既存の曲を演奏することを「コピー」とか「カヴァー」って
言いますよね。
演奏家としての上達の秘訣のひとつに
「イイ感じのカヴァーを沢山すること」ってぇのがあるけど、
みなさんは意識して「カヴァー」に取り組んでますか?
はい、「コピー」じゃなくて、「カヴァー」です。
よくデーモン閣下とか、徳永英明さんがやってるアレです。
メジャーのミュージシャン達が人の曲を演奏してるところを
見る機会はあんまりないけど、
やっぱり一流のミュージシャンともなると、
とんでもない数の楽曲をしっかりと「カヴァー」してます。
そういう訳で今回は、「コピー」と「カヴァー」の違いと
どうして音楽的な成長を目指す上で「カヴァー」が必要なのか、
ということをお話しします。
僕の中でカヴァーの名手というと、実は椎名林檎。
アルバム『唄ひ手冥利』は一聴の価値あり。
カヴァーってぇのは哲学へのアプローチだ!
まず先に、言葉の仕分けをしちゃいます。
今回の記事の中で僕が使っている「コピー」という言葉は、
「歌詞」「フレーズ」「テクニック」なんかを真似て
それを再現すること。
というニュアンスです。
それに対して「カヴァー」という言葉は、
「どうしてそうしたのか」「なぜそう感じるのか」という
理解や解釈を深めること。
という哲学的な意味合いを含みます。
だから記事を読み進めながら、「それはコピーだろう!」
なんてツッコミで頭の中をいっぱいにするのはナシでね。
よろしくね。
「コピー」は必要です
とは言うものの、コピーなくしてカヴァーは存在しませんから
「コピーをする」という行為も大事なんです。
コピーをしていく上で、楽曲の細かな部分をじーーーーーっと
見つめて、発見をしたり、感動があったりするんだしね。
だから、この話しはコピーありきです。
おーけい?
カヴァーで哲学
「哲学」っつーと何やらヤヤコシイ某的雰囲気が
溢れて止まりませんが、「哲学」っちゅーのはつまり
そのことについてどう思っているか、ということなんですわ。
例えば、接客業をしてる人だとね、
自分がどこかのカフェか何かで食事をした時に、その店の
スタッフさんの対応に感動したらさ、次から自分の仕事の
合格ラインがちょっと上がるじゃない。
それってつまり、「接客」っちゅーものに対する、自分の中の
「哲学」が、「感動」によって育まれたってことなんだよね。
で、そうなるとね、その仕事を語れるようになる訳ですよ。
「私はこう思うんだ!」みたいなのを。
それが「哲学」です。
簡単でしょ?
アーティストの哲学は理解できなくてもいい。
で、僕らは接客じゃなくてライブパフォーマンスとか、表現に
対する哲学を深めていきたいんだよね。
その時に大切なのが人の哲学に触れるってことで
コピーをしながら、あるいはその後にね、
「どうしてこうしたのか」っていうことを感じながら、
考えながら、そこに自分なりの解釈を作っていくっていうこと。
その時に、意外かもしれないけど、アーティスト本人が
実際にどう思っていたかはどうでもいい、ってことをぜひ
覚えておいてほしいんですよ。
だって答え合わせできないじゃん。
万が一アーティスト本人と出会う事ができても、
その曲を作った当時のその人とは絶対に別人だからね。
アーティスト本人の哲学だって成長するからね。
大切なのは自分自身の中にね、その楽曲に対する「理解」や
「解釈」を作り上げて、育てていくことですよ。
で、それも自分自身という人間個人の成長と共に変化する
からね、「これでこの曲の哲学は完成!」ってことは
絶対にないからね。
ほら、特に音楽の練習をしてた訳でもないのに、
久しぶりにやったら何故か良くなってて自分でビックリ、
なんてことが、たまにあるでしょ?
