■98%の人がやってる、下手クソの常套ミス
僕はギターと歌、それからステージ上での気構えや立ち振る舞いなんかを教えてるんだけど、ほぼ全ての生徒さんにするアドバイスがあって。ちょっと気にすればスグ直せるのに、気にしてる人が殆どいないから日本各地のライブハウスで発生してるのがこの4拍目開放弦無責任鳴らし問題。
特にギターをジャカジャカ掻き鳴らすのが好きな人に多い症状です。小節の4拍目あたりでコードチェンジのために、弦を押さえてる指を離して、開放弦の音を「ジャカッ」と弾いちゃうの。どうして気付かないのかいつも不思議。めっちゃ気持ち悪い音が鳴るからね。
・聴こえてないようで、聴こえてます
ギターのレギュラーチューニングでね、弦を6本ジャカジャーンとやると、不協和音が鳴るの。それが鳴るとどうなるかってゆーと、まず耳の良い人が「気持ち悪ッ」ってなります。で、そこまで意識してない人は、「なんか、まぁ、こんなもんかな」っていう感じになるの。
バンドの中のアコギなら、まだ許されるのよ、これ。ミスチルの桜井さんもサザンの桑田さんも、アコギ持ってる時は小節の最後の方は思いっきり指離してるんだけど、周りでしっかりと音が出てるから、気にならない。むしろアコギはマラカスみたいな、パーカッション的なミックスされてることが多いしね。
だけど僕らみたいにギターで弾き語りをする人は、それやっちゃうと演奏全部のクオリティが下がります。だって、毎回コードチェンジの度に不協和音が「ジャッ」って割り込んでくるのよ?余計な音が鳴ってるの。余計な音が、ミュージシャンのクオリティを下げるの。
毎回ギターの解放音を鳴らしてるのがどれだけダサいかってことに、早く気付いてほしいんだなぁ。
・まず一曲、不協和音無しで弾ききってごらん。
「じゃあ最後まで弦を押さえてたらいいんだな」ってなるんだけど、これがね、出来ないんです。4拍目や8拍目で左手を弦から離すことが、無意識の癖になってるからね。一回やってみるとスグ分かるからね。「あ、私これできないw」ってなるから。
だけど、やるんです。だってこれができなきゃ、いつまでたっても「不協和音を鳴らすギター弾き」という残念なポジションから抜け出せません。
・「腕を磨く」の本当の意味
ひとりの人間がひとつの技術を身に付けて、それを育てていく上で、大変なことが2つあるのね。それは、新しいものを身に付けることと、身に付けたものを手放すこと。で、どっちが大変かっていうと、圧倒的に手放す方が大変なの。
だって、それで今までやってきたんだもんな。「それ、やめな」って言われたら、それまでの自分を否定されたような気持ちになっちゃう。だけどもさ、じゃあそれを手放した自分は自分じゃなくなるのかっていうと、そんなことないんだよね。むしろ、磨きが掛かるのよ。洗練されるの。
昔から「腕を磨く」って言うでしょ?例えばギターを弾き始めた頃とか、歌をやり始めた時に、「型」みたいなものを見つけるじゃない。で、その「型」を身に付けていくことを頑張るんだけど、ある一定のレベルを超えると、あるものを手放し始めるよね。「力み」とか「固定観念」とかさ。
これは今回の話しだけじゃなくて、色んな場所で出てくる考え方だから、覚えておいてね。
「腕を磨く」と削り粉が出る。
削って削って、大事なものを削り落とす(手放す)。
すると表面の汚れや凸凹が無くなって、ピカピカに輝き出す。
素直な人の成長が早いのは、人から「それ、やめな」って言われた時に、素直に「はい」って言ってやめちゃうからです。その場で磨いちゃうんだね。それをしてもらえないと、こっちの立場としては、同じところを磨き続けなきゃいけないから、いつまで経っても次に行けない。無理やり行ったとしても、気持ち悪いままなんだなぁ。
単純な話し、1回会って話した時に「はい」って言える人と、3回会って言わなきゃ「はい」って言えない人だと、それだけで3倍進むスピードが違うの。講師目線で気付いた話しだから、信じて大丈夫よ。信じなくてもいいけど。3倍掛かるだけだからw
・まとめ
今回取り扱ったテーマは、やること自体はカンタンです。ただ、今まで大事だと思ってこなかったことだから、「うわっ!ダサッ!」っていうのを体感しないと、言葉だけで実践してくのは難しいかもね。
そうそう、僕の教室に来てくれたり、問い合わせをしてくれたり、質問のメールをくれる人の中には、劇的なテクニックとか名言(笑)を求めてる人が、たまーにいるんだけどね。だけど蓋を開けてみると他愛ない話しなんですよ、だいたい。
だけどね、「曲を演奏する時にギターの解放音を鳴らさない」みたいな、他愛のないことがね、ミュージシャンや音楽を形作ってる訳ですよ。だから是非、やってみてね。1回で次のステージに行ってもいいのよ?時間が掛かってもいいんだけどね。うはは。
・Information
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コメント
こんにちわ。
いつも動画を拝見して、参考にさせていただいております。
今回の記事で、山本先生の仰っていることは分かったような気がします。
ただ、4 拍目の裏で開放弦を鳴らしてあげないと、いくら素早くコードチェンジしたとしても、コード進行によっては音が途切れてしまう瞬間がありますよね ?
(逆をいうと、4 拍目の裏で開放弦を鳴らしてあげればどんなコード進行でも音が途切れないということになると思います)
つまり、
「開放弦を鳴らして、音が鳴り続けていることによる “リズム感” を大切にする」と、
「開放弦は鳴らさず忠実にコード進行をなぞって “ハーモニー” を大切にする」
のどちらを優先するのかという話になるのではないかと考えました。
前者の考え方 (リズム感を大切にする) があるという点も踏まえて、後者 (ハーモニーを大切にする) を支持なさる山本先生のお考えをもう少し詳しくお聞きしたいです。
以上、お時間あるときで構いませんのでご返信をお待ちしてます。
弾き語り人さん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
確かに、ご質問いただいた点については、記事の中では言葉足らずですね(汗)
結論から申しますと、バッキングの流れの中で全てのコードチェンジの直前に開放弦を鳴らさないことは、不可能だと思います。
弦を数本ずつプレイするフィンガーソロスタイルと違って、ジャカジャカかき鳴らしている時のコードチェンジでは、弾き語り人さんが仰るように「全ての弦から指が離れる瞬間」が必ず発生します。
人間の指の動作にはやはり限界がありますから、そういう意味では、この話題においてリズム感とハーモニーを100%両立することは困難であると思われます。
では、どう考えるかというと、僕は「その時演奏している楽曲で、その瞬間どう在ることがよりベターか」ということを大切にしてきました。
ゆったり聞かせるバラッドや、タイトな曲でもメロウなパートにおいては、意識して最後の最後までコードを押さえ続けます。
疾走感や勢いが重要と感じる曲やパートでは、ある程度ノイズな音が入っても気にしないようにしていました。
ちょっと抽象的な言い方になってしまいますが、あくまで自分の感性を判断のベースとしつつ、「今の技術がフォロー可能な範囲で最も美しい音楽にあゆみよる」という感覚です。
・・・こんな感じで、答えになっていますでしょうか。
それにしても、この記事を書いた当時の僕、すげえ生意気ですね・・・(汗)
真摯に向き合ってくださって、ありがとうございました。
分かりづらいところがありましたら、いつでもお返事ください。