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音楽の演奏に限らず、生活のあらゆる場面で、僕らは身体から感覚のフィードバックをもらっている。これを体感覚というのだ。
僕らは常に身体と共にあるので、体感覚を感じていない瞬間はない。何かに深く没頭して身体のことを忘れていたとしても、それは意識に上っていないだけで、バンド演奏のベースのように、僕らの感覚世界をくまなく包み込んでいる。
で、特に体感覚につながる活動(スポーツとか、演奏とか、瞑想とか)をしていると、こんなことを思うことがある。「あれあれ、あの時のあの感覚」。
僕は歌に自信がなかったので、たまにいい歌が歌えた(と自分が勝手にそう感じただけ)ら、その時の感覚をもう後生大事に持ってるわけ。で、必死にその感覚で歌おうとするのです。
これが、失敗のもと。僕らは「あの時のあの感覚」を追いかけても、「あの時のあの感覚」には辿り付けない。いや、もしかしたら辿り付けることもあるかもしれないけれど、それは偶然とか、奇蹟の産物かもしれない。
じゃあどうすればいいのか。「あの時のあの感覚」を追いかけないのなら、僕らは今何をするべきなのか。今日はそんなお話しです。
そもそも人間の感覚は信用ならない
突然の告白だけど、僕、今朝の体重が78キロでした。ぽっちゃり系。かわいいね。
これが実は、少し前まで84キロとかあったのです。僕、ストレスで食べちゃうタイプの人類なのでね。少し前まで本職だったマーケティングの仕事がスケジュールぱんぱんになってくると、もう四六時中何か食べちゃってるのよ。
で、じゃあ84キロの僕は、足に常に84キロの重量が掛かっていることを感じていたかというと、感じていなかったのだ。
あなたも少し想像してほしいのだけど、あなたの足は、立っている時、あなたの体重を感じているだろうか。60キロの人なら60キロを、50キロの人なら50キロを、感じていますか?という質問です。まあ、足そのものの重さもあるから、厳密には体重全部がかかっているのは足の裏だけなんだけどね。
「感じてるとも」という方は、ならば米袋でもダンベルでも何でもいいので、自分の体重と同じ重さにした何かを腕で持つことを想像してみてほしい。持てないのよね、普通。でも、足は支えてくれている。多少の重量を感じてはいるかもしれないけれど、腕で自分の体重と同じ重さのものを持つ時と比べたら、ずっと軽やかでしょう。
感覚って、こんなもんなのです。ある時素晴らしい演奏ができて、その演奏をしている時の感覚を覚えていて、「あの時のあの感覚」を探したとしても、そもそも感覚という基準が曖昧すぎて信用できないものなので、基準にするには無理があるのですよ。
感覚を感じ取ろうとすると身体は固まる
もうひとつ、感覚を追いかけるデメリットを。
感覚というのはつまり体感覚のこと。体感覚にも色々あるのだけど、僕らが「あの時のあの感覚」を追いかける時に頼りがちなのが、筋肉の収縮を感じ取る筋感覚だ。
試しに今この場で右手をギュッと握り込んでみてほしい。実際に握り込んでいる手首から先のほかに、二の腕の筋肉が何か仕事をしているのを感じるでしょ?それそれ。それが筋感覚ね。
僕たちは「筋肉が縮めば何か感覚が得られる」ということを無意識に承知している。だから例えば「力を抜きなさい」と言われると、「力の抜けている感覚」を感じ取ろうとしにいく。でも感覚を感じ取るためにするのが筋肉を縮めることだから、力は抜けない。イエス、堂々巡り。
力を抜くっていうのは、感覚を得ることを諦めることなのです。大丈夫。感じ取ろうとしなくても、実際に何も感じなくても、僕らは自分の動きの質は高めることができます。
むしろ、高い質の動きが求められる場面では、筋感覚を得ることを諦めれば諦めるほど、いい感じになる。面白いよね。
失敗への備えを解く
筋感覚を得ることを諦める。やってみると分かるけど、これ、とっても怖いのです。
なぜか。色々な理由があるとは思うのだけど、ひとつに、僕らは筋感覚にフォーカスすることで、何か失敗やトラブルに備えている、ということがあるように思う。
ピッチを外さないように。
鳴らす弦を間違えないように。
失敗しないように。
怒られないように。
否定されないように。
バカにされないように。
慎重に身体の動きを逐一監視していなきゃいけない。そんな不安や恐れの思考がどこかにあって、失敗を避けるために、逐一身体を監視するために筋感覚を使っているとしたら。備えを解くことは、結構なチャレンジです。
それでも、解いてみてほしい。弾き語りなら、ひとりの部屋で、ここには自分しかいないと指さし確認して。「感じることをやめます」と口に出して、演奏を始めてみるのだ。ああ、こわいねぇ。うひひ。チャレンジチャレンジ。
筋感覚を手放した先の感覚
筋感覚を得ることを諦めると、あちこちの筋肉が緩むのが分かると思う。その状態でやりたい動きをしてみてほしい。ギターをぽろろんとやったり、ラララーと声を出してみるのだ。
長らく筋感覚と一緒にいた人には、ちょっと難しいと思う。でも、なんとなくで構わない。どうだろう、何だか、いつもより身体全部で音の振動や、身体の動きを感じる気がしないだろうか。
筋感覚に頼っていた時は、何かを感じようとすればするほど身体が固まる。すると微細な振動や動きを、筋感覚が飲み込んでしまう。感じようとすることが、感じることを邪魔していたのだ。
筋感覚を得ることを諦めた今、あなたは筋感覚以外の皮膚や骨やその他のなにがしかを通して、新しい感覚を得ているはずだ。その感覚はこれからもっと深くなるし、もっと豊かになっていく。
面白いことに、実際にあなたが豊かな感覚を得た状態で演奏をしていると、リスナーにも豊かな感覚がやってくる。身体の共鳴する場所が増えるのだと思う。知らんけど。
全身で、自分全部で感じる豊かな感覚を楽しむ。しかもそれは意識しなくても人に伝わる。人体、ヤバくない?
ところで、次にその感覚が欲しくなった時、「あの時のあの感覚」を追いかけないでね(笑)。僕らがやったのは、筋感覚を得ることを諦めただけ。今自分が何を感じたのか、ではなく、何をしたのかを言葉にしてポケットに入れておくと、後で再利用できます。チャレンジしてみようぜ。
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