アレは、色々なものごとに対する自分の中の「哲学」が
育っていて、それが音楽的な表現に影響を与えてる、
ということだから。
だから、これはもう究極的なことなんだけど、
別に音楽をしてなくても、音楽は良くなっていくんですよ。
まぁ技術は落ちるし、ちゃんと人間的に、感動的に生きてないと
「哲学」が育つことはないんだけどね。
まぁそういうことだから、別にひとつの楽曲に対するあなたの
「理解」と「解釈」が合ってるかどうかなんてことは
どーでもえーねん、っちゅーことです。
おーけいかな?
カヴァーのやり方〜知るかそんなもん〜
見出しのサブタイトルでイキナリ否定してみせましたが
人によって「理解」や「解釈」の順番やきっかけは色々だから
僕があなたのカヴァーの方法を知ってるかというと、
知るかそんなもん、ってことでして。
ただひとつ、僕に言えるのは、
「どうしてこんなに気持ちいいのか?」ということを
突き詰めなさい、ということです。
例えば、最近ライブパフォーマンスで騒がれていた
サザンオールスターズに「マンピーのG☆SPOT」っていう
不謹慎極まりないタイトルの曲があるんだけどもね、
いいぞオッサンもっとやれ
・・・何だっけ、そうそう、そのマンピーの2番のAメロにね
〜Come on 情熱や美談なんて ロクでもないとあなたは言う〜
っていうフレーズがあって、ここが個人的に、とんでもなく
エクスタシィを感じるポイントなんですよ。
動画はこれしかなかった。件の箇所は、あまり強調されてません。
それにしてもダンスがバカ方面に振り切れていて素晴らしい。
ここがなんで気持ち良いかってぇとね、まず、件のフレーズの
直前に、「ズッチャッチャァラッズッチャァ!!」っていう
1小節を丸々使った大きなブレイクがあるのよ。
このブレイクで聴き手は「おっ」って引っかかるの。
引っかかったら、気になるから耳を澄ませるでしょ?
そこに美味しいハモを乗せたボーカルがどーんと飛び込んで
くるから、嫌が応にも気持ちがいい。
でも、それだけじゃないんだね。
この「引っかかり感」が生きてくるためには、ここ以外に
引っかかる部分があってはイケナイんですよ。
そう思って聴いてみると、やっぱり曲中にここと同レベルの
「引っかかり感」のあるブレイクは、使われてないんです。
ビートが落ちたり上がったりはしてるけど、それは逆に
ビートに注目を集めさせて、その変化やノリで楽しませてる、
っていうことにもなるよね。
そのお陰でこの2番Aメロのブレイクには、強い強い
「引っかかり感」が生まれるんです。
・・・という感じで、別にこれは桑田さんから聞いたことじゃ
なくて、僕自身が「そうなんじゃね?」と勝手に解釈してる
部分なんですね。
こういう「理解」と「解釈」、つまり
気持ちの良い音楽とは、という「哲学」を持っていると、
自分の楽曲のアレンジに応用できたりする訳ですよ。
そういう訳で、大事なことなので最後にもう一度。
「どうしてこんなに気持ちいいのか?」を突き詰めなさい
まとめ
お伝えしたかったことは伝わったかしら。
ともあれ、この記事を読んだからって音楽への理解が
深まる訳じゃないから、まずは今自分が好きな曲をひとつ
選んで、「どうしてこんなに気持ちいいのか?」を
突き詰めてみてください。
昨日の記事でもチラッと言ったんだけど、このブログは
あんまり具体的な技術教則的なことは言わないからね。
そいういうブログやHPはもうたくさんあるし。
だから、演奏をする人間自身に関することを書いてるんだけど
実はそこが一番分かりにくいところだったりもするから
もし記事を読んで理解できなかったとか、
もうちょっと詳しく知りたいとか、
自分の場合はどうなんだろう、って思った方は、
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メルマガでお答えしたり、気が向いたらこのブログでも
取り上げますよ。
ということで、今回はこの辺で。
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