お恥ずかしながら、妻との関係がもう少し良くならないかと悩んでいました。
妻との関係作りに対して努力をしてきたという自負はありました。家事を「手伝う」のではなく、「家族のタスク」として共に取り組むとか、妻が大事にしているものや時間をできるだけ大切にしようとか、少しでも豊かな生活ができるように仕事の生産性を最大化させようとか。
そういう努力はある程度意味はあったし、そのことを妻も分かってくれています。だけど時々どうしようもなくすれ違うことがあって、その都度こう思っていました。
こんなに頑張ってるのに。
しばらくそんな報われない気持ちを見下ろしてウジウジしていたのだけど、心機一転パートナーシップを学び直すことにしました。だって努力が報われていない時は、100%努力の方向性を間違えている時なのだもの。
これから書いていくことは、その学び直しの中で僕が気付いたり、大切だと感じたことです。奥様のことを愛し、努力しながらも、報われない悲しみを胸に秘めた夫たちが、ご自身の考え方を見直すきっかけになれば、うれしいです。
男性の脳と女性の脳はiPhoneとAndroidスマホくらい違う
まず、僕が自分に言い聞かせておきながら、それでもやっぱりどこかで信じ切れていなかったことを白状してます。それは
女性の脳は、男性の脳に比べて、圧倒的に優秀
ということ。
よく言われることだけど、古代人類の営みは、男は狩りに出て肉を獲り、女は家にいて子を育てる、というものでした。
悪く
それぞれの役割りをこなせる人が生き残り、こなせない人が淘汰されてきた結果、現代を生きる男性脳には目的意識を強く持ち、空間認識や集中に長け、シングルタスクを処理するのに都合のいいシステムが残りました。
対してルーチンとイレギュラーが入り乱れた家庭という場を任されてきた女性の脳には、色覚聴覚、記憶力に長け、段取りが得意でマルチタスク処理に強いシステムが残りました。
こういう男女の脳のシステムの違いを「能力」の違いだと、どこかで思っていました。違うの。「仕様」の問題なの。iPhoneとAndroidスマートフォンくらい違うのよ。
例えば、口紅ってものすごい種類の色があるでしょ?男にはほとんど同じ色には見えるけど、あれ、女性にはちゃーんと見分けが付いてます。女性の方が、赤〜オレンジの色味を細かく認識できるのですよ。
なぜか。それは赤ちゃんの肌の色味の変化をいち早く察知できた、色覚が豊かな先人女性達が子孫を多く残すことができたから。と言われています。
そういった膨大な量の時間と文化と淘汰の先端にいるのが、僕たちです。ずっと違う役割を担ってきた男女の脳が違う仕様になるのは、当たり前なんですわ。
今の世の中にフィットしているのは、女性の脳
違いはわかったとして、じゃあどうして「女性の脳は男性の脳よりも優秀」と断言できるのか。同じように生き残ってきたのだから、仕様は違えど、性能は同等と語られてもいいようなものを。
もちろんその通りです。そうなんだけど、どうしても動かし難い要素が、僕ら男性の脳の活躍を貶めています。それは、生活環境です。
女性の脳はマルチタスク処理に強いと書きました。さて、情報もやるべきこともやりたいことも飽和した今の世の中で、マルチタスク処理の機能は強い方がいいか。弱い方が有利か。
ダントツでマルチタスク処理が強い方がいい。間違いないです。
ビジネスが男性の世界だったのは過去の話し。「これをやればこうなる」という確実性の高いプロジェクトがあって、それをシングルタスク的に処理すれば、お金が回ったのですよ。
でも今は違います。不確実性の時代です。この先どうなるか分からない。これをすればこうなる、という物事が、誰にもわからない。僕を含めた男性たちは、そういう数メートル先も見えない荒野に突然放り出されました。
女性たちは違います。彼女たちは家庭という不確実性の極地とも言うべき現場を守ってきたプロフェッショナルです。
毎日やるべきことがあり、起こることだけが分かっているイレギュラーを捌き続けてきた彼女たちに、男性の脳が叶うわけないんです。
マルチタスク化した現代の生活環境において、女性脳は男性脳をぶっちぎります。
だからそこの、自分は優秀で奥様はそうでもないと思ってるあなた。勘違いも甚だしいぜ。
僕らの愛する妻たちは、不確実性の世の中において、僕ら男性陣ではとても太刀打ちできないほど優秀なのです。
これは僕や、あなたの能力の問題じゃない。脳という器官の仕様の問題です。だから自分を低く見積もる必要はないです。ただ、奥様を低く見積もっていたかもしれない事実は激しく反省しましょう。という話しね。
男の最低限の役割は「お金を稼ぐこと」と「奥様を笑顔にすること」
男は役割や責務を背負うことで、モチベーションが高まる生き物です。マンモスを狩って肉を持ち帰ることが唯一の誉れだった名残りですな。
だから仕事を担い、勤めを果たすことを、自分の存在意義にしてしまえます。良くも悪くもシンプルなんですな。
さて、ここまでは原始時代と同じ。令和の現代、男は新しい役割を担う必要があります。それが、「奥様を笑顔にすること」です。
笑顔にするといっても、抱腹絶倒の話術と小噺を身に付ける必要はなく。
自分の能力を余すことなく発揮して、家庭に外貨という獲物を持ち帰る。その時に「いつも君がいてくれるお陰で頑張れてるよ。ありがとうね」と声をかける。
そんなもんでよろしい。わが家はそこでハグとキッスまでやります。最高に幸せな瞬間です。最近息子が事あるごとにキスをしてきます。見られてる。
ちなみに、毎月何百万円かを家に入れられる人なら、笑顔はそんなに頑張らなくてもいいかもです。笑顔ってある程度はお金で買えるもんね。
そこまでいかなくても、家族が生きていけるだけのお金と、感謝の言葉。そして「こんな優秀な人が自分と一緒にいてくれる」という事実に対するリスペクト。
この3つがあれば、最低ラインはクリアできます。割と簡単。忘れなきゃいいだけです。毎日リピートするリマインダーを設定すれば達成できます。
とはいえ、これはあくまで最低ライン。ここから積み上げでやれることは山ほどあります。これからたくさん書いていくから、一緒に勉強しようね。
では、では。