「やりたいこと」がないことが、ストレスに感じる人が一定数います。僕はそのタイプで、自分が真空状態になってると、とても気持ち悪くて。
そういう時、どうしたら「やりたいこと」は見つかるのか。いやいや、自然に見つかるのを待てばいいのよ、というのも一案。でも僕なら、そんな気色悪い状態は一刻も早く脱したいわけです。
ということで、「やりたいこと」の見つけ方について。一言で言うと、自分に手間をかけなさい、という内容です。具体的なワークの方法と注意点を書き添えました。ご査収ください。
「やってみたいことリスト」を作ろう
僕たちが何かを選ぶときは、そこに選択肢がないといけない。当たり前だね。大泉洋に「当たり前のこと言うなよ藤村くぅん」って怒られるくらい、当たり前だね。
僕らの「やりたいこと」もそう。つまり、そもそも「やってみたいことリスト」的なものがないと、「やりたいこと」を選ぶ作業ができない。
じゃあそのリストはどこにあるの?っていうと、ない。ないんです。この世のどこを探しても見つかるはずがないんですよ。だから自分で作るしかないのよね。
ゆえに、紙とペンである。スマホとかPCのメモでもいいよ。そこに「やってみたいこと」を箇条書きにしていくのです。
以上終わりなのだけど、ちょっとコツがある。それは、どんな些細でしょうもなくて下らなくて、価値がなくてわざわざ文字にするほどでもなくて、そのことを考えるだけでちょぅと恥ずかしくなっちゃうようなことも、バンバン書き出していくこと。
いいじゃん、どうせ自分しか見ないんだし。
あ、ちなみにこれがファーストステップなんだけど、ファーストステップをやらないと、セカンドステップから始めるって、だいぶ意味が薄れます。
「自分に手を抜かない」って言い聞かせて、やってみてくださいな。
簡単なことを片っ端からやってみる
リストを作ったら、その中から珠玉のプロジェクトをひとつ立ち上げるのかというと、違います。作ったリストのうち、とにかく簡単なものから、どんどん手をつけていきます。
僕の友だちに、大畑楽歩さんっていう不良主婦がいるんだけど。この人、ダンサーでドラマーで講演家で整理収納アドバイザーで作家です。なんせ毎日自分の「やりたいこと」で忙しい。
そのくせ楽歩さん、アテトーゼ型の脳性麻痺なんです。動きとか、話し方とか、誰がどう見ても、バッキバキの障害者。実際めっちゃ疲れるんだって。
その「やりたいこと」の達人の楽歩さんが言ってました。新しく何かやってみたいことを見つけたら、ちょっとやってみるんですって。
楽歩さんは習い事が好きだから、その場合だと、体験レッスンに行ってみる。行って、少し体験して、その上でやるかどうかを判断する。
そもそも、一回もやってみないで、それが時間やお金を投資する価値があるかどうかなんて、判断できないもんね。
直感には頼らない
ここからは注意事項です。
ペンシルバニア大学教授のアダム・グラントは著書『Originals(三笠書房)』の中で、こんなエピソードを紹介しています。
Apple社のスティーブ・ジョブズや、Amazon社のジェフ・ベゾズが試作品を見るや一気に惚れ込み、彼らをして「革命的」と言わしめ、世界のモビリティを一新するとまで言われながら、結果的にニッチな市場で利用されるにとどまった…つまり大コケしたプロダクト。
その名は「セグウェイ」。
アダム・グラントは天才達の失敗を、こう結びます。「直感は、自分の経験が豊富にある分野においてのみ正しい」。
さあさあ、我が身を振り返る時間です。僕らどこかで、自分たちの「やりたいこと」につきては、劇的な出会いやビビビッとくる天啓めいたものがあると思ってないですかね。
ないです。ないんですよ、そんなもの。もしあったとしても、それが今まで関わった経験の少ない分野のものだったら、その直感は信用に値しない。
ということは?片っ端からやってみるしかないのよよね。ローラー作戦です。たくさんのことをちょっとずつ経験して、僕らはようやくまっとうに選択ができる土俵に立てるんですよ。
「やりたいこと」を探している段階で直感を当てにしすぎるのは、よくないってことです。気が乗るものも、乗らないものも、片っ端から手を出しましょう。
この段階で成功者の話しを参考にしない
たとえば、「やりたいこと」を仕事にしようと思ったとしましょ。今の時代、お金を稼ぐ方法はたくさんあって、しかもその全ての領域に成功者がいます。
その成功者たちはたいてい、自分がどうやって成功したのかを教えてくれてます。無料で。ブログとかYouTubeとかで。それはもう、包み隠さず。すごい時代っす。
さて、「やりたいこと」を探し始める段階で、自分のやりたいことが「お金を儲けること」のあなた。ちょっと注意が必要です。なぜか。お金を稼ぐ方法は、成功者の数だけあるからです。
それはつまり、「何をしてもお金なんか稼げちゃう」ということ。だからお金を稼ぐ手法から入って、良さげな手法を見つけても、その手法と自分の心が繋がっていないと、続かんのですわ。
これは僕の経験則だけど、お金を稼ぐ手法よりも、何をしている時に自分の心が幸せを感じているのかをハッキリさせて、その後で自分が幸せを感じることをマネタイズする方が、早い。
どの手法でも、成果が出るまで多少時間がかかるからさ。その成果が出るまで続けられるのって、結局、やってて楽しいことなのよね。
【まとめ】まずは選択肢を作り、一通りやってみて、その中から素敵なものを選べばいい
考えてみたら当たり前のことなんだけど、どうにも僕ら自分のことには手を抜くクセがあるというか。論理的なつもりでいて、ビビッとくるものを待ってるというか。
そういうのも悪くないんだけどもね。でも、ビビッとくるのって、ある種の奇跡じゃん。で、奇跡っていつどこで起こるか分かんないじゃん。
ただ奇跡的を待っていても起こる可能性があるし、自分にできることに頭と身体を使いながら取り組んでいても起こる可能性があるわけだよね。じゃあ、自分にできることをやってた方が、幸せになれる可能性って、高くなるんじゃないですかね。
いやいや、ここは勇気を出して言い切ります。人って、自分の「やりたいこと」に向かって歩き出した瞬間にもう幸せなんすよ。だって、「やりたいこと」だよ?自分の。それに向かって動くことが幸せじゃないとしたら、何を幸せって呼ぶの?
ということで紙とペンから始めてみるのは、どうでしょう。