「責任を取る」って、被害者が被った「損」を、加害者が自分の「得」を投げうって埋め合わせる、的なニュアンスで使われることが多い気がします。でもそれって、本当に、「責任を取る」ことができるんだろうか。それで本当に、「責任を取ってもらう」ことはできるんだろうか。
そもそも、誰かが誰かに対して責任を取ることって、本質的に可能なんだろうか。
あなたは、どう思いますか?
自分の責任を手放すことって、実はできないよね
僕らの住んでるこの国は、人の失敗を批難する文化がちょっと濃いように思います。だから批判を避けるようにして、安全に安全に。お陰様で信頼に足る商品がたくさん開発された側面があって、それはすごく有難いことです。
その一方で、本当はその人が負うべき責任まで引き受ける・引き受けてもらうことが、当たり前になっている面もあると思うのです。
例えば飲食店のバイトがキッチンで食材を使って遊んでたとして。僕がそのお店でご飯を食べるとしましょう。
その時僕は「衛生環境を管理する」っていうことを完全に店のスタッフさんにお任せしています。僕は厨房にどんな人がいるのか知りません。どんな人間関係や労働環境が広がっているのかも知りません。それでもお任せしたんです。
それって、お任せした僕の責任ってあるよね?と思うのです。
人は完璧じゃないです。企業や店にはマニュアルやシステムがあるけど、人はマニュアルで動くものでも、システムの一部として機械的に動き続けるものでもありません。マニュアルを守り、システムの一部になることでお給料を貰っているからといって、人としての性質が変わるはずがないのです。
お食事にしても、何か車とかパソコンなんかを買う時もそう。僕らは自分ができないことを、他の誰かに代行してもらっています。ロクに品質チェックもしないままに。そのための知識を得ることもせずに。
誰かに頼んだのだから。
人間という不完全で未熟なものにお任せをしたのだから。
そもそも
不完全で未熟な生き物同士が
身を寄せ合って生きているのだから
この世では間違いや失敗、失態が起こることを前提にしていた方が、こちらも相手も楽ちん伸び伸びやっていけるんじゃないだろうか。その結果として、ミスが減ったり、品物のクオリティが上がったり、思ってもみないところからイノベーションが湧いてきたりするんじゃないだろうか。
僕はあなた尊重しているからこそ、責任を取れない
長い前置きになっちゃったけど、ここからが本題です。
他人の責任と自分の責任を分けて考えるようにしておくと、すっごく気楽になります。
僕はミュージシャンだった時、お客の反応ひとつひとつにすごく振り回されていました。同じステージの同じ曲を聴いて、「すげえよかった!」という人と、「イマイチだった」という人がいるのです。僕は一体、どうしたらいいんだと(笑)。
僕はミュージシャンというのは、いい気分を提供する仕事だと思っていたから、結構マジメに悩みました。あの人もこの人も満足できる最大公約数を取ろうと必死でした。
だけど、そんなものないのよね。そもそも同じ人でも、その時の気分や状況で、同じ演奏を聴いても評価は変わる。人の評価なんて、人の気分なんて、まさに無責任なものです。根拠も何もない。
だから、例えば「すげえよかった!」という人には、「よかったね!」でいいのです。
「イマイチだった」という人には、「残念だったね」でいいのです。
無責任すぎる?
知らんわwww
自分のサービスとか商品が、素敵だと思ってるんです。だから「素敵ですよ!よかったら見てね買ってね!」ってお誘いをしてるんです。別に喉元にナイフを突きつけてるわけじゃないのよね。
お誘いを受けるかどうかの判断は、
最後はその人がしてるんです。
その人の意思と価値観で、決断しているんです。
相手の選択を尊重するなら、
相手の気分の責任を取ろうなんて無責任なこと、
言えんのです。
感謝しながら無責任に飛び跳ねよう
「じゃあ何でもかんでも自由にしちゃっていいんですね!人を殺しても責任を取らなくていいんですね!」
的なことを言う人っているんだけど、それは違うよね。
さっきもちょっと書いたけれど、相手の責任を取らないというのは、相手の意思と決断を尊重するということです。それは相手を信頼するということだし、こちらの自由に対して検討をしてくれたことに感謝をするということです。
僕のライブを例にすると
—
1.素敵なライブをするから来てね!
2.来てくれてありがとう!一緒に楽しもうね!
3-1.「よかったよ」→そうなんだ!よかったね!
3-2.「イマイチだね」→そうだったんだ。残念だったね。
—
的な感じです。いいんです、これで。いいんです(笑)。
他人の選択を尊重する。検討してくれたことに感謝する。その上で、自由に無責任に飛び跳ねる。やりたいことって、それくらい軽やかにやっていいと思うのですよ。
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