アレクサンダーテクニークのワークショップに行ってました

9月の6-7日の間、長野県にある穂高養生園でアレクサンダーテクニーク(以下:AT)のワークショップに参加しておりました。アレクサンダーテクニークは、僕の理解だけど、人が何か動作をするときに、自分の骨格や筋肉のデザインに即した動きをしちゃおうぜ!という「動作の合理化をはかるもの」です。

ATは100年ほど前にイギリスで爆誕したのだけど、そんなものが誕生して100年間も磨かれてきたということはつまり、自分の体を本来のデザインにフィットしない使い方をしている人が、とっても多いということです。僕も例に漏れず、自分の体のデザインにフィットしない動きをしている人ですが、ATと出会って一年が経ち、腰痛と背中の痛みと肩凝りが完全に消えました。一時的に負荷が大きくなった時に痛む時を除き、10分も座っていられなかった慢性的な痛みがゼロになったんです。ゼロですよゼロ。

じゃあお気楽に取りかかろうぜ!って話しで、そして実際にお気楽なほど効果を発揮するので、ぜひみなまさにもご紹介したい。まずは僕が魅力的に感じている萌えポイントを。

自分の体の事実を知る→知るってたのしい!

動作の合理化を進めるには、最低限の人体の仕組みを理解する必要があります。チャクラとか、経穴とか、そういうことではないよ。関節はどこにあり、筋肉はどう繋がっている、的な、至極物理的な解剖学の知識のことです。

それらから得た知識を自分の体に当てはめて考える「ボディ・マッピング」というアプローチで、知識を運動するという活動に落とし込みます。これを進める過程で、自分が自分の体のことをどれだけ誤解していたかを知ることになります。例えば「腕は鎖骨の中心から始まっている」とか。愛することはね、知ることから始まるんだよ、ワトソン君。

人体骨格を横から見た図

骨で見た首と頭の境目は耳の裏あたり、とか
胸郭は骨盤よりも前に出ている状態が自然、とか
背骨はかなり大きくカーブしていて、腰椎は体の中心を通っている、とか

「やってる感」がない→楽ちんでええねんな!

ATに取り組んでいく上でもうひとつ厄介なことが、体からのフィードバックが凄く少ない、ということがあります。例えば、ATでは脊椎と頭蓋骨の関節部周辺の筋肉や、背骨周辺に付いている姿勢を維持する筋肉たちにアプローチをすることが多いのですが、それらの筋肉には感覚神経が通っていません。自分の体に起こっている変化が、感覚として得られない。もっと平たく言うと、「やってる感」がないのです。力んで強ばることでモノゴトに取り組んでいた僕にとっては、この概念を理解するとこが大きな課題でした。

幻想と現実のせめぎ合い

僕の場合、去年参加してから約2ヶ月くらいで、やってる仕事の内容や量は変わらないのに体背面の痛みが解消されました。歌う時もそう。WSの中で、アカペラで歌いながら講師の方に体を整えてもらったら、僕は楽に歌えてるなー、くらいの感覚なのに、他の見学していたメンバーから歌声の響きが劇的に豊かになった、というフィードバックが返ってきます。

今回のWS最終日、朝食を食べながら講師の方に「ATは幻想と現実のせめぎ合い」と教えてもらったのだけど、まさしく、と感じます。体を本来のデザインにフィットするように動かすと、「やってる感」が無くなります。楽になります。驚くほど少ない労力で驚くほど豊かな結果が得られます。だから逆に、頑張るとか、歯をくいしばるとか、そういった手法で物事に取り組んできた人には、大変な不安が伴うのです。

しかし、この不安を手放すことが幸福なパラダイムシフトに繋がるのです。頑張らなくても、歯をくいしばらなくても、それ以上の結果を出すことができる。楽になることと、自分のアウトプットの質を上げることが、イコールになる。こんな素敵なことはありません。

ATの醍醐味は日常生活

そんな訳で、去年に引き続き今年のATのWSも実り多く終わっていきました。山を降りて、日常の中で粛々と自分への理解を深めていく日々が再び始まります。何と喜ばしいことか!

よく世間で言われている「頑張らない」を、物理的に体験できる機会は、そうそう無いと思うのです。そういう意味でも、僕は最高にラッキー。さて、脊椎の上で頭蓋骨を自由に。やわらかにしなる背骨で指先に意識を…あ、怪しいわこれ。

穂高養生園、木と人カフェの写真

こーんなステキな場所で

穂高養生園のマクロビ食の写真

こーんな美味いメシを食べて

ワークショップをした木と人ホールの写真

こーんな気持ちいいホールでWSをしたのさ