わが愛しのAm P.30:作る兄弟(2018/08/18)

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学研ニューブロック

学研ニューブロックで作られたロボットの画像

結構おもちゃを買って貰っていた方だと思うのだけど、一番印象に残っているおもちゃは、ブロックである。レゴではない。「学研ニューブロック」という、少し大きめのブロックである。レゴほど自由度は高くないが、そもそものサイズが大きいので組み上がるものもそれなりに大きい。スーパー戦隊やロボットアニメが大好きだった男ばかりの3人兄弟は、この「学研ニューブロック」で武器を作ったり、ロボを作ったり、とかく日がな何かしら作りながら暮らしていたのだった。

先ほど載せた写真のように、このブロックが推奨しているロボットのデザインは、箱を組み合わせてつくるような簡易的なものだ。しかし、僕は複雑な機構を愛する男である。ロボの構造やギミックは、入り組んでいれば入り組んでいるほど、複雑であれば複雑であるほど、素晴らしいものだ。結局箱ロボなんぞほとんど作ることなく、試行錯誤を繰り返した結果、ついにはオリジナルのロボ構築システムを開発するに至った。

魅惑のコアブロックシステム

僕が開発したのは、「ロボの胴体となるブロックの塊を先に作り、それに手足を足していく」という機構である。名付けて、コアブロックシステム。コアとなるブロックの塊は箱型ではなく、複数の決まったブロックを決まった順番で組み合わせたブロック塊である。ブロックの接続部がふんだんにむき出しになるので、継ぎ足していく手足や装飾パーツの可動域が非常に広い。その結果、例えば人型から戦闘機型に変形するロボを作る時に、「腕や足のパーツを外さずに変形させる」という、箱ロボでは到底実現不可能なスマートなトランスフォーメーションが可能となるのだ。今手元に写真がないことが、実に口惜しい。

弟のちゅわさんもすぐにこのコアブロックシステムの魅力に気づき、それが実現する無限の可能性の虜となった。スマートなデザインのロボを愛する僕と違い、無骨で巨大な造形を愛する彼は、毎回実にゴタゴタとしたロボを作っては、僕にブロックの無駄遣いと罵られていたものである。

その後のふたり

ワクワクさんとゴロリの画像

このブロック遊びを土台にして、僕は段ボール工作やプラモデル作りに歩みを進めていく。特に段ボール工作はブロック以上の自由度と加工のしやすさ、そしてワクワクさんという教祖の存在が後押しして、小学校の時などは、段ボール工作をしたいがために仮病を使い、3日ほど家に籠もってカッターナイフとガムテープを振り回すような子どもになっていった。

ちゅわさんはというと、彼は僕が飽きてからもしばらくブロック遊びに夢中だった。兄が使わなくなった余剰のブロックが、彼のロボのさらなる装甲の糧となったの。元来それほど器用でない彼は、しかし圧倒的な集中力と場数でもってそれを乗り越え、現在はなんだかよくわからない巨大なプラモデルの合体作品を組み上げるようになってしまった。

大きなな収納ケースいっぱいのプラモデルのジャンクパーツから小さな突起を拾い上げ、ベースとなるガンプラに接着剤で貼り付けていくそれは、スマートさとは対極の、しかし実に美しい何かである。これも今手元に写真がないのだけど、いずれご紹介させていただきたい。

結局、あの時「学研ニューブロック」越しに見ていた世界を、僕たちは今も追い求めている。人の本性とは、かくも変わらぬものである。
 
  
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