ライブをすることに苦痛をもたらしていた自意識と、その先について

人前で音楽の演奏をすることに苦痛があるな、って気付いてから、ライブパフォーマンス的なことをするのはやめちゃったんだけど、その苦痛は自意識の過剰さから来てるんじゃないかって仮説が見つかって、なるほど確かに苦痛を感じる時は自分の中にある苦痛さで頭がいっぱいで、お客さんやスタッフさんのことなんか全然意識できてなかったと気付かれました。

じゃあこのしつこい自意識が発露しなければどうなるのかというと、たぶんライブが好きって言ってる演者たちの言う「会場との一体感」(実はこれまでほとんど経験したことがなかった)に近いものと出会えるんじゃないか、という仮説を持ってみます。

あぁ、そうか。演者と、スタッフと、お客さんは、素敵な時間を作るチームなんだ。確かにみなさん、それ的なことを仰ってた。でも全然理解できなくて、ぽあんとしてた、わし。これはだから、僕が理解できる言葉に翻訳すると、アドラー心理学の言うところの共同体意識に近いんじゃないかな。

僕が取り組んでるアレクサンダーテクニークっていう身体の使い方の作法は、腕や足の使い方を整える時に、必ず最後に全身という「全体」に帰る。痛みや違和感、みたいな問題は、たいてい腕や足や背中のここ、みたいな「部分」で起こるんだけど、こういった問題は「部分」だけでは解決できないのよね。

この例にならえば、ひとつの音楽のライブという場がある時に、僕は演者という立場の自分のことばかり考えて、その果てで苦痛に悶えていたわけだけど、演者とスタッフとお客さんの総員を「全体」とするなら、演者である自分は、そういう役割を担った「部分」でしかないんだよね。

肥大化した自意識は自己と他者を分けたがるけれど、そうではなくて、素敵な時間を一緒に作るチームという「全体」の中の、演者という「部分」の役割を全うする。そういう意識を堅守していれば、それでいいはずで。それができれば、きっと何年間も板の上で感じていた苦痛は、現れないんじゃないかな。

と、仮説に仮説を重ねてみるけれど、すると今度は「どうすればその場の構成員を『全体』と認識できるのか」って話しになる。そこにぶつけてみたいものがあります。「文脈の奉納」。なんじゃそら。

これはいつか聞いた「棋譜の奉納」という言葉を、僕なりに納得できる形に変えたもの。棋譜というのは、将棋の棋士同士が差し合った駒の動きを記録したものなんだけど、これを神様に捧げるっていうことをするんだって。すごいよね。

ほんで、文脈について。僕たちの内外には「文脈」があると思ってるんです。外側の文脈は考えに入れるとややこしくなりすぎるので、今回は内側の文脈についてだけ考えてみます。

僕がギターを持って板の上に立つ時、僕は何かを考え続けています。今回の文章では、その考えていることそのものを「文脈」だと定義します。

板の上に立つ僕の中には色々様々な考えが巡ります。過去の僕は、ここで「どうせ分かってもらえない」とか、「きっと今回も微妙なライブになる」なんてことを考えていたわけです。これが過去の僕の中に紡がれていた「文脈」です。

で、はい、そうです。この自分の中にだけ紡がれ、渦巻き、流れていく文脈を、神様に捧げるものだとしてみるというのが、「文脈の奉納」という考え方の大骨です。

神様というと突然胡散臭くなるかもしれないけれど、「偉大で美しく愛に満ちた大存在」くらいのイメージです。あるいは「人格を持った美意識」と言ってしまってもいいかもしれません。余計分かりづらい?すまぬ。

とにかく、神様に捧げるのだから、恥ずかしいことはできません。どんな「文脈」なら神様に喜んでもらえるか、しっかり考えないといけない。したっけ、スタッフさん達という構成員たちに対する「信頼」の気持ち、お客さんという構成員たちに対する「貢献」の気持ち、何よりその場にいる構成員全員や、場そのもの、何なら神様に対する「感謝」を軸にした文脈でないと、恥ずかしくってお見せできない。

こうやって自分の内側の文脈を、神様に胸を張って捧げられるものにしていく。そう意図すると、僕の場合はかなり自然に、その場の構成員全員を「全体」として認識しやすくなります。

そして今回はあまり深入りしないけれど、そうやって大切にこさえた自分の内側の文脈は、外側の文脈の質をぎゅんぎゅんと上げてくれるんです。たぶん。

あぁ、すっきりした。たぶん殆ど意味不明な文章だったと思うんだけど、最後までお付き合いいただいて、ありがとうございました。

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