いしはらとしひろさんは、僕が音楽にいそしんでいた頃に出会った先輩だ。奥様の風来なおさんと『相模の風theめをと』というユニットを組み、東京、神奈川を中心にライブ活動を展開している。
個人セッションの募集に手を上げてくれたいしはらさんは、ふたつの「やりたいこと」を持ってきた。ひとつは、ミュージシャンとしてお客さまの導入を増やすこと。もうひとつは、いしはらさんの別の顔であるプロの掃除屋として、新しい仕事の仕方を作るというものだ。
どちらに、ともなくセッションを進めるうちに、色々分かってきた。たとえば、いしはらさんが音楽を通して実現したいことと、掃除を通して実現したいことは、実は同じことだった、ということとか。
左の変なおじさんがいしはらさん。右の様子のおかしい淑女が奥さまの風来なおさん。二人合わせて相模の風theめをと。
明るくて軽い、そんな気分を広げたい。
ゆうさく:掃除屋さんの仕事の仕方は、どうして変えたいんですか?
いしはら:請けて掃除して、っていう作業がね、もう体とかキツいワケよ。
ゆうさく:wwwなるほどwww
いしはら:50代も半ばになると切実なんです。
ゆうさく:で、音楽の方は集客動員を増やしていきたい。
いしはら:そうそう。
ゆうさく:ふむ、あの、どちらかっていう話しをする前に
いしはら:はいはい
ゆうさく:これまでいしはらさんがやってきたことや言っていることを振り返ってみると、音楽でもお掃除でも、同じことをしてるんじゃないかって気がしてならんのですけど、その辺どうですか?
いしはら:おお、嬉しい。そんな感じはあります。
ゆうさく:言葉にしてみるとどんな感じですか?
いしはら:うーん、明るくて軽い気持ちになる。それを伝えること。
ゆうさく:音楽でもお掃除でも、お客さまが明るくて軽い気持ちになる。それを伝える。
いしはら:そんな感じだね。
ゆうさく:いしはらさんの音楽を聞いたり、掃除で家がきれいになると、お客さまは明るくて軽い気持ちになる。。。あ、「伝える」っていうのはもしかして、「こんな明るくて軽い気持ちがあるんだよ」っていうことや、「こうすると明るくて軽い気持ちになるよ」っていうことを伝えたい感じですか?
いしはら:ああ、ちゃんと深掘りしたことないけど。そうかもしれない。
ゆうさく:明るくて軽い。ライト&カジュアル。それはいきはらさんが大切だと思ってる感覚?
いしはら:そうそう。特に意識しはじめたのは、ここ何年か嫁さんと神社を回るようになってからで。
ゆうさく:神社でそういう感覚を感じた?
いしはら:うん、何て言うか、心の汚れが払われたような感じ。
ゆうさく:あー、分かります。神社ならではの清らかさ。
いしはら:俺が掃除屋として独立して7〜8年くらいした時にさ、あるお宅の掃除を請けた時に、なんだかちょっと気が淀んでるなって感じて。で、仕事をしてきれいにして、全部終わった時に、気の流れが良くなったなっていうか。家が笑ってくれてるような気がしたんだよね。
ゆうさく:淀んでいた家の気が流れはじめて、家が笑ってくれた気がした。
いしはら:そう。その感覚が、最近の神社巡りとつながっててさ。いいなって感じてるんだよね。
ゆうさく:うんうん、じゃあ、お掃除の仕事から繋がってるので、そちら方面に広げていこうと思うんですけど、いいですか?
いしはら:了解です。
ゆうさく:明るくて軽いというのはつまり、その家、空間の気が流れていて、家が笑っているような感覚なんだということでいいですか?
いしはら:そうそう。
運を開くお掃除
ゆうさく:その要素を仕事に組み込むってことで、今アイデアとして何かありますか?
いしはら:うーん、「開運」っていうのと、繋がらないかなって思ってる。
ゆうさく:ああ、なるほど。気が流れて、家が笑えば、運気も良くなるよね、的な?
いしはら:そうそう。で、特にそういう感じに大切なのが、水周りと玄関だと思うのね。だから例えば、水周りと玄関を掃除して、まぁ、清めてさ。で、それをどうやったら維持できるかっていう方法を書いた小冊子を渡す、とか。
ゆうさく:おお、お客さまが自分で維持できるようにするんですね?
いしはら:そう。なんか変なこと言うようなんだけど、掃除屋がいなくてもいいようになったらいいんじゃないかって考えがあるんですよ。本当にそうなったら食いっぱぐれちゃうんだけど。
ゆうさく:うんうん
いしはら:だから教えるって意味では、ワークショップみたいにして、お客さんを集めるっていうのもアリかもなって、今思い付きました。ちょっと胡散臭いかもしれないけど。
ゆうさく:いいですね。開運とお掃除。今簡単にググってみたけど、たくさんヒットしたし、親和性高いというか、キーワードの繋がりとして、市民権を得ている感じがしますね。
いしはら:そうかな。
ゆうさく:個人だけじゃなくて、法人向けもある気がします。
いしはら:ですね。お店とか会社の玄関とか。飲食店だと、おトイレは超大切ってよく言うし。
ゆうさく:ですね。で、そっちもなんだか、雑巾を持って走り回る感じじゃないですねよ。
いしはら:それだと今と変わらないからねw
だから、やるとしたらコンサルティングみたいな感じになるのかな。
ゆうさく:で、気が流れるようにする。
いしはら:そうそう。また神様の話しなんだけど、俺掃除でお邪魔する家に神棚があったら、必ず最初に挨拶するんだよね。今から掃除をさせていただきますって。
ゆうさく:その家の神様に?
