わが愛しのAm P.92:音楽飽きた(2018/11/29)

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前回までのあらすじ

やりたいことを始めたのになんかしんどかったのだ。

二度目の大阪

実家にいるから気持ちがダレて体が動かないのだ。そうに違いない。そういう気持ちで背伸びをして大阪に事務所を構えた。

事務所といってもただのワンルームのアパートで、普通に一人暮らしのていで入居したのだけど。でもまあとはいえ、とにかく僕は自分を魅力的に見せなきゃいけないと必死だったから、その不安と迷いと違和感にまみれた新居への引っ越しを一生懸命に楽しそうに見せていた。

やっぱり動けない

事務所はロフト付きの6畳ワンルーム。ギター教室の生徒さんが来るかもしれないと思ってイスを買い込み、当時まだ恋人だった妻が誕生日プレゼントでくれたホワイトボードをセット。白いテーブルを置いてMacBookを置き、これでいよいよプロめいてきたではないかと舌なめずりをした。

状況は悪くなった。実家は家族との共同生活だったので、定期的な仕事はしていなかったけれど、生活リズムはとても安定していたのだ。

生活のリズムの軸がなくなり、web情報の更新と音楽の練習、営業の繰り返し。何も楽しくない。何も燃えない。実家を飛び出してコストを掛けてリスクを取っても行動を起こさない僕を、僕は責め立てた。

あ、そうか、飽きたんだ

ライブのお客やセミナーの受講生がいなくなるのに、時間は掛からなかった。希望と計画と情熱を持ってやってきた今日という日を、ただただエロ動画とYouTubeに違法アップロードされたワンピースを見ながらダラダラ過ごした。

だいたい半年くらいそういう生活をして、結局他の仕事をすることにした。母からもらったお金も底尽きていたし、とにかくこのままでは早晩暮らしも成り立たなくなるという確信もあった。

新しい仕事はドコモのケータイ補償という故障端末の交換サービスのコールセンターだった。そこの仕事は目の前にPCのディスプレイが3つ並んでいて、電話対応をしながら特殊なソフトウェアを複数同時に操作する業務で、1ヶ月の研修期間が設けられていた。

その研修が、とにかく面白かった。それぞれのソフトウェアがどういう関わりで、どういう理由でこのトークフローになっているのか、そういうことをひとつずつ理解していくことが、痺れるほと面白かったのだ。

そこで、はたと気付いた。僕は音楽で生きていくことに、その活動に、飽きていたのだ。飽きていたのだから楽しくないのは当たり前である。飽きていたのだから、もう情熱がないのは当たり前なんである。

色々腑に落ちて、腑に落ちてきたところで絶望した。僕はそれまで人生の目標としてきたことを失った。月3万円の暮らしにくいアパートと安物のギター、そして結局誰も座らなかった丸イスだけが、僕の手元に残ったのだった。

テーブルに並べたお金、22万9千円の画像

ドコモの仕事の初任給。安定した収入が嬉しすぎて、しばらく壁紙にしていた。


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