の面持ちで返信を打った。

 

僕「それなら実はもう近所のスーパーをウロウロしてるから、すぐに動けるよ」

 

この緊急事態にこの優しさ、この気遣い。これが自ずと沸きいずるものであるから、罪深い。そうすると、メールの発信と同時に着信があった。

 

しょーちゃん「間違ったw 11:20じゃなくて、12:20に○○駅ね!」

 

その後すぐの着信。

 

しょーちゃん「ちょっと待って!最速で、11:45までに連絡するから!」

 

クールなイケメン紳士の気遣いは、しょーちゃんのドジッ子メールによりしめやかに爆破四散した。プラスチックスプーン一杯のチーズケーキが大変に重く感じる。僕は生き残った僅かな気遣いを総動員し、

 

僕「読みたい本もあるから、ゆっくりでいいよ。」

 

とメールを返した。時計を見ると11:17と表示されている。何も言わずにここまで早乗りしてきたのは僕の方だ。11:45に連絡の届く段取りであるのなら、まぁ待てないことは無い。僕は本を取り出して、レジ打ちのおばちゃんの視線を感じつつその場に根を張る作戦を結構した。

 

しょーちゃん「そろそろ大丈夫だよー」

 

時計は、12:10を指していた。甘かった。確かに僕はゆっくりで良いと言った。しかし、されたとしても5分10分程度のゆっくりであろう、と考えていたのである。もしレジのおばちゃんが視線がレーザービームになるという能力者であったなら、僕は「あ、ここで何か焼いたのかな」的消し炭になっていたことだろう。僕はよろよろと席を立つと、おばちゃんに背中を焼かれながらスーパーを後にした。

久し振りに会ったしょーちゃんは、以前と何ら変わりなく変わり者であった。

会っていなかった数年間の話を積み上げながら、しょーちゃんが子供の頃にイラン人と同居していたというエピソードを聞きながら、時間は穏やかに過ぎていった。

途中でしょーちゃんが口に付けたカモミールのハーブティーを咳き込んだ拍子にショットガンよろしく凄まじい勢いで部屋中にまき散らし、僕の財布及び眼鏡及び僕自身が甚大な被害を被るという事件があった。

結局我々は夜まで話し込み、仕事終わりの僕の彼女様と合流し、ラーメンを啜ってお開きとなった。常に焦燥を引きずっていた出張の最中、大変に心落ち着く時間であった。しょーちゃん、ありがとう。次回は、どんなに早く現場に到着しても、黙ってインターホンを押すから。

 

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