いしはら:そう。神棚って、その家の気持ちの中心だと思うんですよ。うちも何年か前に引っ越したんだけど、神棚を付けたら線が一本通ったような感じがしたんだよね。
ゆうさく:なるほど。
いしはら:神棚がないお宅だと、お客さまがいないところでお辞儀したりして。神棚がなくても、神様はいると思ってるから。
ゆうさく:ああ、そっか、いしはらさんにとって掃除の仕事って、その家の神様をお祀りするとか、気持ちよく過ごしてもらうように場を整えるというか。そういうものなんですかね。
いきはら:ああーーー、それはそう。そんな感じ。
風来:大事なポイントをメモする私は良い妻。
ゆうさく:宣言しなきゃよかったのにwww
いしはら:www
押し掛け神主爆誕
ゆうさく:なんか、あれですね、神主さんみたい。
いしはら:押し掛け神主だね。
ゆうさく:あ、それ素敵。いしはらさんの佇まいって、神主さんぽいと思いますよ。なんて言うか、ホコリっぽくないんですよね。清らかというか。
いしはら:おお、ありがとうございます。
ゆうさく:ぼくの中ではかなり府に落ちてきましたよ。お客さまの家に押し掛けて、ただキレイにするんじゃなくて、神様をお祀りするように掃除をして。
いしはら:はい。
ゆうさく:家が笑ってるっていうのはつまり、その家の神様が笑ってくれているということで。
いしはら:そうそうそう
ゆうさく:神様が笑ってるお宅は、だから当たり前のように運気も上がるよねと。
いしはら:ああ、いいですね。そんな感じです。
ゆうさく:いいですねぇw
いしはら:いいですねぇw
ゆうさく:ちなみに、例えば誰かから「明日開運掃除をしてくれ」って言われたら、明日できます?
いしはら:うーん、道具があるかどうかっていうのはあるけど、たぶん大丈夫。
ゆうさく:神主さんが持ってるシャカシャカ振るやつ(大幣)とか?
いしはら:そこまではどうだろうw 玄関に盛り塩するとか、そういうことは考えてるけど。
ゆうさく:うんうん。これ、もう走らせません?早い方がいい気がする。
いしはら:ですね。新年も近いし。
ゆうさく:いいですねぇ、新年。年明けの清らかな気分のまま年末まで過ごせるよって。
いしはら:なるほど。
ゆうさく:もうプロモーションのアイデアまでいっちゃっていいですか?
いしはら:お願いします。
ゆうさく:ざっくりですけど、教える系のサービスなので、YouTubeを使うのがいいと思います。動画のタイトルやサムネイルは今後工夫していくとして、中身的には、いしはらさんのサービスを先にモニターとして提供して、モニターの人々から感想をもらう。それをスマホで撮影しておいて、YouTubeにストックしていく。
いしはら:はい。
ゆうさく:家のコンディションを維持するコツも、いしはらさんの神様話しも、全部載せちゃいます。
いしはら:掃除のコツは分かるけど、そこまで載せちゃっていいの?
ゆうさく:神様とか龍とか、ブームですからね。それに、いしはらさんは20数年間、神様じゃなくてプロの掃除屋としてやってきたんです。最初から神様神様って言ってたんじゃない、現場をしっかりやってきた人が神様って言うから、説得力があると思います。
いしはら:へー。分かりました。
ゆうさく:そろそろ時間なんですけど、次回はもうちょっと具体的に、ビジネスプランを詰めてみるとか、アクションのプランを順序立てて整理するとか、やりますか。
いしはら:ぜひお願いします。こっちはもう先に始めちゃって、並行してサイトを作ったりしていきますよ。
ゆうさく:いいすね。楽しみにしてます。
いしはら:ありがとうございました。
ゆうさく:ありがとうございました。
さっそく動き出しています
このやりとりをした翌日、いしはらさんはさっそくFacebookで新しいサービスリリースの宣言をした。
このプロジェクトが上手くいくかどうかは、正直分からない。けれど間違いないのは、新しいことを実践し始めた人には、間違いなくこれまでと違うことが起こるということだ。動いた分だけ視点が変わる。視点が上がる。世界が変わる。
20年以上プロの掃除屋として、様々なお宅の神様を笑顔にし続けてきたいしはらさんの新しい挑戦である。ご興味のある方は、もう手を上げておいてしまってはどうだろう。
○ハウスクリーニング ライブ Facebookページ
※いしはらさんが不定期に掃除のコツや現場で経験した不思議な出来事などが掲載されていています。かなり読み応えのあるFacebookページ。いしはらさん、小説を書いたりもするから、筆が達者なんだよなあ。