■まとめページ
わが愛しのAm〜いわゆるライフブログ〜
»次の記事
P.96:岐路とレス(2018/12/07)
前回のあらすじ
「結納はしない」と言っていた両親が不意をついて結納をぶっこんできたのだ。
僕らが入籍する日は
二十歳の時に付き合いだした僕と彼女も、30歳になる年になっていた。というか9月が僕はもはや30歳になっていて、11月が誕生日の彼女はギリギリ20代、という瀬戸際。別に年齢にこだわる僕たちではなかったけれど、こうなったらせめて彼女が20代のうちに入籍しようではないか、という話しになった。
タイミングはもはやギリギリである。なんの気は無しに
「30歳の誕生日に合わせたら?」
と言ってみたら、
「祝いの日を重ねさせるものか。一年間で食べられるケーキの数がひとつ減るなど許さない」
と鬼のような様相でのたまわれた。急ぎ陳謝し、取っておいたプリンを差し出して許しを乞いながら
「じゃあいい夫婦の日で11月22日はどうですか」
と聞いてみたら、
「そんな日和った日にちに入籍などするものか。プリンをもうひとつよこせ」
と羅刹のような表情でのたまわれ、同時に冷蔵庫のプリンが絶滅した。何だ羅刹のような表情って。
めざせ時間外受け付け
対等で厳正なる議論の結果、僕たちは彼女の誕生日である11月24日と、いい夫婦の日である同22日の間の11月23日に入籍をすることになった。なったのはいいが、この日は平日ど真ん中で僕も彼女も仕事をしている。婚姻届は予め記入しておけたけれど、時間外受付けをしている区役所まではそこそこの距離があった。
どうすっぺということで、実は近かった彼女の実家に車を出してもらい、区役所に連れて行ってもらうことになった。もちろんお義父さんも仕事終わり。全員でやや疲れた顔をしつつ、とはいえ大きなイベントなので、なんとなくハイな気分で、時間外受付が終わる15分前くらいにビシッと窓口に滑り込み、わずか数十分間ではあるが、かろうじて二十代のうちに彼女は妻に進化した。
入籍後の夫としての初めての務めは、新居の浴槽を高圧洗浄機でピカピカにすることだった。
■まとめページ
わが愛しのAm〜いわゆるライフブログ〜
»次の記事
P.96:岐路とレス(2018/12/07)