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真夜中のトイレパニック。

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大阪での路上ライブの帰り道でのことだ。僕はより多くの人の足を止めるにはどうすればいいかを考え、「トップレスの美女を配置する」「僕の正面で身体が動かなくなるような毒あるいは呪術を散布する」「僕が歩いている人に合わせて移動し、相対的に止まってみえるようにする」など、様々な妙案を絞り出していた。

そんなものを絞り出していると、身体もある程度絞れてくるのだろう。僕は膀胱から迫り来る何らかの某を感じ、駅までの長い地下道にある公衆トイレに入っていった。

時刻は夜11時半ごろだ。通路内には12時で連絡通路が閉まるというアナウンスが流れていて、仕事帰りで一杯引っ掛けてきたという感じの人がまばらに歩いている。今度は、もうちょっと早い時間帯に演奏を始めてみてもいいかもしれない。

トイレに入って用を足していると、ひとりのサラリーマンが入ってきた。40代くらいであろうか。細すぎない身体にグレーのスーツを着たナイスミドルで、まさに出来る男といった出で立ちである。であるのだけど、この前に相当飲んできたらしく、足下がかなりおぼつかない。僕も今までの人生の中で様々な酔っぱらいを見てきたが、彼は全国通用するレベルの千鳥足であった。

サラリーマンはワンパクな重心を辛うじて追い掛けながら、僕のひとつ隣り向こうの小便器にドッキングした。いつも思うのだけど、男が小用のために小便器に向かう様子は、掃除を終えたルンバが充電ポッドに帰るそれによく似ている。違うのは、(このサラリーマンに関しては)自分が収まるべき場所に収まる機能が著しく低下しているということである。

お洒落な仕事鞄を便器の正面の棚に置き、なんとかスターティングポジションに収まったサラリーマンは股間をごそごそとやってコトの準備を整えると、大変な勢いで水分を排出し始めた。

「酒を飲むとトイレに行きたくなり、トイレに行くと水分が足りなくなるからまた酒を飲む。この永久機関から抜け出す術を、人類はまだ知らない。」

そんなことを言いながらビールを飲んでいた友人のことを思い出した。僕は棒棒鶏を頬張りながら、「ああそうか馬鹿なんだなコイツは」と微笑んだものだ。

そんな回想に浸っていたら、突然サラリーマンの様子がおかしくなった。さっきまでかなりの前傾姿勢でコトに挑んでいたのに、もう上半身がフラフラと前後左右に揺れているのだ。男性なら分かってくれると思うのだが、小便器のストライクゾーンというのは決して広くない。コトの最中に身体が揺れでもしたら、あっという間に狙いがブレて大変なことになってしまう。

「これアカンやつや」

そう感じた刹那、サラリーマンは事切れたように足の踏ん張りを失い、何かに引っ張られるように後ろに向かって倒れていった。砲台がひっくり返っているのだから当然砲身もひっくり返る。結果的に便器破壊光線ションベライザーの射線もひっくり返る。この世の理である。光線は便器の受け皿を越えお洒落な仕事鞄を引き裂くと尻餅を付く彼の動きに合わせて無慈悲な放物線を描き、着地と同時に

「フォンッ」

という謎の声を漏らした射手自身に降り注いだ。

トイレの床に両手をついたサラリーマンの股間からは、それでもなお水分が放出され続けている。僕は点になった目を必死で戻しつつ、永遠に感じられる刹那の中で必死に言葉を選んだ。

「大丈夫ですか?」

大丈夫な訳がない。仕事返りの公衆トイレで用を足している時に倒れて尻餅を付き、盛大に自爆したのだ。ほぼ全ての所持品(彼自身を含む)が壊滅的な被害を受けている。彼が自我を保てている可能性は限りなくゼロに近い。

僕の問い掛けに、サラリーマンは少しの間ぼんやりとした後、空気が抜けるような声で

「・・・はい」

とだけ呟いた。

それ以上何をしてあげられる訳でもなく、気が付くと自分の用も終わっていて、未だ混乱の渦中にいた僕は

「じゃあ、また」

と、なぜか再会をにおわせる言葉を残して、その場を立ち去った。通路に出ると12時でシャッターが閉まるのだという放送が響いていた。両手をついて動かないサラリーマンの後ろ姿が、いつまでも目に焼き付いて離れなかった。

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