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ケツに太郎
コンビニの夜勤で働いていたある日、尻の穴の横側に違和感が生まれた。なんだか少し張っているというか、硬いというか。少し熱を持っているようでもあるし、押すとやや痛む。違和感は日に日に大きく育ち、あっという間に演奏によくない影響が出るほどの存在感を得た。
僕は尻のデキモノを「太郎」と呼んでコンビニの社員さんと笑い話しにしていたのだけど、いよいよこれは困ったものだということで、急いで近所の胃腸肛門科のある病院に駆け込んだ。
パンツを脱いで診察台に上がると、指の太いオッサンの医者がぐいぐいと僕のケツに侵入してくる。きれいな看護師さんがオッサンと一緒になって僕のケツの穴の様子を入念に伺っているが、その人には特に何をされるでもなかったから、ただ単に僕のケツの穴の魅力に惹きつけられただけではないかと推測された。
胃腸校門外科で見る人生の機微
その日僕はオッサンにケツをほじくられた挙句、全く効かない部分麻酔でメスを入れられ、太郎の中に溜まっていた膿を抜かれた。鋭い痛みが走り、小さく声を漏らした直後に、肌の上を温かいものが流れていく感覚があった。きれいな看護師さんは一部始終を一歩離れたところからただただ見ていた。
治療の最後、僕のケツを堪能した医者は生理用ナプキンを手渡しながら、満足げな顔で「痔瘻(じろう)」という聞きなれない病名を伝えてきた。なんじゃそりゃ、とトランクスに一切フィットする様子を見せないナプキンをゴワゴワさせつつ、病院の待合室に置いてあった手引書を開き、痔瘻なる病を勉強した。
すると目の前を、母親らしき妙齢の女性に引っ張られるようにして、若い女の子が通り過ぎていった。年の頃は高校生くらいだろうか。拒絶と諦めが入り混じった、実にブルージィな表情である。抵抗の姿勢は見せつつも、緑色の床を踏む両足に力はない。彼女はそのままずるずると引きずられ、診察室の奥へと消えていった。
次郎でした
通院を終えて夜勤に出ると、一通りの話しを知っている社員さんが声をかけてきた。どうだったのかと聞かれるので「痔瘻でした」と答えると、「太郎だろ?」と正してくる。ちがう、そうじゃない。
この世には痔瘻なる病が存在し、その毒牙が僕の肛門右隣を襲ったのだという旨を伝える。社員さんは太郎と呼んでいたデキモノが次郎(ジロウ)だったということがツボにハマったらしく、僕が治療のために地元で入院するまでの3週間の間、バグったように笑い続けたのだった。
げんなりするくらい痔瘻のメカニズムが分かる図が落ちてたから君にも見せてあげよう。
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